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目指すのはサイエンスとマーケティングの架橋。リサーチ会社の「ライフサイエンス事業」の提供価値とは?

マクロミルでライフサイエンス事業本部に所属している蛯原千晶(えびはらちあき)と申します。マーケティングリサーチの営業を5年間経験後、2020年7月のライフサイエンス事業立ち上げ時から営業組織のグループ長をしています。

部署立ち上げから3年弱、主に研究所を中心としたクライアントの皆さまの課題解決の支援に試行錯誤をしてきました。さまざまな実績を積み重ねてきた今、この場を借りて、改めてライフサイエンス事業が何を目指し、どんな価値提供をしようとしているのかをお伝えしたいと思います。

リサーチ会社が展開する「ライフサイエンス事業」とは?

マクロミルは創業以来、主にマーケティング部門のクライアントに向き合い、マーケティングリサーチの支援をしてきました。現在はデータ取得だけでなく、広告配信事業やコンサルティング事業など、データの利活用も含めマーケティングプロセスの統合支援ができる体制を構築しています。

その中で、ライフサイエンス事業は「ヘルスケア・ライフサイエンス」というドメインに特化をして、データ取得からデータ利活用に至るまで支援しています。マクロミルが自社で消費者パネルを構築し、パネルとの信頼関係を築き上げてきたからこそ、この事業を立ち上げることができています。

▼詳しい事業立ち上げのエピソードは、こちらでご紹介しています。

私たちはまず「ヘルスケア・ライフサイエンス」領域におけるデータ取得ソリューションとして、研究部門の皆さまへの未病予防領域のヒト臨床試験(※)の実行支援の提供を始めました。
ありがたいことに、マクロミルの保有する大規模高品質な被験者パネル、リサーチナレッジを活用したオペレーションノウハウなどを評価いただき、今では約100件程度の受託実績ができています。 

※ヒト臨床試験:ヒトを対象に食品の機能性・有効性を客観的に評価するためにエビデンスを取得・検証すること。

実現したいのは「サイエンスとマーケティングを架橋する 」こと

私たちが研究部門のクライアントとご一緒する中で認識したのは、多くの場合、研究には想像したよりはるかに時間とコストがかかること、そして、その成果が、サービス・商品として形になり、価値として届けられるものはごくわずかであるということでした。

特にヘルスケアサービスや機能性商材は、薬機法等の制限もあり、マーケティング戦略とソリューションやエビデンスを一般商材よりも密接にうまくつなげていかないと成り立たない特性があります。
しかし、過去の成功事例や確立された理論も多くなく、クライアントの皆さまが非常に苦労をされていると肌で感じてきました。

私自身、日々営業活動をする中で、「こんなに素晴らしい種がいっぱいあるのに、埋もれてしまっているものが多すぎる!」「この情報をちゃんと理解できていたら、この商品をもっと買いたくなったのに!」などなど、個人的にももどかしく感じたことも多くありました。

改めてこのような現状を理解した上で、ヘルスケアやサイエンスの知識がまだまだ不足している中で事業をスタートした私たちが、できること、やるべきこと、果たす使命はなんだろうか?と時間をかけて部署のメンバー全員で議論を重ねてきました。

私たちが最終的にたどり着いた、この事業を通じて実現していきたいことは、『サイエンスとマーケティングを架橋する』そして、『届けるべき人の元へ新しい価値をいち早く届ける』ということです。

マクロミルが今まで行ってきたのは、リサーチを通じて「生活者と企業をつなげる」こと。ライフサイエンス事業も同じように、生活者の課題やニーズに立脚した研究の推進の支援ができないか?研究成果やエビデンスをもっと生活者に伝わるように翻訳ができないか?
サイエンスとマーケティング、真剣に両者の支援に向き合っている私たちだからこそ、その距離を少しずつ近づけることができるのではないかと考えています。

事業の柱は「ヒト臨床試験支援」と「ヘルスマーケティング支援」

現在私たちは、「ヒト臨床試験支援事業」と「ヘルスケアマーケティング支援事業」の2つを事業の柱としています。
この2つの事業を通じて、「サイエンスとマーケティングを架橋する」というVision実現に向けてどんなことを意識し、どういったサポートをしているのか、それぞれ具体的にご紹介します。

1.ヒト臨床試験支援事業
ヒト臨床試験事業について私たちが意識しているのは、クライアントのヘルスケアビジネスの変化・進化に合わせ、既存のやり方にとらわれることなく、提供体制やソリューションを柔軟に検討し続けていくということです。
 
例えば、
・パーソナライズ化の視点から、個別化・層別化を見据えた大規模な生体データの収集/多様な被験者条件での試験実施をご支援
・効果可視化の視点から、デバイスや検査キットを用いた試験実施をご支援
・試験前後にマーケティングリサーチを組み合わせ、ターゲティング、エンドベネフィットの探索からご支援
など、マクロミルの特徴を生かし、マクロミルだからこそできる試験事例を増やしています。

具体的な支援事例については、改めてご紹介予定です。

2.ヘルスケアマーケティング支援事業
ヘルスケアマーケティング支援事業では、エビデンスと生活者理解に立脚した、ヘルスケア商材のマーケティング戦略構築からコミュニケーション実行までを支援しています。この事業は1年ほど前から始め、現在徐々に事例を増やしています。

例えば、研究開発の早い段階から、
・そのヘルスベネフィットを必要としている人は誰なのか?そして自分ごと化されるエンドベネフィットにどう変換できるか?
・素材やヘルスベネフィットと相性がよく、マーケット拡大が見込める接続カテゴリやブランドは?新市場創造までどういうストーリーが描けるか?
・エンドベネフィットの喚起や納得感の醸成を促すPR性の高いヒト試験の方法はないか?
このようなことをクライアントと議論していきます。
研究・マーケティング部門の皆さまとチームを組み、「誰のどんな課題をどんなソリューションをもって解決するのか?」という共通認識を作りながら、ものづくりを進めていけるよう支援をしています。

また、上市済みの商品においても、
・エビデンスや生活者課題を深掘り、再解釈をし、生活者に届くストーリーや文脈を作る
・PRプラン検討、実行
・PR用のエビデンス補強、エビデンスを発信するKOLのアサイン
・流通商談支援
など、ヘルスケア商材の特性を理解した上で、具体的なマーケティング施策の実行も合わせて支援をしていこうとパートナーシップの拡充やサービス開発を進めています。
ヘルスケアマーケティング支援に関しては、近々セミナーにて詳細説明する予定です。

以上、ライフサイエンス事業について、簡単にご紹介しました。
引き続き、私たちだからこそできる価値提供の形を試行錯誤しながら、事業拡張を進めていきます。

▼ポーラ化成工業様との取り組み事例は、こちらでご紹介しています。

 生活者を幸せにするためのパートナーへ

改めてですが、私たちは、『サイエンスとマーケティングを架橋する。』
そして、『届けるべき人の元へ新しい価値をいち早く届ける』
ことを果たすべき使命と考え、クライアントの皆さまをご支援していきます。

とはいえ、「サイエンス」と「マーケティング」の間には大きな壁があり、
両者を上手く融合させ、PJT推進していくことは簡単ではないこともわかっています。時間軸の壁、理系と文系の壁、評価の壁、組織の壁・・・。

ですが、壁を超えていくきっかけとなるのは『生活者を幸せにしたい』という共通の想いだと思っています。マクロミルが今までずっと向き合ってきた「生活者起点」を大事に、皆さんと同じ船に乗り、汗水流しながら、一緒に壁を越えていくパートナーでありたいと思っています。

<関連リンク>
ライフサイエンス事業 紹介サイト

● これまでのライフサイエンス事業に関する記事一覧
なぜリサーチ会社が「ライフサイエンス事業」を始めたのか?現場起点で立ち上げた新規事業の構想を本部長にインタビュー

【ライフサイエンス事例】ポーラ化成工業株式会社様 ウェルビーイングな世界を創るために、サイエンス×マーケティングでトータルサポート

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