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「公務員」から「学校職員」へ

今年、転職活動をしました。

公立学校の教員から、私立学校の教員へ。

結局教員なので、全然「転職」という感じはしませんが笑
それでも、職業欄にはもう「公務員」とは書けなくなります。

今回は、僕の公立→私立の転職活動について、書ける範囲でまとめます。

動機

きっかけとなった出来事は特にありません。
自分のやりたいことを自由にやろうと考え続け、徐々に私立に心が傾いていった感じです。

僕の人生で最も大切なのは家族

それだけは揺るぎないことですが、逆にそこさえ揺るがなければ、
短い人生、あとは自分の好きなことをやろう、と思いました。

志望校決定

私立は、学校ごとに求人を出しているので、
まず、どの学校で働きたいかを明確にする必要があります。
(一括求人サイトみたいなものもあります)

僕の場合、

・理念
・学力レベル
・給与
・通勤距離

これらがたまたま自分の理想にマッチした学校があったため、
迷わずその学校に焦点を合わせました(むしろ、そこを見つけたから転職を決意しました)。

ただし、私立では欠員が出ない限り新規採用はないので、募集があるかどうかは年によって変わります。

そして、僕の志望した学校で今年たまたま募集があったため、応募することができました。

採用試験

僕の場合は、

6月末に書類選考
7月〜8月上旬まで試験(筆記・模擬授業・面接)
8月中旬に結果通知

といった流れでした。

試験の内容は、当然学校によって異なります。
僕が受けた学校は、かなりシビアな内容でした。

筆記試験は、
難関大学の入試問題をより短い時間で解く
感じで、
模擬授業は、
事前に渡される課題教材で20分の授業をする
感じでした。

もし、新卒で受けていたら筆記も模擬授業も厳しかったかもしれませんが、
公立での経験が幸いしたように感じました。

面接で聞かれたこと

すべてを覚えているわけではありませんので、部分的に紹介します。

・志望動機
・部活の地域移行についてどう思うか
・本校で何をしたいのか
・本校にどう貢献できるか
・国語で文学を扱う意義は何か
・模擬授業では何を意識したか

などです(具体的な質問は一割くらいしか思い出せませんでした……汗)。

基本的には、履歴書や自己PR書に書いた内容について深く聞かれる感じでした。

このあたりは公立の教採とあまり変わらないような気もしましたが、
とにかく回数が多かった(計3回)笑

特に印象的だったことが二つあります。

まず、部活について突っ込まれたこと。

断っておくと、僕は部活を賛美しているタイプでもなければ憎んでいるタイプでもありません。
そこで得られる関係や体験できるドラマのことは認めつつ、
時代にそぐわない仕組みでもあると思います。

僕は、

・負担を分散できるような体制でなければ引き受けられない
・自分の専門以外は引き受けられない

といった旨をはっきり伝えました。

「それでも望まない部活を頼まれたらどうするか」と聞かれても、
「話し合いますが、基本的には引き受けられません」と答えました。

それでも採用されたので、印象に残っているのかもしれません。
イエスマンじゃなくても、受かるんだなあというのが率直な感想です。

あとは、大学の成績について突っ込まれたことが印象に残っています。

「なぜ教職科目の成績が低いのか」と問われたときはさすがに肝を冷やしました……。

成績に興味がなかったとか、バンド活動に夢中で出席数が足りなかったとかは口が裂けても言えません。

ただ、嘘をつくわけにもいかないので、
出席数が少なかったかもしれない、ということだけは正直に伝えました。

まさかこの歳になって、大学の成績が人生の分水嶺になろうとは思いもしませんでした……。

一応、経済的事情と併せて学費が免除になるくらいには(教職以外の)成績は取っていたので、なんとか(?)なりました。
まあ、採用されたので、結果オーライです。

周囲への報告

ここは個人の裁量による部分が大きいと思いますが、
僕は、採用の結果を受け、すぐに現任校の管理職に報告しました。

とにかく無用なトラブルを避けたかったこと。
育休中であったこと。
次年度の人事のことが気にかかったこと。

こうしたところから、可能な限り誠実に動きたいと思いました。

僕の場合は、長時間の聴取や引き留めもなく、かなりあっさりと話が通りました。
おそらく、異動希望調査が始まる秋頃までに報告すれば早い方で、
実際に人事が動き出す1月頃までには報告しておかないと、いろいろバタバタしてしまう感じなのでしょう。

1月末の現在、そろそろ教科の先生方にも報告しないとなあ、と思いながら、
ちょっと二の足を踏んでいますが……。
少なくとも、次年度に迷惑がかかるようなことは避けたいとは思っています。

留意点

公立から私立に転職するにあたって、僕が気をつけていたことはひとつだけです。

それは、終わるまで誰にも言わないこと。

公務員という立場は、普通のサラリーマンとは違います。
そもそも転職活動は可能なのか、というところから、法律を調べまくりました(結論、超えらい人以外は大丈夫)。

もし、「自分は転職(退職)する」ということが生徒や保護者の耳に入れば、信用を失う可能性もある。

吹聴するのは論外ですが、
結果が決まる(もしくは実際に退職する)までは、
どれだけ親しい人にも口外しないようにしました。

特に、教員の世界というのはあちこちにスピーカーのような人がいて、油断なりませんので笑

公務員から○○へ

先月、退職願を書いたとき、「次の職業」の欄がありました。

僕はそこに「学校職員」と書きました。

公務員でなくなる。

このことに、僕は自分でも意外なほどワクワクしています。

公務員、職業としての人気はかなり高いですよね。
でも、公務員って、お世辞にも「自由」「楽しい」「稼げる」とは言えません。

今、単なる「安定」のために公務員を目指している人は、
それが本当に一番大事なことかどうか、改めて考えてみてもいいかもしれません。

就職当時の僕は、「公立(今の自治体)の教員」になることが、
一番大事な「家族」を守ること(収入面や待遇面など)および自分のやりたいことと直結していたので、
当時の決断には何も後悔はありません。

しかし今は、
もっと面白そうな方へ、もっと家族を大切にできる(ぶっちゃけ年収が高い)方へ、飛び込みました。

これがさらに10年後はどうなっているかわからないので、自分のことながら楽しみです。

公務員からの転職を考えている人も、同じだと思います。

何が一番大事なのか。

人によって違う、その部分さえ貫ければ、それでいいのだと思います。

そして、それは時代や年齢、場所や立場によって変化する。
その変化に合わせて職業も都度訂正していくことが、現代の社会人に必要なことなのではないでしょうか。

人生はあまりに短い。

有限の器に物を詰めるときは、
一番大事なものから入れなければ。
後回しにしていては、
それは入らなくなってしまうかもしれません。

それを踏まえて、あえて言わせてもらえば、
公務員ももっと転職してもいいのではないか、と思っています。

転職して教員になったという人はたまに見かけますが、
公立教員から転職したという人は、少なくともリアルの知り合いではいません。

ほとんどの教員が、公立校に骨を埋めるつもりでいるように見えます。
そういう覚悟をしているわけではないのです。
ただ、転職という選択肢を持っていないのです。

教員になると、「自分には何もない」と思ってしまいがちです。
仕事は同じことの繰り返しでなんとかなるし、
会社で役立ちそうなPCの知識なども、なくてもなんとかなってしまう。

でも、新しいことを受け入れ、学ぶ姿勢さえあれば、それこそどんな職業でもなんとかなります(たぶん)(超楽観)。

一番大事なことは何かと問い続けること。

転職という選択肢を持つこと。

学ぶ姿勢をなくさないこと。


公務員から学校職員に転身した僕が、大切にしていることです。
ただしそれは、僕の選択が正しいとか、僕が成功しているとか、そういうことでは決してありません。
それでも、都度訂正していくことが、
結果的には初志貫徹というか、
逆説的に自分の芯みたいなものを作り、
大事なものを守ることに繋がるのだと信じています。

僕の考えが、わずかでも誰かの役に立てば幸いです。
読んでいただき、ありがとうございました。

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