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つれづれなる日々のこと

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2017年8月の記事一覧

柿みたいな距離感の人

柿みたいな距離感の人

「ごめん、仕事中に」
夫から電話がかかってきたのは7月の終わりの暑い夕方だった。正確な日にちは覚えていない。夏休みが始まったばかりで、これからワクワクした毎日が始まるんだとでも言わんばかりにヒマワリが咲いていたことだけは覚えている。

「どうしたの? 今ちょっとなら手が空いてるから大丈夫だよ」
普段は仕事中に夫から電話がかかってきても、出られないことが多い。そのために、用事があるなら電話じゃなくて

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たかが玉ねぎ、されど玉ねぎ。

たかが玉ねぎ、されど玉ねぎ。

仕事先のカフェで、毎日調理場に立っている。
スタッフはわたしと、ランチタイムに来てくれるアルバイトさん。時々店長。

店長は、店を切り盛りしている訳じゃなくて、どちらかといえばオーナー的存在。
時々店を仕切りに来てくれるけれど、基本的にはわたしに任せっきりだ。

ランチタイムに来てくれるアルバイトさんは二人いて、週に2、3回ずつ入っている。二人とも主婦で、フロアと、ちょっとした調理補助をお願いして

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予定を書くのも良し悪しで。

予定を書くのも良し悪しで。

8月も半ばになってくると、早くも来年の手帳の話がチラホラと見えてくる。
私は“ほぼ日手帳”を使用している。(使いこなしている、とは口が裂けても言えないけれど)
ほぼ日手帳は、9月1日から発売されるため、「どんな手帳カバーが今年はあるのかな?」と気にしているため、よく目にするというのもあるだろう。

手帳とは違って、一般的な壁にかけて使うカレンダーは、9月に買うのはまだ早いかなぁ? と思う。
年末に

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桃と祖母

桃と祖母

この夏になって、先週ようやく桃を食べた。
桃を買うのは、すこしだけ、勇気が必要だ。

スーパーに、キレイに陳列されている桃たちは、何となく「高価な品」に見える。

傷まないようにと着せられている柔らかいネットは、気軽に触れないでくださる? と言いだしそうな気さえする。

幼いころに、母とスーパーに買い物に行ったときに「桃は触ったらあかん。すぐ傷んでくるから!」と、厳しく言われていたことも一因なのだ

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1分くらいで、世界は変わる。

「よう動く足やなぁ」
母が言った、私にとっては名ゼリフと思える言葉だ。

私に言ってくれたのではなくて、一緒に暮らしていたチワワにかけた言葉だった。
猛ダッシュをしたとき、足の動きが見えないほどに動き回るため、母なりの褒め言葉だった。

そのチワワは、昨年の9月に突然死んでしまった。真夜中に突然痙攣しだして、五分ほど苦しんだ後には、もう心臓が止まってしまっていた。

私達家族は、あまりのことに事態

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