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アメリカで「君たちはどう生きるか」を見た! (ネタばれなし)

先日、ついにアメリカで「君たちはどう生きるか」を見ました。日本で公開になってからずーーーっと待っていました。ネット上でレビューは読んでも、ネタバレ的なものには目を通さずに。見た限りのレビューでは「宮崎駿の真骨頂!」という期待値が爆上がりするものもあれば、「意味が分からないまま過ぎた2時間だった」というものまであり、とにかく実際に見てみないとって感じで、「アメリカで公開になったら行こうね~」と、機会あるたびに旦那さんをプッシュしてきました。

最近は体調が優れないことが多い私ですが、2週間ほど前に旦那さんから「次の金曜日に映画見に行く?」と打診され、それを楽しみに過ごした1週間。当日は、やはり体調優れず、実は延期しようかとも考えたのですが、既にチケットを購入済みということで、直前まで休んで決行することに。
結果的には、これが正解でした!

後で気づいたのですが、私たちが見に行った日はアメリカでの公開初日。たまたま旦那さんの定休日ということもありましたが、見たい見たいと言っていた私の願いをいち早く叶えるごとくのお誘いだったのかもしれませんね。

ジブリ映画をアメリカで見るにあたって私が絶対譲れない条件は、日本語(英語字幕)で見ること。というより、英語の吹き替えでは見たくないということですね。英語ものの日本語吹き替え版も好きではありません。本にしてテレビドラマにしてもそうですが、元々の言語のままが好き。
私たちが行った映画館では、字幕版と吹き替え版が上映されていました。私は日本物の英語字幕を「これはちょっと違うでしょ」とか「そうなるの~?」なんて思いながら見るのも好きなのですが、今回ばかりは最初から字幕を見ないことを心に決めていました。とにかく、ストーリーに全集中。

「君たちはどう生きるか」の英語タイトルは「THE BOY AND THE HERON」。これを日本語にすると「少年とサギ」です。いいと思いますね。ストーリーの中での「君たちはどう生きるか」の位置付けは、日本人でも理解に難しいところがあるでしょうから、もし、この日本語タイトルに引っ張られて、英語タイトルを「How do you live?」としてしまったら、アメリカ人には全く意味不明かと思われます。
これで思い出すのは、同じくジブリ作品の「千と千尋の神隠し」。英語タイトルは「Spirited Away」。「千と千尋」の部分を思い切ってとっぱらい、「神隠し」だけを残したことになります。千尋が名前を取られて千になった、という考え方自体、アメリカ人にはピンとくるものではないですからね。これも納得。
逆パターンは、私が大好きなディズニー映画の「リメンバー・ミー」。元々の英語タイトルは「Coco」。Cocoというのは主人公の少年のおばあちゃんの名前です。ストーリーにおいて重要な登場人物ではありますが、日本での公開にあたって、これを日本人向けに「リメンバー・ミー」としたことには同じような意図を感じます。

映画館へ向かう道中、日本での賛否両論のレビューの話をしながら「何にも分からないってこともあるかもよ~」と旦那さんに予防線をはった私。ジブリ好きの私の影響で、有名どころは見たことがあるし、日本ではジブリミュージアムにも行ったし、どんぐり共和国にも行ったので、普通以上のジブリ知識&経験がある彼ではありますが、念のため。彼も彼なりに前評判を調べていた様子で、特に驚くこともなく「うん、分かってる」と言っていました。

映画館で私がまず少し驚いたのは、宣伝ポップが見当たらなかったこと。
注目の映画には必須ですからね。かろうじて見つけたのが、このポスター。

アメリカではこうなります

これにはもっと驚きました。
この場合、日本ではアオサギがメインになるかと思われますが、アメリカでは少年がメインなのですね。しかも、この絵。
映画を見終わってからは納得ですが、「あら~アオサギはどこへ~?」って感じでした(笑)。

そして、もっともっと驚いたのは、お客さんの少なさ!私たちを含めて20人くらいしかいませんでした。平日の昼間ではありましたが、まさかの少なさ。日本語版だったせいもあるかもしれませんが、それにしても公開日だったし、アメリカでも注目されているっていう記事を読んでいたのに。
公開1週間が経った今では、「THE BOY AND THE HERON」は全米第1位なんていう記事も出ていていますが、よくよく読んでみるとお客さんの4割がアジア系だったとかなんだとか。なるほど、アジア系住民がめっきり少ないサクラメントのRosevilleにある映画館で、観客が20人だったのはそのせいなのでしょう。ちなみに隣に座っていた白人の若いカップルは、日本か日本語に興味がある様子でした。映画が始まるまでの時間、アプリから日本語が聞こえてきましたからね。

さて、映画を見た私の感想です。
これぞ、宮崎駿!
宮崎駿ワールド全開で、とにかくよかったです。私は大好きです。
気分が優れないことさえ忘れ、不思議な世界に入り込んだ2時間でした。
イマジネーション、ファンタジーが強すぎて、「???」な部分があってもよし。そういうもの。何をどこまで、どう理解するのかは見た人に託し、描きたいことを描きたいままにつめこんだ感じに、ものすごくジブリを感じました。
これを英語で言うなら「It was screaming Miyazaki Hayao!」。

ちなみにうちの旦那さんですが、後で聞いたところ、開始直後から「え?これって〇〇が〇〇したってこと?」「ちょっと待って、この人って〇〇の〇〇だよね?」など、数々のハテナが押し寄せたとは言っていましたが、概ねは私と同じように楽しんだ様子。冗談で「宮崎駿は一体どんなマッシュルームを食べてこの映画を作ったんだ?」なんて言っていましたが、それも分かりますね。ここでいうマッシュルームはドラッグのこと。

映画館でエンドロールまでしっかり見ていたのは私たちのみ。私にとっては、事前から気になる声優さんが出演している映画だったので、どのキャラクターが誰で、、、という話でも一盛り上がりしましたよ。

いやいや、それにしても良かったです。
私が特に好きなジブリ作品は「風の谷のナウシカ」と「千と千尋の神隠し」。ごく最近「もののけ姫」を見直して、改めていいなぁと思っていましたが、「君たちはどう生きるか」は、間違いなくそこに食い込む、何度も見直したいと思える作品で、今の私に強いインパクトを残しました。

いや~、ジブリはいいわ。
それにしても、宮崎駿は大した人だ。
そして、オカメインコはかわいいのだ。

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