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揺れ続けるBRICSの行方;左派の衰退?南米編

皆さん、こんにちは・こんばんは・おはようございます。「見たかな?観たよ!」の中の人、ひろ-macrobiworldです。

今回はブラジルと、大統領選挙でBRICSへの参加を取り消すか否かで揺れているアルゼンチンの南米の二つの国を取り上げます。

日本人にとっては余り馴染みが無い(ブラジリアン・サンバやアルゼンチン・タンゴ、そしてサッカーの強豪国であることくらいしか知らない)人が多いと思うので、今回はブラジルについては考察というよりも紹介が中心、アルゼンチンについては現状の紹介と分析が中心の記事になると思いますが、よろしくお願い致します。

なお長編となっておりますので、一気読みが辛いかたは目次をご活用の上、何回かに分けて読んでいただければ幸いです。


ブラジル編


まずはBRICSの一角であるブラジルからです。

日系移民のいる国ブラジル


南米といえば、日本では日系移民の多いことで知られていますが、その中で分けても広大な土地を擁し、経済成長目覚ましかった国がブラジルです。領土の大きさ・人口ともに世界第5位を占めているとのこと。

ブラジルがポルトガルから独立したのは1823年で、ナポレオン戦争でポルトガル宮廷がリスボンからリオデジャネイロに避難したことがキッカケで、ブラジル独立戦争が起きたと言いますから、ナポレオンって言うのは世界各国に影響を与えた人なんですね。

因みにブラジルはポルトガル王ペドロは自由主義と立憲議会制の支援者としてよく知られていて求心力があった為、ペドロがブラジル帝国初代皇帝の座に就くという形で独立しています。

独立戦争を経ての独立は、大抵「共和国」体制になることが多いので、この点でブラジルは異色な存在となっています。

ただ共和性を求める勢力との内戦があり、結局は1889年に共和制に移行します。
この年、日本では大日本帝国憲法旧皇室典範衆議院議員選挙法が公布されています。

共和国体制になった後も、しばらくは新たな内戦が起きたりなどして、これにともなう通貨下落を政府はロスチャイルドから借り入れて切り抜けています。

ここでもロスチャイルドなんですねえ…。
(フランス大革命・ナポレオン戦争、ロシア革命、明治維新・日露戦争、南北戦争(米国)の裏には、ロスチャイルド・マネーの支援があったと言うことが知られています。)

因みに日本からブラジルへの移民があったのは1908年。ですが、慣れない気候のこともあり、非常に苦労したと言われていますね。

政治的に不安定だったブラジル


その後徐々に軍政に移行し、イタリア・ファシズムの影響を受けたエスタード・ノーヴォ体制(ブラジル第3共和国体制)に移行。新憲法が施行されています。

エスタード・ノーヴォ体制後に1964年のクーデターで始まったブラジルの軍事独裁政権の前身と見なされましたが、2つの政権の間にはいくつかの違いがありました。

この軍事クーデター&軍事独裁政権に、以前記事に書いてきた様に、WEF(世界経済フォーラム)会長のクラウス・シュワブが尊敬する人として挙げているヘンリー・キッシンジャー(1)やエルデル・カマラ大司教(2)が関わっているのです。

昆虫食を推し進めようとしていたのは、国連の傘下にある民間組織であるWEFです。また中国を世界のモデル・ケースとして賞賛し、EUを始めとする世界の全体主義化を進めてきたのも、WEFです。

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そう言う意味ではWEFとブラジルは浅からぬ因縁があるわけですが、そのブラジルが軍政から民政に移行し、文民政権が復活したのは1985年で、比較的最近のことだったのです。

ブラジルの経済


経済的にも長らく債務国状態が続いていましたがレアル導入後の1990年代後半からはインフレも沈静化し、2000年代のルーラ政権では発展途上国向けの貿易拡大が行われ、ブラジルは長く続いた累積債務問題の解消へ向かっています。2007年には国際通貨基金への債務を完済し、債務国から債権国に転じています。

民政移行後は一時を除き、左派政権が続くブラジルですが、昨今はGDPにおける税の割合は30%を超えており、BRICs諸国で突出しているそうです。これは、貧困層への援助のために課税が行われているためですが、高い税率に嫌気がさしている富裕層からは現政権に対して不満の声があがり始めているとも言われています。

ですが昨今の日本は五公五民と言われているくらいですから、それから比べたら随分マシなのでは無いでしょうか。

そのブラジルも
ブラジル中銀総裁、物価下振れでもなお引き締め的政策必要と主張 | ロイター
と、

コロナ禍以降世界各国で見られるインフレに悩み、インフレ抑制に苦労しているみたいですね。

ブラジルの今後


あくまでも一般論の範囲ですが、植民地→帝政右共和制(民政)→軍政→民政
と特異な経過を辿ってきたブラジル。
そのブラジルで、最近は右派の発言が力を持ちつつあると言うのは興味深い現状です。

ただ政治的に不安定な状況が続き、汚職や腐敗も相変わらず蔓延して浄化されないと言うのは、
植民地時代の虐げられた記憶と、キリスト教特有の「懺悔すれば赦される」と言う信仰のイージーさが原因になってはいないでしょうか?

人類が「富裕層が庶民を支配して、庶民から搾取する構造」から抜け出せないのは「環境遺伝」であり、他の統治の形を知らないからです。

日本の場合は「シラス」と言う在り方・概念があって、無意識にその意識を共有している為、汚職や腐敗・搾取はあっても欧米ほど酷くなかった(欧米のそれはケタや規模が違うそうです)し、諸外国に比べると貧富の差もそれほど激しくなかったわけですが、そうした国柄や国益を考えない政治家や官僚によって、今の日本はその良さが損なわれつつありますね。
(日本のそれを「社会主義的」と捉える向きが多いけれども、支配層が王侯貴族から党幹部に変わっただけの共産主義とは全く違う価値観の社会体制です。)

ただ国が乱れた時、神話や宗教が国民を精神的に支える拠り所になるのは万国共通ですから、

前々回のインド編で触れたシーク教の教えじゃ無いけれど、(ブラジルはカトリックの国だから)
一旦、旧約聖書及び新約聖書の原点に戻るべきなんじゃ無いかな?

偉い大司祭やら神父さんやら、聖書の研究家が解釈した聖書の教えを押し付けるのではなく、(経済大国ともなれば識字率は高いはずなので)全ての国民が母国語の聖書を読んで、難しいこと抜きで素直にどう思うか?どう感じるか?が大切なんじゃないでしょうか。

そこで共有できた解釈や意識が、国を作っていく上で重要な精神的ベースになるんじゃないかと思うんです。

例えば日本は多神教で、どんな宗教の神様も「八百万の神」の認識で一緒くたにしてしまうけど、その一方で「お天道さまが観ている」と言う意識・感覚は、神様を信じる信じないに関わらず、広く共有されています。

一般的に日本の公共の場が綺麗なのは、「お天道様〜」から派生して「恥の文化」があり「人の目」を気にして「自分が相手の立場だったらどうか」を考えるからではないか?と言われていますが、

ブラジルには日系人が多いから、いわゆる「支配層の思惑に左右されない聖書の教えの解釈の共有」を進めるーーー社会の中でそう言うプロジェクトを行うことは可能だと思うんですよね。

また新約聖書の黙示録での「イエスの再降臨」と言うのは、物理的にイエスの様な存在がこの世に再登場してキリスト教徒を救うのではなく、人々の目覚めによってそうした聖書が持っていた本来の教えや解釈が復活することだーーーとする考え方もある様です。

世界の混乱した現状は、一部の支配層が引っ掻き回しているから起きていると言う裏事情もありますが、今の世界の現状が「黙示録」に提示されている「世紀末」だと言うのなら、

ブラジルに限ったことでは無いかもしれませんが、この「宗教は経典の原点に戻れ」と言う主張には、耳を傾ける価値があるのではないでしょうか。

ですがその際求めるべきものは、専門家の難しい解釈や説教ではなく、一般庶民が聖書を読んで「素朴に何を感じるか?」なのであり、専門家や支配層の思惑に左右された小難しい解釈を授けることでは無い、と言うことなのです。

イエス・キリストが人々に説法して周っていた時には、学のない人でも感覚的に理解できる様な伝え方をしていた筈ですから、新約聖書がイエスの弟子達がイエスから聴いた教えをそのまま伝えていると言うならば、小難しい解釈は本来不要な筈だからです。(ただし時代背景の違いくらいは考慮する必要があるかも知れませんが、これは市井の人々でも出来ることです。)

手でハートマークを作るお茶目なルーラ大統領 出典;Wikipedia


最後にルーラ大統領の自省を込めた発言をご紹介したいと思います。
今のウクライナ信仰情勢に対する客観的で的確な発言をされていると思います。

「ロシアによるウクライナ侵攻は看過できない蛮行であると考えるが、ウクライナにも負うところはあるはずだ。世界はあまりにもウクライナ問題に関与しすぎ、本当に助けを必要とする大多数の人々から目を背けていないだろうか」

アルゼンチン編


さてお次はアルゼンチンについてです。

アルゼンチンのトランプ誕生か?


アルゼンチンでは今月10月に大統領選挙が行われるそうで、南米には珍しいリバタリアン候補ハビエル・ミレー候補が優勢だそうです。

が、下リンクの記事を見る限りミレー候補に対してエコノミスト誌は懐疑的な様ですね。

「無政府資本主義者」ミレイがアルゼンチンを救えるか  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)

エコノミスト誌の予測は、私は余り信用していないのですが、アルゼンチンについて調べてみると、こう言う感想や意見を持つのもむべなるかなと思うようになりました。

またミレイ候補の主張を調べてみると、トランプ大統領とは真逆の様な気もするのです。なので、アルゼンチンのトランプと称するのは少し違うのではないかとも思いましたね。

ミレイ氏の話をする前に、まずはアルゼンチンの近現代史について、少し触れて置こうと思います。

戦後の困窮期の日本にも支援したエビータ


「エビータ」と言えばブロードウェイ・ミュージカル。

今の40代以上の人ならこのミュージカルの映画版で、マドンナが主役の「エビータ」ことエヴァ・ペロンを演じたことをご記憶のかたもいるでしょう。

エビータ | Disney+(ディズニープラス)

エビータは第29代アルゼンチン大統領フアン・ペロンの妻で、15歳の時に家出して、ブエノスアイレスでは、日系人カフェで女給をしながら、当初は水着グラビアや広告モデルなどのモデルの仕事をしつつ、高級売春婦としても生計を立てていたが、1930年代後半頃より次第にラジオドラマの声優や映画女優として活躍しはじめた…と言う女性で、その前半生はマドンナのそれとオーバーラップします。

その後フアン・ペロン大佐と結婚してファースト・レディにまで上り詰めましたが、33歳の若さで病死。

今でもアルゼンチンで国民的人気を誇る女性です。

映画のエビータ役マドンナは、19歳で家出しNYに出た時にはヌードモデルなどもこなしながら、ダンスや歌の研鑽を積みチャンスを掴んでスターダムにのし上がった人ですから、まさにエビータの生き写しであるかの様な前半生で、ピッタリな配役だったわけですね。

Wikipediaのエビータの項目では彼女の社会活動に「政治介入」という言葉が使われていますが、
〉彼女は(財政的には教養や知識が無いばかりに無謀な事をしたらしいのですが) 夫の指示を受けて婦人部門を組織させた上に女性参政権を導入させ、労働者用の住宅、孤児院、養老院などの施設整備を名目に慈善団体「エバ・ペロン財団」を設立した。また、ミシン、毛布、食料などを配布(その一部は敗戦による困窮状況にあった日本にも送られた)して、国民から高い支持や人気を得ていた〉
らしいので、公私共にフアン・ペロン大統領の女房役だったということなんでしょうね。

ですが、第二次世界大戦前のアルゼンチンは、基本的には中立でありながら反米の立場を取っていた様で、そのせいなのか、度々クーデターが起きては政権がひっくり返るなど、米国の軍事介入を受けていた様です。

ラテン・アメリカと言いますが、その呼称からも1950〜60年代の南米でどれだけ米国が政治及び軍事介入して来たのかが分かる気がしませんか。

経済大国からの転落


今はこんな状態でもアルゼンチンはかつては世界の5本の指に入る経済大国だったのだそうです。

それが何故この様な状態になってしまったのか。

日本の現状を考える上でヒントになりそうなことも幾つかあると思いますので、ご紹介したいと思います。

・2度の世界大戦では当事国ではなく中立の立場から直接関与せず、各国への農畜産品の輸出により大きな利益を得たが、第二次対戦後に農業国から工業国への転換が上手く行かなかった。
- 日本では憲法第9条を盾に、戦争には派兵せず物質などの補給や資金援助だけにとどめていた時代が長かった。また本来産業構造の転換で新たな経済成長を目指すアベノミクスで、肝心な産業構造の転換が上手く行かなかった。

1960年代以降に頻発した政変に加え、1982年のフォークランド紛争とその敗北、(軍事政権から)民政移管後も長年の放漫財政のツケや敗戦のショックの影響で混迷する経済状況に安易なポピュリズムで対処したため、累積債務は雪だるま式に増えていった。

私個人は中国が武力攻撃という形で台湾侵攻して来ることは無い(中国の十八番は静かなる侵略-孫子の兵法“戦わずして勝つを最上とす”の実践)と思っていますが、もしそれが起こって日本が巻き込まれてしまったら、条件的にアルゼンチンと似てきますので、注意が必要では無いかと思っています。

左派政権に嫌気が差し始めたアルゼンチンの富裕層


けれど、これだけ米国が介入しても左派の勢いが強く21世紀に入ってから今の今まで、左派政権と新自由主義の右派政権を交互に繰り返していたのが南米だったのですが、ここ最近は左派政権が続いており、

ここへ来てアルゼンチンの大統領選挙ではリバタリアンと言われるハビエル・ミレイ(Javier Milei )候補が快進撃をしているらしい。

「反中」候補がリード=経済危機、新たな政治求める―アルゼンチン大統領選まで1カ月

しかしながらドル基軸通貨体制がじわじわと崩壊に向かいつつある今、アルゼンチン・ペソを廃止してUSドルに切り替えると言う主張は、「ズレてる」としか思えません。

BRICSでは共通通貨を作ると言う話すら出ているのに、2024年1月からBRICS正式加盟国となるアルゼンチンで、コレはないでしょ…ってんで、ミレイ候補が大統領就任したら、アルゼンチンはBRICS加盟を取りやめるのでは?と言われていますね。

でもまあ…この人が大統領になってもおかしくないかもね。

アルゼンチンって、過去に2回もデフォルトを経験している国ですから。

そうなると財政的なことにはあまり得意で無い人が国政に携わる可能性が高いのかなあ?…と、どうしても思ってしまうわけです。

なんせアルゼンチンの外貨準備高はマイナス70億円とのこと。いかに借金が多いかが分かります。ミレイ候補のそれは借金が多いから、中央銀行を廃止してチャラにしてしまえ、、、と言う乱暴な論理なんでしょうか?

ですが、中央銀行を廃止してペソをドル化すると言うことは、アルゼンチン自ら通貨発行権を手離すー事実上国家主権を放棄するに等しい行為です。

つまり売国政策ーーーもっとストレートに言うなら、これってグレートリセットの一環なのでは…?

因みにトランプ大統領はアメリカ・ファーストを掲げてナショナリズムを全面に押し出した政策をしていますから、自国の中央銀行を廃止する様な売国政策はしてないですよ。

トランプの政策で米国内の雇用が増えて支援漬けになっていた黒人やヒスパニック層が仕事にありつける様になり、2020年の米大統領選挙で本来なら民主党支持層と言われる彼等の一部が、トランプ大統領支持に回った…と、独立系ジャーナリストの発信があり、一部で話題になっていたくらいです。

実際、先述のエコノミスト誌はインタビューを通じてミレイ氏の主張や手腕には疑問を感じたようで(下記リンク記事参照)

この記事を読んでいて私は、小泉政権時の「小泉構造改革」「郵政民営化」のことを想起していました。(この件については後述。)


GDPの面ではブラジルが南米第1位(世界第5位)。
アルゼンチンが南米第2位(世界第21位)なんだそうですが、アルゼンチンの場合は金融経済面については民間企業の方が視野が広そうですね。

いわゆるDS…国際金融資本との繋がりから、比較的情報が入っているのでしょうか?下記リンクの様な記事が出ていました。

仮想通貨に資金を避難させる方法を取っていますね。

アルゼンチンの石油会社がエネルギー浪費削減のため仮想通貨をマイニング| NEXTMONEY|仮想通貨メディア


左派政権が通常運転の国に共通の構造的な問題とは


アルゼンチンでは左派政権の勢いが強く、ばら撒き政策が多くて、高額なので税金の負担を強いられている富裕層は不満を抱いているらしいのですが、報道が少ないのでこれだけでは実態がよく分かりません。

実際、アルゼンチンは何度もデフォルトを経験しており、今もその危機に直面していると言います。

高額な税金を支払わされているのに、国が安定せず経済危機を繰り返すーーーこれではどんなお人好しのお金持ちでも、疑問を抱き、嫌気を感じる様になるんだろうな…とは思うのです。

既出ですが、そうなってしまったそもそもの理由として挙げられている要素のひとつに、
ペロン大統領がアルゼンチンを農業国から工業国への産業構造の転換を図ったものの上手くいかず、経済の衰退を加速してしまったこと。

リチウムなどの資源に恵まれているとは言うものの環境団体の影響力が強過ぎて、開発が進まない(ので、資源国への転換も図れない)等といった問題がある様です。

そして何故そうなってしまうのか?については、調べてみるとやはりDS(特に米ネオコン?)の影を感じてしまうのです。

国家再生の鍵が宗教である理由


こう言う側面からも、宗教的な側面からの中間層及び低所得者層へのアプローチは意味があるのだと思います。

ところが1960年代に南米を席巻した「解放の神学」は共産主義とキリスト教の融合と言われていますので、、、まあかつてのソ連や中国の状況を知っている人なら何となく分かるのではないでしょうか。

共産主義自体、ロスチャイルドの支援の下でマルクスが生み出したものですしね。

それらは勿論ユダヤ教やキリスト教の思想がベースになっていますが、いかんせんこの共産主義思想は「支配者が民衆から搾取する」構造から抜け出せていません。(これについては こちらの記事をご参照ください)

アルゼンチンは自由民主主義国でありながらも、他の南米国同様、伝統的に左派政権が強い国柄ゆえか経済的には問題が多い様です。

実際アルゼンチンの失業率は世界でもやや高い方に位置付けられています(日本の2.46倍とのこと。)

参考まで、次回取り上げますが、BRICSの一角を占める南アフリカの失業率は2016年以降世界182ヶ国中第1位をキープしています。(アルゼンチンは第77位)

近年アルゼンチンの失業率は改善されて来ているとは言え、日本同様に非正規雇用が下支えしているとのことなので、今後ミレイ候補が大統領に就任したら、今の日本と同じ様な問題が出て来るかも知れませんね。

つまりアルゼンチンの経済状況が悪化して、国内の混乱が深まる危険性があるわけです。

それらはBRICSに加入するしない以前の問題である様にも思います。

ハビエル・ミレイ=小泉純一郎⁈


ここから先は私の想像の域を出ない話ではあるのですが、ミレイ候補は米ネオコンがアルゼンチンに差し向けた刺客なのではないか?と言う気がしてなりません。

何故なら彼の経歴を見るとHSBCのシニアエコノミストを務めた経歴があるからです。

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彼が主張している通貨のペソは廃止して中央銀行を廃止し、ドル化を図ると言うのは通貨発行権を自ら手放すと言うことですから、冷静に考えればこれは売国政策です。

また、その他にも彼が主張していることは日本の小泉政権を想起させます。

小泉元首相がバブル崩壊後、経済的に閉塞感に包まれる日本で、

2001年自民党総裁選では「「古い自民党をぶっ壊して政治経済の構造改革を行う」とワンフレーズで分かり易い発言をする小泉純一郎に人気が集まった。小泉の政治家らしからぬ容姿も、人気につながったと考えられる。

小泉旋風;Wikipediaより

「自民党をぶっ壊す!」と突如彗星の如く政治の表舞台に現れ、国民からの支持を得たのも、今のミレイ氏の状況と重なって見えます。

小泉純一郎(左)とハビエル・ミレイ(右)この2人は風貌(?)や言動がよく似ている。

ですが、今になって思えば彼が政策として実行してきた「構造改革」とは、日本の解体&弱体化でした。(その政策の黒幕というか裏にいたのが、WEFの竹中平蔵氏だったわけですが。)

その小泉政権時から一様に言われてきたことは、日本政府がやって来ていることは「アーミテージ・ナイ報告書」に書かれていることをそのまま踏襲している…と言うことです。
このアーミテージ・ナイ報告書は「対日政策提言書」とも呼ばれ、事実上の“宗主国”の米政府から“属国”である日本への事実上の指令書なわけです。

宗主国が属国や植民地から搾取するのは、世界の「当たり前」。

色々欠点はあるかもしれないけれど、相手国の事情を考え先のことまで考えて支援する日本は、「シラス」が根付いた特殊な国なのです。

でも、「因果応報」ですからね。「人を呪わば穴二つ」ですからね。今のアメリカの崩壊ぶりを見てご覧なさい…と言うことです。

日本の親中派には、そう言う宗主国ヅラして日本を解体・弱体化させようとする米国に反発して…と言う人物が多い様なのですが、だから「中国」ってイージー過ぎると言うか…「観る目が無い」ですよね。

現実を観れば米国も中国も「どっちもどっち」なんですから。今まではそれでも自由民主主義国であるだけ米国の方がマシと言う人が大勢を占めていましたが、米国側の唯一のアドバンテージも失われつつある状況ですし。

そしてこのアーミテージとは、米国ブッシュ政権時代の国務副長官リチャード・アーミテージ氏のことで、知日派(ジャパン・ハンドラー)として知られており、しかも彼は米海軍出身ですから正にネオコンなのです。

ですから、ミレイ氏がアルゼンチン大統領になった後のアルゼンチンについては、日本とアルゼンチンでの背景の違いはあれど、小泉政権以降の日本がどうなったか?をベースに考えれば良いわけですから、ある程度は想像がつきます。

改善に向かい始めた失業率が再度悪化するか、雇用の非正規化が更に進み、中間層の生活が困窮し始めて中間層が無くなり、二極化が進み、社会がさらに不安定化するんじゃないでしょうか?

今年のアルゼンチンは干魃が原因で農業に大ダメージを受けていることが、デフォルトの危機を迎えている最大の理由だと言いますから、このタイミングで自称リバタリアンのポピュリストが大統領になったら、先が思いやられますね。

ただでさえ(アルゼンチンもご多聞に漏れず)超インフレで、庶民は苦しい生活を強いられ不満が高まっていると言います。

日本も物価高騰が言われているけれど、外国に比べるとかなりマシみたいですね。日本の場合はどちらかと言うと物価よりも「税金」の問題の方が大きい様に思います。

ただ就業率が非正規雇用に下支えされてる状況は日本もアルゼンチンも同じ。そんな中で一気に反対方向へ進む様な政策転換は、混乱しか生まないでしょう。

理想と現実の間でうまくバランスを取りながらやってくれる様な「調整型」の人なら良いのですが、そうで無かったら最悪です。

アルゼンチン議会が調整弁の役割を果たせると良いのですが、議会が障害になる場合は大統領令を出すことも検討しているとか。

いやいや…それって、ますますマズいんじゃないの?

アルゼンチンの人々が気付いていない現状の問題とは

BRICSを形成している5ヶ国は、基本的に反欧米支配の立場を取る国々ですし、そういう意味ではペロン主義が好まれるアルゼンチンには親和性があるのでしょう。

ただこうしたペロン主義(反米・左翼保守)vsリバタリアン(親米・右翼改革)の二項対立が維持される限り、アルゼンチンの政治経済面での不安定さは解消されないのでは無いかと思います。

二項対立=マトリックス(ここではDS=アルゼンチンの場合は米ネオコン?ーーーが、自分たちの支配力を及ぼす為に仕掛けている罠)なわけで、そこから脱却しないと解決の道は見えて来ないんですよね。

二項対立で、どちらの政策の方が良いか?と争っているうちは本質的な問題の解決策は出て来ないわけです。

この辺りは日本も同じ構造的問題を抱えていると言って良いのかも知れません。

自称リバタリアン(無政府主義者)のハビエル・ミレイ候補 小さな政府を目指すと言うが…

当然のことですが、ミレイ氏の主張はグレート・リセットから新世界秩序に導く道筋の一部を担うものなのでしょう。

グレートリセットは「世界経済フォーラム(WEF)」が推進しているもので、日本の岸田首相もリモートでの会議参加時のスピーチで「グレートリセットのその先を…云々」とやらかしていますからね。

その第1段階が通貨のデジタル化と共通化と言えるのです。ですがそれ以外の面では具体的、詳細については意見の違いから派閥がある様です。

通貨・経済の現行システムをリセットして新しいシステムに変えることが表の目標だとしたら、SDGsは表向きと裏の目的があり、裏の目的とは「地球人口を適切な数にコントロールすること」なのではないか?(→その現れがコロナ禍であり、戦争なのではないか?)と思うのですが、グレートリセットについての詳細は関連記事をご覧ください。

グレートリセットの先に控える新世界秩序とは、要は米大陸は南北に分けず、ワンブロックにする
(世界統一政府派は国境を無くして、
世界連邦派は国境は維持したまま、
・米大陸で一地方自治体化(米を首長とする)
・EUで欧州を一地方自治体化(EUを首長とする)
・アジアはASEAN➕で一地方自治体化
(世界統一政府派は中国を首長とする・世界連邦派はインドを首長とするで分かれている?)

そして、それらの自治体の上に世界政府を置く。→下図参照

と言うのが、一般的に言われている世界政府構想であり、新世界秩序の一端(そこに社会のAI化などが絡んで来る)です。

噂されている新世界秩序での組織図


ドル基軸通貨体制の崩壊や通貨のデジタル化はあくまでもその入り口に過ぎません。
世界政府体制に向かう前にEUの様に人や物の往来を自由にし、共通通貨を設けること。
それが第一段階と言うことなのでしょう。

最近はちゃめちゃな言動で物議を醸すことが多かったイーロン・マスクは正規移民は良いけど不法移民はダメとの発言も有り、言論の自由を主張していることからも後者「連邦派」なのかな?と思います。

EUはもともとそう言う体制を目指していたと思いますが、今は全体主義的な国家資本主義に移行してしまっているようで、残念ですね。
揺り戻しがあると良いのですが。

こうした問題はBRICS参加以前の問題だとは言え、「東西南北問題で中立の立場を取るインドがBRICSを引っ張って行く必要性がそこにある」と言うことや、その意味も同時に考えられるわけです。

今後の中国情勢の行方次第では、BRICS分裂だってあり得るのです。またこれらは最終的には、米英対立に行き着く問題でもあるかも知れません。
・中国(ソロスの財団等一部のユダヤマネー&米ネオコン)
・英国(ロスチャイルド&王室連盟)(3)
・米国(民主党;クリントン〜オバマ-ロックフェラー&ソロス&米ネオコン???)
   (共和党;トランプ-ロスチャイルド&米ネオコン???)(4)

米ロックフェラーは実際はこの両者(ロスチャイルド vs 米ネオコン&ソロス等)の間に立っているのかもしれませんが、一般的にはやはりソロスや米ネオコンと歩調を合わせているように見えます。

国益を考えて動けば、今は難しくても今後身の振り方についての最適解が得られる可能性もあるのに、アルゼンチンの国民がミレイ氏を大統領に選び、議会の歯止めが効かなければ、何年後かにはアルゼンチンという国は事実上消失してしまう危険性だってあるわけです。

DSは米国の国家体制を中南米からの移民を無制限に送り込むことで崩壊させようとしていますが、ミレイ氏のペソのドル化は、アルゼンチンを米に飲み込ませる形で経済を統合しようとする動きにも見えます。

なお最近は中南米からの移民は一息ついて、(物理的なルートは中南米からだけれど)中華系の移民が増えているとの情報もあります。

バイデン大統領が一度は中止し壊させた国境の壁を再び建設させようとして云々の話がありますが、もしかしたら中南米経由で入ってくる中華系の不法移民が原因なのかも知れませんね。

米DSにしてみたらこれは想定外で、中国側が勝手に米に仕掛けていると言う認識なのでしょうか…?

もし私の読みが当たっているなら、この様に不安定化している米国にアルゼンチン経済を呑み込ませようと言うのは、かなり危険な賭けのように思えます。

今、ミレイ氏を熱狂的に支持しているアルゼンチンの人たちは、そのことに気付いているでしょうか?

アルゼンチンの人々が、後で後悔しないような選択が出来ることを祈りたいですね。


今回はこれで終わりです。

最後までお付き合い頂きました皆様には、大変ありがとうございました。

このアカウントでは政経占い(原則として有料)と、時事ネタのエッセイ(無料)をお届けしています。
次回は中東・アフリカ編の予定です。

良かったら、また次回も会いにきて下さいね。

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【脚注】

(1) ヘンリー・キッシンジャー
〉キューバのチェ・ゲバラやカストロに代表される様に、当時の南米は共産主義の波が押し寄せていた為、ブラジル軍事クーデターの後に起きたチリ・クーデターなどにも反共主義勢力を応援する為、米ニクソン政権やCIAなどが関与していたとされる。

ヘンリー・キッシンジャーはニクソン政権と次のフォード政権で国務長官や国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めた。〉

反共主義の支援のはずだったのに、軍事政権がやったことは中国の文革と大差無かったのは、運命の皮肉だろうか?

(2)エルデル・カマラ大司教
〉エルデル・カマラはブラジルにおける「解放の神学」の立役者。
赤い聖職者と言われる通り、「解放の神学」はキリスト教社会主義の1形態とされる。
軍事政権で抑圧されたり無視された人権を守る活動をしつつも、共産主義の特徴である暴力革命を否定しなかった。〉

個人的には「支配層に対して対抗する為に暴力を容認すると言う思想」は、野蛮だし前時代的で古いーーー科学技術が発達した文明社会には相応しくない在り方だと思います。

でもそう言う野蛮で凡そ文明的で無いやり方を支持する支配層に、今の世界は混乱を引き起こされているわけで…。

私たち人類の人間としての進化は、こう言う野蛮で未開明なやり方しか出来ない支配層に足を引っ張られているのが現実ではないでしょうか。

(3)英政権は米国と歩調を合わせることが多く、政治レベルではパートナーのイメージが強いですが、英王室は英政権を信用していないと言う説があります。→関連記事

(4)DS(ディープステート)とはトランプ前大統領がよく使っていた表現ですが、近現代史研究家の林千勝先生によると、トランプ前大統領がDSと言っていたのは、ロックフェラーやソロス系の金融資本と米ネオコンのことらしい。

因みにトランプ前大統領自身はロスチャイルドの支援を受けていたと言われています。

また、同じ共和党でもブッシュ家のバックは、民主党と同じとも言われていますので、実際はバックの金融資本が何処かなのかは、人によるのかも知れません。

【本文中リンク以外の参考資料】

G20サミットで世界バイオ燃料同盟発足、ブラジル、インド、米国が主導(インド、米国、ブラジル) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ


【関連記事】

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