学校の怪談

日々はあっちゅーま
#24,学校の怪談

僕が小学生の頃、お父さんとお母さんはお小遣いくれなかったけど、代わりにしょっちゅう本屋さんに連れてってくれて好きな本買ってくれてた。

トム・ソーヤーみたいな冒険ものや、ジュール・ベルヌみたいな探検ものも好きだったけど、小学校で「学校の怪談」が流行ってたから、学校の怪談シリーズもこっそり集めて読んでいた。

僕が今でも怖くて寒気がしてしまうのは、真夜中に車をドライブしてたら道に女の人の幽霊が立ってて、慌てて急ブレーキを踏んだらそこは崖で、危ない危ない、と一安心したところに、後ろから「死ねば良かったのに」と声が聞こえるやつと。

夏の海で、男の子が岩場から飛び込みをしたっきり行方不明になっちゃうんだけど、あとでその時の写真を現像したら、男の子が飛び込む海から、たくさんの黒い手が手招きして呼んでいたってやつだ。

怪談のジンクスで、幽霊を怖がっている人のところには幽霊が集まる。とか、２０歳まで怪談を覚えていたら死ぬっていう話があるから、頑張って頭の隅から幽霊の存在を追い払おうとするんだけれども、頑張れば頑張るほど、頭の中で怖いエピソードが繰り返されてしまって、絶望的な気持ちになっていた時もあった。

天井の四隅を見たら幽霊と目が合いそうで、怖くて寝るときは天井の中心しか見ないように心がけていた。

でもその頃は怖い話が好きだったから、ついつい気を抜くと学校の怪談見てしまっていた。

だから本当は学校でも怪談話したかったんだけど、僕が通っていた春野小学校は出来たばっかりでピカピカの学校だったから、全然幽霊がいそうな気配はなくて、無理やり音楽室に飾ってあったベートーベンとかを怖がったフリしてみたけど、全然迫力なくて。

もっとボロボロで階段がギシギシいうような学校だったら絶対怖かったのになぁ。と思いながら通ってた。

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あと、小学校の上級生になってくると、学校の怪談は飽きて、今度は漫画の「金田一少年の事件簿」が怖くて好きになった。

金田一少年の事件簿は、幽霊は出てこないけど、バラバラ殺人とか、壁の中の白骨死体とか、ミイラとか、今まで僕が感じた事のないリアルな怖さがあって、読みながらドキドキした。

あと、金田一少年の事件簿は、着替えシーンとか、その頃の僕にはエッチなシーンが多くて。
殺人の怖さと、エッチなドキドキが一緒になって、もうどうしようもなくドキドキした。

漫画があんまりにも好きだったから、土曜日の夜に金田一少年のドラマが始まると聞いて、やったぁ！っていってビデオに録画して何度も観てた。
そうしたら美雪役で出ていたともさかりえが、これまたなんだかエッチに見えてドキドキして困った。

僕が読んでて好きだった回は、いつもは金田一少年は探偵だから推理して事件の謎を解くんだけど、唯一、犯人だと間違われて警察に追われる回があって、それは小学生の僕には先が読めなくてかなりハラハラしたのを覚えてる。

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でも、僕が怖い話が好きだったのは小学生までで。
中学生になると、今度は逆に映画とかが怖過ぎて、まったく見れなくなった。

その頃、学校の友達と一緒に「リング２」を観に行ったりもしたけど、いつシーンが変わってバーン！となるか分からなくて、保険の為に、最初から最後まで画面の端っこだけ見てやり過ごしたりしてた。

あとは、大人になって東京の江古田に一人暮らししてた時に、友達のりょうちゃんと、旧中野病院跡地ってところに肝試しに行った事もあったけど。その夜に金縛りにあって以来、もう絶対に怖い話も見ないし、怖いところには行かないと強く心に誓った。

だから今は怖い話よりも、心温まる話が好きだ。

あと、今このエッセイ書いていてるんだけど、

知らない間にジンクスの２０才越えてたから、良かった良かったバンザイ、って思っている。

おしまい

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