グッゲンハイム美術館が日常生活の一部だった
展示されていた作品についての記憶はないものの、美術館の建物が日常生活の一部になっていました。ニューヨークのアッパーイーストにあるグッゲンハイム美術館。今でも生まれ育った故郷の風景のようにニューヨークの日常生活の思い出にしっかり刻み込まれています。
当時、美術館の隣の隣のアパート(賃貸マンション)に住んでおり、朝は美術館の横を通って5番街のバス停に行き、バスでミッドタウンに通っていました。子供をマジソン街と95丁目の学校に連れて行ってから会社に行くときは、子供を学校にドロップしたあと94丁目付近のバス停からバスに乗り、車中から建物を眺めていました。
週末は美術館の横を歩いてセントラルパークに散策へ。
日曜日の朝はジャージ姿で美術館のコーヒーショップにコーヒーを買いに。
よほど美術館の建物が気に入ったようで、美術館の建物を撮った写真が多く残っています。わざわざ写真を撮りに行ったのではなく、セントラルパークへの行き帰りに撮っていたようです。ようです、と他人事にように言うのも自分ではそれほど撮った記憶がないのですが、春夏秋冬のグッゲンハイム美術館の建物の風景写真が残っています。
どういうつもりで撮ったかよく覚えていませんが、このモチーフを気に入ったことは確かです。落ち着いた住宅街だったこともあり、この街を気に入っていました。変わったデザインですがこの建物がないとただの住宅街で、エリアの魅力がちょっと落ちていたかもしれません。
建物の1階は無料で入れます。これはカタツムリ状の建物の内部です。
メトロポリタン美術館ほど観光客が多いわけでなく、たまに開場前に並んでいる光景を見るぐらいでした。展示物を鑑賞に行ったのは数回だけでしたが、前述のように日曜の朝にスターバックスに行くようにカフェに行ったり、セントラルパークの帰りにミュージアムショップを覗いていました。少なくとも月に2回は建物の中に入っていました。
美術館の前では作家が作品を、露天商が食べ物を売っていました。
これは公園側から撮ったものです。ニューヨーク滞在中に撮った建物ではグッゲンハイム美術館が一番多く、当時は現像カメラももっていましたから、現像写真を整理するともっとあるはずです。
私にとってグッゲンハイム美術館と切り離せないのがセントラルパークです。ニューヨーク滞在中に一番撮ったのはセントラルパークの写真です。ウィークデーの疲れを癒やすために自然を求めて、ほぼ毎週、週末は美術館の横を通ってセントラルパークに散策に行っていました。そして公園内をくまなく探索しました。
野球場もあれば貯水池もあります。季節ごとに違った風景に出会うことができます。
時間帯によって違う風景を見ることができます。
セントラルパークは150年以上も前に造られた人工の公園ですが、水流もあります。公園内の木々はすべて人の手で植林されたものです。
夏には木々が茂り、森のようです。
滝のようなところもあり、源流を探索したこともあります。
緩やかな丘陵があり、冬にはスロープでソリで遊ぶこともできます。ニューヨークは冬にたまにドカ雪が降ります。ノルディックスキーをしている人もいました。
グッゲンハイム美術館は5番街の88と89ストリートにあります。
自宅は5番街とマジソン街の間の88ストリートにありました、奥に見える白い丸い建物がグッゲンハイム美術館です。
美術館から自宅に帰る方向の88ストリートとアパートです。
アパートの入口のカギを開けて中に入ります。ドアはオートロックになっています。クリスマスの時期に、入った広間で住民が集まって軽いパーティをしていました。いろいろな人が住んでいて、中には3000人が乗ることができる大型客船の船長一家もいました。
古い建物でしたが部屋はフルリノベしてあり、前のアパートの契約が満了になるために探していたところ、たまたま空きがあり引っ越したのです。
それまでは89丁目のサードで商店も多く賑やかでしたが、ここは場所柄、店も少なく町中の喧噪から離れて静かで落ち着いた環境でした。1つストリートやアヴェニューが違うと、まったく違う街の趣になるのがマンハッタンでした。
アパート前の木には住民の1人が作って設置したリス用の木箱があり、リスが住み着いていました。
グッゲンハイム美術館のミュージアムショップでは、建物を模したマグカップを買って今でも使っています。
メトロポリタン美術館にはもっと行っておけばよかったな、という思いがありますが、グッゲンハイム美術館は建物そのものがアートのようで、普段の生活で使っているお気に入りの財布のような存在でしたからそのような思いはありません。むしろ、子供と毎週のように行って遊んだ、あるいは散策したセントラルパークでの思い出のサイドディッシュのような感じです。
春夏秋冬、たくさん写真を撮っておいてよかったです。
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