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漫画語りー6. 『インベスターZ』から学べる3つのこと

はじめに


こんにちは、マッチロと言います。

ぼくは漫画が大好物で、これまで何作品か読んで楽しんできました。その中で感動して印象に残った作品がいくつもあるわけですが、このnote上で、ここが好き、これを学んだ、等の自分の感想や印象をとことん綴っていこうと思います。

読んだことない人のために作品の魅力をできるだけネタバレしないよう紹介するつもりです。拙い箇所もあるかもしれませんが、漫画が同じく好きな方は少しお付き合い頂いけると幸いです。

今回は、代表作『ドラゴン桜』を描いた三田紀房先生によるお金の教科書的漫画『インベスターZ』です。この漫画を読んで学んだ3つのことを共有したいと思います。


『インベスターZ』


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あらすじ


 北海道道塾学園では、中1~高3の学生6人が学校経営のために投資部として活動している。そして今年入部した新人、財前孝史はまだ言動に幼さがあるものの、抜群の投資センスと度胸で先輩達が驚くほど株を運用していく。しかし、彼の意固地な性格が原因で、投資部創立以来学園の存続に危機が訪れるのであったー。


1. お金と投資にまつわる知識


 「インベスター」、つまり「投資」という行為は基本的にお金が絡むため、つい大人が行うイメージを抱きます。そこを逆転の発想で、この漫画では未成年の中高生に部活動の一環として投資を行なっているという設定が、まず面白いです。

12〜18歳の子どもたちが株を運用している姿を見ていると、投資はそこまで敷居が高くないと徐々に感じてきます。


 漫画の投資部は主に企業の株式を金融商品として扱っており、他にもFXや不動産も物語で紹介されますが、三田先生は読者が理解できるよう例えをそのまま絵で描写するため、堅苦しい投資や経済に関する用語が出てきても活字の本を読むよりわかりやすいです。



 また漫画では、投資の株取引は会社と密接に関わることから、

就職活動、経営ビジネス、ベンチャー・・

等を取り上げ、私たちの生活に関係する所では、

貯蓄、生命保険、医療・・

等、投資以外のお金や企業に関連する知識や情報を幅広く取り上げてくれて非常に勉強になります。特に保険の回は為になりました。

これらの項目をブレインストーミング風に簡単に作ると下図にようになります。


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漫画の巻末には、その分野の識者や商売人の解説記事、インタビュー記事が付録として掲載されているので補足情報も得られます。

したがって、とりあえず全巻読めば、お金の知識を一通り網羅できると言っても過言ではないでしょう。

2. お金と社会にまつわる歴史


 株でも企業でも必ず物事には、

なぜそれが始まって、どう広まったか?

という成り立ちが存在します。その歴史を理解することは知識となり、そして何かの選択や決断の手助けになりますが、漫画では物語の補助として経済や社会に関連する歴史背景も紹介しています。


 一例としてここで、ぼくが漫画を読んで初めて知り感銘をうけた史実、種子島時尭の話を皆さんにも是非知ってほしいので紹介します。


 1543年、種子島島主の時尭はポルトガルの貿易商から当時の価値でおよそ一億円の代金を支払って鉄砲を二丁購入しました。一丁は使用するため、もう一丁は分解するためです。

そして、鉄砲を分解して作動する仕組みや部品を一つ一つ研究することで、いつしか「種子島銃」という日本製の鉄砲を作りました。

これが後に織田信長が利用するほど日本中に広がり、日本製鉄砲の技術力と伝播が西洋諸国にも伝わって、当時の列強からの侵略を回避することに繋がりました。



 正直この時尭の時代を見習って今の日本社会も、よくわからないモノでも一旦受け入れて、研究する好奇心とモノづくりの精神を成長と発展のために取り戻してほしいものです。



 登場人物の設定上フィクションになっている箇所もありますが、この他にも、日本人は実は投資が得意だったという興味深い歴史や、貨幣、太平洋戦争、住宅、保険など、広範囲でさまざまな歴史を紹介しています。


 このように今まで見聞きしなかったお金にまつわる歴史と日本社会の歴史を漫画で一気に学べ、しかも歴史を物語形式で学ぶため、ただ年号や単語を記憶していた学校の歴史の授業よりも頭で理解でき、今後の教訓として活用できる内容ばかりです。


コミックス14巻には、歴史を知ることは投資に役立つ、という内容の橘川教授による記事が掲載されているので、こちらも参考にどうぞ


3. お金に対する心構え


 投資は、ただ知識があれば利益を得られるほど簡単ではありません。
なぜなら、投資は世の中の情勢や市場の変動によって状況が常に変わり、まるでギャンブルのように運に左右される不確実な側面があるからです。


 したがって、投資家はそうしたハプニングに対処するための考え方、つまり鉄則と、判断力、そして苦しい状況でも耐える強靭な精神力が必要になりますが、漫画では投資をする上でのさまざまなアドバイスを提示してくれます。


たとえば、あるシーンで投資部部長の神代さんがこんな衝撃的な発言をします。


 財前はこの答えがわかるまで部室出入り禁止を命じられますが、これは実際漫画を読んで是非答え合わせしてください。

 このように、三田先生は財前の新入生という立場と生意気な個性を軸に、漫画での人生の先輩たちからの説教を経由して、お金やビジネス、人生についての格言を紹介してくれます。上記の歴史と同様で、漫画のストーリーに関連した言葉なので頭で理解しやすいです。


特に、次の投資部部長に代々贈られる言葉が短くて、前向きな気持ちになれるから個人的に好きな言葉です。


 ちなみに、ぼくは漫画のキャラクターで、神代圭介が一番好きです。(たぶん名前と容姿からモデルは本田圭佑選手・・)。

頭は当然良いし、スポーツもでき、常にクールに理性的で、言葉にカリスマ性と威厳があるようなまさにリーダーの鑑のような人物で、先輩や上司として憧れる存在です。こんな人の下で働いてみたいですね・・。


おわりに


ぼくは初めて『インベスターZ』を読んだとき、今までの固定観念がことごとく打ち壊される気になりました。描かれてる全ての情報が正しいとは言えないかもしれませんが、ひとまず柔軟な発想や考え方を得られたと思います。


したがって、まだこの漫画を読んでない人は正直損してると思います。もしぼくに子どもがいたら、学校の教科書や参考書よりもこの漫画を薦めるでしょう。是非この漫画を読んでお金についてもっと知り、お金を愛してほしいです。


また、漫画内には三田先生の過去作品で出た登場人物が所々でゲスト出演していますから、先生のファンの方は是非探してみてください。


こちらも参考にどうぞ


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