マガジンのカバー画像

短歌まとめ

12
短歌のnoteをまとめています。
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

恋愛短歌

ミラノ風ドリアの前で喜んだわたしはあなたの二番手のまま

クリスマス写真見返すぼんやりのわたしを急かすロビーの門松

真剣なあなたの顔が好きだから答え教えぬ間違い探し

直接に好きとあなたに言えなくて口ずさむのは愛のバラッド

冬だからあなたを愛しく思うならずっと終わらぬ季節を願う

いつもよりちょっとヒールが高いでしょ側であなたの鼻を見たいの

午前2時重い瞼を擦るのはあなたの声を聞いてたいから

もっとみる

恋愛短歌2

「唇が柔らかいね」と笑う君過去の女にやきもちやいた

手洗いを忘れてかけた洗濯機下着に残る苦い思い出

赤リップあなたのためにつけたのに気づけばすべて舐め取られてる

「ごめんなさいそんなつもりじゃなかった」と謝る男は全員同じ

ファン1号ちょっとねじれた襟足を見つめてたいから後ろを歩く

片付いた部屋を見てると落ち着かないわたしの心はぐちゃぐちゃなのに

口元が見えぬ時世の赤リップ誰のためってあ

もっとみる

ミラノ風ドリア

高校生のときに飽きるほど行ったサイゼリヤ。

部活終わりに「サイゼ行こうぜー」って誰かが言えばみんなぞろぞろついていき、ミラノ風ドリアだよなって笑いながら食べる。

馬鹿みたいに粉チーズかける同級生がいた。「温玉はお金かかるけど粉チーズはかけ放題じゃん」って、ドリアの表面が見えなくなるくらいまでかけて、挙げ句の果てにスプーンに出して直接食べてた。元気かなあ、あの子。

食べ終わったらSnowで自撮

もっとみる

恋愛短歌3

手袋を買わなくてはと思うけど君の温もり伝えてほしい

それぞれに知らないままの部分とかあるからわたしあなたが好きだ

午後1時夜職終わりのディープキスたばことミントとお酒の味だ

右隣寸の足らないパンツからのぞく足首ずっと見てたい

今晩のブラとショーツで本気度は測れるだからちゃんと見ていて

取り急ぎ入れたいあなたもう全裸見せてないけど冷め切ってたよ

待ち合わせいつも君より早いのは慌てるすがた

もっとみる

架空の文学的高校生〜ドーナツ短歌〜

放課後に君とドーナツ屋さんに来た。イトーヨーカドーの中に入っているミスタードーナツ。

わたしはいつも5個食べる。高校生は常にお腹が空いているのだ。

君はいつもハニーディップをひとつ食べる。なんでなの、たまには違うの食べないのと聞くと、君は「これがいちばん穴の形が理想的なんだ」と答えた。

「ハニーディップの丸みを帯びた表面を見つめていると、だんだん中央に吸い寄せられていくだろう?そこには穴があ

もっとみる

日常短歌

あなたの背大きいリュックそこどいて今からわたしが抱きつくんです

友が言う「時間が解決してくれる」なら速めてよ時計の針を

ダウン着てマフラー巻いてもまだ寒い君が隣にいないからかな

晩御飯4本並べるスプーンは来年減るねとカレーを食べる

片付けが苦手なわたし冬なのに未だニトリの冷感シーツ

桜の木裸で耐えて寒そうねわたしは君を忘れてないよ

マフラーと重い前髪してるのに君を探すの簡単すぎる

もっとみる