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「読書感想文」独自路線パターン10

作文の先生が一年でいちばん忙しいのは、8月。普段の作文教室に加えて、読書感想文一日講座のスケジュールがぎっしりだからです。

カウントしていないからだいたいですが、これまで1000人くらいの子ども達ど読書感想文を書いてきました。まちか先生は作文に向かっている子ども達が本当に好きすぎて、「あああ、かわいいかわいい、みんなえらい!」と、褒めたすぎてもうウズウズしては弊社スタッフに「はいはい、ちょっと落ち着きましょうね」と(毎回)たしなめられるほど。

読書感想文はいいぞ!

その一心で、それを伝えたくて、今年の6/30にまちか先生はnoteを始めました。読書感想文の書き方や、おうちの人が手伝うときのポイントなどもじゃんじゃん公開したりして。「読書感想文なんか○ねばいいのに」「宿題の作文のせいで親子げんかになるのがストレス…」そんな親子が減って、書いてよかった!意外と楽しいじゃん!そんなふうに思ってもらえるためにnote記事を書いています♡

読書感想文にはちゃんと「型」があります。自力で書けるようになるには、まずは基本の型をおさえてもらいたいなと思うの。

これって普通すぎない?こんなんでいいの?もうちょっと自分らしく工夫してみたい。

主に生徒さん

書けてはいますけど、(うちの子の作文って)普通ですよね……。賞を取るような読書感想文を見ると、同じ小学生が書いたものなのか信じられなくて。

主に保護者さん

一方で、型破りで吸引力あるエンタテイメント読書感想文があるのも事実。憧れるのも分かります。まちか先生も子どもの頃、そういう読書感想文が書ける子にめちゃめちゃ憧れたもん。しかし、初めからそこを目指すと型無しになってしまうので、まずは基本の型をしっかり自分のものにしましょうね♡

一味違った読書感想文に仕上げるためのコツ、あります、一応。冒頭に結論を持ってくるとかの、主に段落構成の工夫&言い切りをどこで使うかで出来ちゃうことではあります。が、誌上(WEB上)でレクチャーするのは大変です。それをやろうとしている子が、どれくらい書けているか(要素が足りているか)が、わたしから見えないからです。講座に参加してくれている子の場合は、そういうお手伝いもできるんですけどね。

「読書感想文」独自路線パターン10

さて今日の記事タイトルのこちら、”「読書感想文」独自路線パターン10”とは何ぞや。またまちか先生が飛ばし記事を書こうとしてる!?いえいえ、読書感想文の工夫を知りたい人に向けて、個性MAXぶつけてくる読書感想文パターンをご紹介してみようかなと思いついたからなの!

これまで教えてきた1,000人を越える生徒さん達、審査会のお手伝いで読んできたたくさんの読書感想文から、独自路線で面白かった書き方を紹介しますという企画です(*^-^*)

これが目次です。やばい予感しかしませんね。ふふふ。さあ、見てみましょう。


▶作者へのファンレター

もうね、愛が溢れてるわけです。感想文が全編ラブレター。作品との出会い、自分が作者沼に落ちたポイント、どこが好きなのか、どこが他の作家さんと違うところなのか、思い入れをめちゃめちゃ語ってくれます。中でもこの作品で感想文を書こうと思った理由とか、作者さんにお届けしたいくらい熱いメッセージが書かれています。わたしが作者さんなら泣くな…と思いながら読んでいます。

▶作者を殴りに行く系

一転してこれね。読んでいて沸き起こった、何かよく分からない巨大な感情を思いっきりぶつけてくる文章。すごいな、これこそ読書だなって思います。途中で読むのをやめなかった、読み通した上で物申す。いいぞいいぞ。わたしは好きです。この路線で賞を取るのはレアかもしれませんが。作者について、本が描かれた背景について、自分なりに調べて自説を展開すると、もはや評論文ですね。

▶推しを語る系

作者さんへのラブレターと違うのは、推しに焦点を当てているところ。わたしはオタクなのでよーーくわかります。推しを語りたい!!!その気持ちが溢れて止まらない。止めなくていいです。「やばい最高」「ほら貝をふく」「好き」「尊い」「死ぬ(墓に入ってくる)」「ここに教会を建てよう」「結婚して」オタクの感情表現は冠婚葬祭といわれるゆえんが見て取れる感想文。推しの魅力をどう伝えるか、自分の感情を細分化する(掘り下げていく)と語彙があふれてくるんですよ。まちか先生はそう思ってるので、とっても大好きなタイプの感想文ですね。

▶読まずに書くスタイル①秘儀!論点ずらし

ここからは、読まずに書いたんだろうなと思われる感想文のパターンをご紹介。まずはこちら、「論点ずらし」。課題図書は読まなくても何が書いてあるかだいたい把握できるんです。本に添えられている紹介文や出版元が出している情報などで。例えば”多感な10代がままならない社会情勢に巻き込まれながらも自分らしく成長する物語”とかね。これに引っかけて書けるわけです。自分の身の回りのままならない何かについて書く、という感じに。読書感想文の宿題があるけど、本を読む時間がないという忙しい子にすすめるとしたら、この路線ですね。たぶん読んでないことはたいてい大人にばれますけど(教師や審査員は一応プロですので)作文用紙を埋めることはできます!レッツゴー!

▶読まずに書くスタイル②読書が好きな自分が好き

個人的に大好きなのが、こういうエッセイ風の読書感想文。読んだんだか読んでないんだか、分かるような分からないような、そもそも感想はどこにある? 読んだ感想なのか手に取った感想なのか自分について語りたかったのか。なんかこう、積読論争も彷彿とさせる文章でとっても面白いのです。自分の読書スタイルについて語る、本を読むときの儀式(的なセオリー)、いつどんな状況で読んだのかという記録。それぞれの切り口で語ってくれるから読んでいて楽しいです。読書を楽しんでいる様子、読書が好きな自分を愛でている様子が、ほほえましいなと思うの。

▶読まずに書くスタイル③読書感想文の意義を問う

がっつり行きます。読書感想文なんか書きたくない!書かせるなバーカ!という主張ですね。まちか先生、ほんと、こういう子が大好きすぎて愛おしい。スタンスとしては「課題図書は押しつけだから嫌、自分の好きな本が読みたい」「課題図書のセレクトに物申す。偏ってない?」「感想文を強要するから読書が嫌になる。悪である」「審査員や教師が世の中の本すべて読んでるわけでもないのに感想文の評価をするな」「読んで良かった、感想もある、でも作文には書きたくない」などなどですね。比率としてはけっこう多いと思う。そういう戸惑いがあるから書かなかった、提出しなかった、という層を含めると、もっと多いんじゃないかな。

▶物語の続きを想像してみた

作文のなかに、感想、出てきません。読んだらハマったから続きを書いてみました!という創作パターン。大好きです。が読んだことない本だったら、元々の本を読みたくなってしまうやつ。でも本当はこれって壮大なラブレターだったりするんですよね。オタク的にも二次創作は感想そのものです。本を読んで好きだな、いいなって思ったところを、自分フィルターを通して膨らますとこうなります!というかたちの。国語の授業でも、教科書に出てきたお話の続きを想像してみようって取り組みはあるので、子ども達にとってもなじみのある、好意を表す方法なのではないでしょうか。感想らしい感想は書かなくても、読んだから生まれたあれこれはどれも感想文だといえるんじゃないかな。

▶もはやセールスレター

イメージとしては、高評価ブックレビューですね。思わず「へー、この本、買ってみようかな」ってポチりたくなる。仕事(指導とか審査とか)を忘れて、ふむふむって呼んじゃうような感想文もあります。あらすじとか、見どころとかも紹介してくれるんですが、肝心な”それでどうなったのか”が書かれてない。ラストを教えてくれない。くやしい。上手いなー!で、「ぜひ読んでみてください」とかで締めくくられたりしていて、完敗です。読みます。面白そうな本を教えてくれてありがとう!!!

▶自分が書いた物語の感想文を書く

読まずに書くスタイルの亜種というか上位互換というか、ごくまれにいる愛すべきモンスター。なんか、はじめは普通に読書感想文を書いてるのかなって思って、普通に採点や添削をするんです。しかし、よくよく話を聞いてみたり、書名で検索したりすると、存在しない本だと分かるわけです。この本ってどこにあるの?と聞くと、「自分で書いたお話だよ」という返し。自分で書いたものだから読まなくたって内容分かるもんね。作者の意図も分かるもんね。いやもう独自路線極まれり。読書感想文ってクリエイティブだなと思ったりもするわけです。

▶本の装丁・翻訳について語る

このパターンも、読んだのか読んでないのか、本が好きなのか別方向に興味があるのか、謎の疾走感がたまりません。作品への愛が個性的に語られて不思議な気持ちにさせられる感想文です。表紙デザイン、帯の評価、装丁の解説。往年の文学作品だと出版社ごとに異なる装丁や売り出し方について論じるものも。使ってある紙の種類を特定しようという試みは、もはや自由研究なのでは?と思えるフリーダムっぷりです。大好きすぎる。海外文学の翻訳作品だと、複数の翻訳を読み比べた感想とか。読み比べるという発想がたまらないですね。

まとめ

読書をする、心に感想を抱くって、本来とても個人的なものです。それを感想文というかたちで残しておくって、ちょっと骨が折れるけれど、何かを取り入れて消化して誰かに伝えるという流れのトレーニングになると思います。

今日ご紹介した10パターン、どれも独自路線ではありますが「読む前の自分と読んだ後の自分」について書き記すという点では共通してるのかもしれませんね。変化を書くのは、基本的なセオリー通りの読書感想文の「型」でも大事なところだったりします。

一味違った読書感想文を書いてみたい人、参考にしてね♡

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