見出し画像

本人訴訟のすすめ!

労働者なら、法律で定められた一日の労働時間は8時間。8時間を超えて仕事をすると、超過分は時間外労働になります。時間外労働をすると、労働基準法にしたがって割増賃金(残業代)が支払われなければなりません。

しかし、残業代がきちんと支払われているかと言えば、多くの会社ではけっしてそうではないかもしれません。時間外労働をしたことを会社に申告できない・・。申告しても会社が払ってくれない・・。固定残業代のみ支払われている・・。課長職なので残業代をもらう権利がない・・。未払い残業代の発生にはいろいろ理由や事情があると思いますが、それを請求しようとしても会社が労働者に対して圧倒的に優位な立場にあることは明らかでしょう。

そうした場合、問題解決の方法の一つが、意を決して訴訟を提起すること。労働者が訴訟を起こして会社に未払い残業代を請求するのです。請求の舞台が裁判所となれば、原告たる労働者と被告たる会社の立場は対等です。

ここで、訴訟の提起にあたって労働者にまず立ちはだかるハードルが、訴訟にかかる費用です。詳細は改めて説明しますが、訴訟にかかる費用は「訴訟費用+実費+弁護士費用」。うち、大部分を占めるのが弁護士費用に他なりません。弁護士を労働者の原告代理人に選任するなら、そのための費用が必要です。

例えば未払い残業代が20万円くらいとして、着手金や成功報酬などの弁護士費用を考慮すれば、労働者は費用倒れになる可能性があります。金額が低過ぎることから、弁護士も代理人を引き受けないかもしれません。また、一般的に、会社は資金に余裕があるのに対して、労働者は必ずしもそうではないでしょう。労働者は、結果が見えない訴訟の着手金を、弁護士に前金で一括払いすることに抵抗があるかもしれません。

では、未払い残業代を請求したい労働者はどうすればよいのか。そこで、私がお勧めするのが本人訴訟です。

この『本人訴訟で未払い残業代を請求する』シリーズでは、私自身の実体験にもとづいて、本人訴訟の進め方などを紹介していきたいと思います。未払い残業代を請求したい方にとって、できるだけわかりやすく、かゆい所に手が届く、そして実際に使える内容をお届けするよう心がけます。どうぞお楽しみください。第二回へ続く。

『本人訴訟で不当な解雇に対抗する』シリーズはこちらから。

街中利公

本noteは、『実録 落ちこぼれビジネスマンのしろうと労働裁判 労働審判編: 訴訟は自分でできる』(街中利公 著、Kindle版、2018年10月)にそって執筆するものです。

免責事項: noteの内容は、私の実体験や実体験からの知識や個人的見解を読者の皆さまが本人訴訟を提起する際に役立つように提供させていただくものです。内容には誤りがないように注意を払っていますが、法律の専門家ではない私の実体験にもとづく限り、誤った情報は一切含まれていない、私の知識はすべて正しい、私の見解はすべて適切である、とまでは言い切ることができません。ゆえに、本noteで知り得た情報を使用した方がいかなる損害を被ったとしても、私には一切の責任はなく、その責任は使用者にあるものとさせていただきます。ご了承願います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?