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「その声のあなたへ」を観ました!

昨夜、「その声のあなたへ」を観てきました。

本作は平成25('13)年6月13日に亡くなった俳優(声優)の内海賢二の実像を、生前に交流があった人たちのインタビューで描くドキュメンタリー映画です。

まず、導入部のドラマ仕立てや、インタビュー場面のバックに写り込むエキストラなど、随所にある劇映画的作りが蛇足に思え、鬱陶しささえ感じました。
譬えばNHKの「映像の世紀」のように、映像(本作ならばインタビューと内海本人の映像)とナレーションのみで構成された冷厳なドキュメンタリーを期待していたので、残念に思います。

インタビューで登場するのは逢田梨香子、伊藤昌弘、内海賢太郎、勝杏里、かないみか、神谷明、柴田秀勝、杉山里穂、谷山紀章、戸田恵子、浪川大輔、野沢雅子、野村道子、羽佐間道夫、水樹奈々、三間雅文、山寺宏一、和氣あず未の計18名。(Wikipediaより)
各人大変興味深いものでした。
中でも内海賢太郎(長男)、柴田秀勝、野沢雅子、野村道子(配偶者)、羽佐間道夫のインタビューは演技論などが語られており良かったです。
故人の明るい穏やかな人柄が偲ばれました。

内海賢二の出演作というと「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛や「北斗の拳」のラオウがありますが、私はその他に「新造人間キャシャーン」のブライキングボスと「ガンバの冒険」のヨイショを挙げたいですね。
あと、吹替ではサム・ペキンパー監督作「ガルシアの首」が印象に残っています。

75歳で亡くなられたのは、現代では早いと言って良いでしょう。
大御所として80代、そして90代でもあの渋い独特な魅力ある声で、私たちを魅了してほしかったと思います。

例えばインタビューで語られている内容が、内海賢二に関するエピソードから外れていることがあるなど、正直言って、ドキュメンタリーとしては出来が良いとは言えません。
しかし、いわゆる「声優」というものにスポットを当てた、貴重な作品であり一見の価値はあります。
特にアニメが好きな人には必ず観てほしい映画です。

※文中敬称略

当日の入場券です。

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