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毛玉取りの距離②

彼と2人で飲んだあの日から
私達はbarで会っても今までと変わらない、ただの飲み仲間として過ごした。
本当に、あの夜の事がなかった事のように。

友達は、相変わらず彼のことを気にしていた。
ただ、私は、彼女の話から逃げていた。
やはり、後ろめたさが隠せなかった。
あの帰り際の一瞬の出来事がなければ、飲みに行った事は話せたのに。
私はもう終電で帰ったことになったから、飲みにも行っていないという事が事実になっていた。

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