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Kyoto Raindrops / Dissemination に込めた想い

写真家/アーティストの mag(@mag_cinephoto)です。簡単なプロフィールは以下です。

日常に潜む美を探し求める写真家/アーティスト。2021年12月より活動開始。ストリートスナップの手法をベースに現実と虚構が曖昧に入り交じる、想像力の湧く余白のある瞬間をテーマに写真を撮っている。またコラボレーションや二次創作、写真をベースにしたグリッチ/ジェネラティブアートの取り組みなど、写真の型にはまらない表現に挑戦している。

この度NFT ART TOKYO 4を通じてリリースする新作、「Kyoto Raindrops / Dissemination」についてお知らせと想いを綴らせてください。


コレクション概要

Kyoto Raindrops / Dissemination

「Kyoto Raindrops / Dissemination」は、Bitcoin, Ethereum, Solana, Tezos にまたがるマルチチェーンのコレクションである。

「Kyoto Raindrops」は純粋なストリート写真作品であり、「Dissemination」は「Kyoto Raindrops」の写真をベースにグリッチしたp5.js+WEBGLのジェネラティブアート作品である。

本コレクションはBitcoin, Ethereum, Solana, Tezos それぞれのチェーンで64 エディションずつ、合計256エディションで構成される。

「Kyoto Raindrops」をmintしたホルダーは、mintしたウォレットに「Dissemination」がエアドロップされ、純粋写真・グリッチ/ジェネラティブアートそれぞれの作品を体験することができる。作品の写真・コードはいずれもCC0ライセンスである。

本作品は「クリプトアートは生き続けるのか?」という問いを自分自身に問いかけたとき、京都滞在中に出会った刹那的な夜の雨から着想を得て制作した。

クリプトアートは雨の波紋のように変化し、広がり、伝播する存在のように感じる。それはチェーンの世界の中で変化し、新たな表現の核となることもあれば、チェーンの違いを超えて表現や思想が伝播することもある。

それらの活動や表現の痕跡はブロックチェーンに永続化され、伝播し生き続ける。そんなクリプトアートの性質を、京都の夜の雨の純粋な写真、様々なグリッチによる混沌、マルチチェーンでの展開が提示している。

本作品制作のきっかけ

今回の作品を制作しようと思ったきっかけは、NFT ART TOKYO 4 のテーマにあった「BACK TO THE NFT /  ARE YOU ALIVE?」という一文でした。

https://nat4.nftarttokyo.xyz/ より引用

2021年12月頃よりクリプトアートの制作活動を開始し、市場の変動にもまれながら今まで活動してきました。

その中で目にした「ARE YOU ALIVE?」という言葉は、自身の活動に対して問いかけられてるようでもあり、携わっているクリプトアートに対しても問いかけられてるようでもありました。

そこから「ARE YOU ALIVE?」という問いを、「クリプトアートは生き続けるのか?」という問いに自分なりに解釈しなおし、その問いについて考えたうえで作品を制作してみたいと思うようになりました。

クリプトアートはマルチチェーンで存在しうるか

「クリプトアートは生き続けるのか?」という問いについて考える時、「クリプトアートはマルチチェーンで存在しうるか?」というアプローチはどうか、というアイデアが浮かびました。

マルチチェーンということが頭に浮かんだのは、今までに自身がマルチチェーンで活動してきたことが大きいです。Ethereum から活動をスタートし、BitcoinのOrdinals、Tezos、Solanaと、それぞれのチェーンで作品を制作してきました。どのチェーンにも違った魅力があるなと感じています。

ただ今まで自分は通常コレクション制作をする際は、あるチェーンを選択し、そのチェーンを土台に構想していく形式でした。しかしマルチチェーンを前提に作品を制作することは今まで取り組んだことがなく、自分にとってチャレンジになるなと感じましたし、考えることに意義があるのではと感じました。

マルチチェーン作品での活動で感じたこと

マルチチェーンで活動してきて感じたことはいくつかあります。まずそれぞれのチェーンに特徴や違いがあり、個々人でチェーンの選択に関する趣味嗜好や価値観は異なるということでした。どのチェーンにも違った魅力があると思っていますし、個人的にはそれぞれのチェーンをリスペクトしています。

また最近強く感じることとしては、あるチェーンで生まれた思想や技術、活動がチェーンを超えて伝播しうるということでした。ランダムに例をあげると、1/1とエディションというNFTの形式、0N1 Forceのチェーン移行、BitmapからSolmap、SuperRareとGammaのコラボレーション、Artists support Artistの文化など、チェーンを跨いだムーブメントはいくつもあると感じています。

コンセプトの構想

そんなマルチチェーンで感じたことを振り返るなかで、クリプトアートにもチェーンを超えて伝播する性質があるのではないか、ということを考えつつコンセプトを考えていきました。

アート作品が持つ思想や創造性といった要素がチェーンを越えて広がることをイメージしたときに、初めての個展で京都滞在中に出くわした、刹那的な雨の夜を連想しました。クリプトアートは雨の波紋のように変化し、広がり、伝播する存在のように捉えられるのではと感じたのです。その着想をもとに、京都の雨の夜の写真を4枚にキュレーションし、「Kyoto Raindrops」コレクションを制作しました。

Kyoto Raindrops: 京都滞在中に出くわした、刹那的な雨の夜

またクリプトアートの作品はチェーンの世界の中で変化し、新たな表現の核となることもあれば、チェーンの違いを超えて表現や思想が伝播することもあると感じます。そう感じるのは純粋な写真だけでなく、写真をベースにしたコラボレーションやジェネラティブアートの制作を経験してきたからかもしれません。

その捉え方を踏まえ、初個展による京都滞在中に出会った雨の写真をベースに、p5.js+WEBGLでのグリッチによって混沌や変化をもたらすジェネラティブアートを組み合わせ、「Dissemination」コレクションを制作しました。

Dissemination: 純粋写真そのものをp5.js+WEBGLでのグリッチによって混沌や変化をもたらす

この作品の核となる純粋写真とコードは、いずれもCC0ライセンスとしています。今後もチェーンによらず伝播しうる存在として捉えました。

作品のソースコードはCC0ライセンスとしてGithubにアップしています。

本作品のマルチチェーンによるアプローチ

すでに展開されているマルチチェーンのクリプトアート作品としては、Patric Amadon による「Disobedients」があると思います。本作品もその影響を受けています。

「Kyoto Raindrops / Dissemination」において、「Disobedients」と異なるアプローチを取っている点は以下になります。

  • 自身が今まで作品をリリースしてきたL1チェーンに限定していること

  • エディション枚数・価格を各チェーンで揃えていること(多少の為替変動はあるものの)

  • 純粋写真・グリッチ/ジェネラティブアートの双方を所有・体験できること

これらは各々のチェーンへの捉え方に敬意を表し、尊重したいという想いを込めています。おそらく上記のアプローチは調べた限り前例は無いと思っています。

クリプトアートはチェーンをまたいで伝播し、受け入れられるか。どのように生き続けていくか。これが作品を通じて自分が問いかけたいことでもあり、またクリプトアートが今後も生き続けて欲しいという自身の願いでもあります。

リリースについて

Mint・Airdropの流れについて

  • まず6/27(木) 22:00 ~ より、純粋写真「Kyoto Raindrops」のエディションをリリースします。mintしたいチェーンの作品リンクよりmintをお願いします。(写真はそれぞれのチェーンで異なるのでご確認ください)

  • 「Kyoto Raindrops」のホルダーは、グリッチ/ジェネラティブアート作品「Dissemination」エアドロップの対象となります。

  • ドロップされる作品はチェーンに対応します。例えばETHチェーンで「Kyoto Raindrops」をmintしたウォレットには、ETHチェーンの「Dissemination」がエアドロップされます。

  • 7/1(月)より順次「Dissemination」を各チェーンのmintいただいたホルダーのウォレットにエアドロップします。

    • ランダムシード値はKyoto Raindropsをmintしたトランザクションidを使用して生成します。

    • 手動で行うため、少しラグがあることをご容赦ください。

    • アドレスを見てエアドロップしますが、対象者がわかればできる限り連絡します。もし可能でしたらmintいただいたら自分にメンションいただけると嬉しいです。

補足:ミニプリント特典について

こちらのコレクションは6/28(金)開催のNFT ART TOKYO 4で出展します。その際、mintいただいた方で現地にお越しくださった方限定で、「Kyoto Raindrops」のミニプリント(10 x 15cm)をプレゼントいたします。(各作品10枚のみ、先着順となりますのでご了承ください)

阿波和紙の"楮 厚口 白"という和紙にプリントされており、京都の雰囲気と和紙の無骨な質感がうまくあっていると感じています。

おわりに

ブロックチェーンの発展が続く限り、クリプトアートにはまだまだ探求の市街があると感じています。皆様のサポートがあって活動ができています、ありがとうございます。今後もより良い作品を制作できるよう精進していきたいと思っています。

最後まで読んでくださりありがとうございました!このnoteが良いなと思った方は、良かったらRTやいいねで拡散していただけると嬉しいです!!また疑問点や気になることなど、お気軽にご連絡ください!

Appendix

ご参考までに、今まで自分のNFT活動に関するnoteリンクを掲載させていただきます。ご興味ございましたらあわせてご覧ください。

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