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会議でくすぶる内向型を光り輝かせる3つの工夫
世界はまだ、内向型の力を十分に引き出せていない
世界の半分は内向型だと言われている。
しかし世界はまだ、内向型の力を十分に引き出せていない。
(内向型の私が断言するのだから間違いない!)
長らく世界は、組織は、外向型偏重を肯定してきた。「明るい」「素早い」「エネルギッシュ」が良いこととされてきた。
一方、内向型は組織において「暗い」「遅い」「静かすぎる」というネガティブなレッテルを貼られ、隅に追いやられ、外向型の仮面を被ることを余儀なくされてきた。
「だから何?生まれ持った性格を言い訳にするの?」
そんな声もある。確かにその通りだ。内向型を言い訳にして成果を出せないなんて、言語道断だ。
変えられない現実として、内向型は自分なり方法を見出し、この世界で結果を残していかなければならない。
しかし、内向型にとって外向型偏重の社会で生き残るのは、相当に神経をすり減らす取り組みであるということは強調しておきたい。
多くのひらめきが、アイデアの種が、テーブルの上にすら出されずに内向型の頭の中で押し殺されてしまっている。
とても、もったいない。
だからこの記事では、会議という場に限定して、内向型の力を引き出すための工夫を紹介する。
内向型が会議でくすぶる3つの理由
初めに、内向型研究のトップランナーであるスーザン・ケイン氏の研究から、内向型と外向型の特徴を整理したい。
外向型(行動の人):
意気軒昂、明るい、愛想がいい、社交的、興奮しやすい、支配的、積極的、活動的、リスクをとる、鈍感、外部指向、陽気、大胆、スポットライトを浴びるのが好き
内向型(熟考の人):
思慮深い、理性的、学問好き、控えめ、繊細、思いやりがある、まじめ、瞑想的、神秘的、内省的、内部指向、丁寧な、穏やか、謙虚、孤独を求める、内気、リスク回避的、神経過敏
この特徴や私自身の実体験に鑑みると、内向型が会議でくすぶってしまう理由が見えてくる。主な要因は以下の3つだと考えられる。
会議で発せられるすべての情報(刺激)を処理しようとして頭をフル回転させており、インプットのフェーズからアウトプットのフェーズに移行できない。
自分の内側にある図書館(経験や、かつて学習した内容)に答えを探しに行き、会議メンバーではなく自分自身と対話し答え合わせをしている。
生煮えのアイデアを発することにリスクを感じ、100点満点の答えがまとまるまでは中途半端に発言しない。
思い当たるふしはないだろうか。
内向型は会議に参加していないと批判されることがあるが、実は誰よりも真剣に、頭を回転させ神経をすり減らしながらその場にいることも多い。
しかし、その声が拾われる前に会議は終了時間を迎えてしまう。
内向型を会議で輝かせる3つの工夫
前述の主な要因を頼りに、内向型を会議で輝かせる工夫を3つにまとめてみた。
実はこれらは、内向型メンバーに対して私が実践してきたことであり、かつ内向型の私自身が会議に一参加者として臨む際に心がけて上手くいっていることでもある。
どれも手軽に取り組める行動ばかりなので、ぜひ試してみてほしい。
1. 事前にアジェンダとディスカッションテーマを提示し、宿題を出す
刺激や新しいことに過敏な内向型が、会議が始まる前に会議を頭の中で一周させる機会を与える。それによって会議に落ち着いて参加できるのだ。
事前にアジェンダとディスカッションテーマを提示し、「アイデアを3つ考えてくる」などといった宿題を出すと良い。
十分な時間を与えられれば、内向型のアイデアは無限に広がる。水を得た魚と化し、喜んで準備に取り掛かる。
会議では、内向型に最初に意見を求めるのも効果的。準備され整理されたアイデアを共有してくれるので、その後のディスカッションの質を高くキープすることができる。
2. 自分の世界に入る前にストップをかけ、ディスカッションに引き込む
会議の途中、油断すると内向型は腕を組み始めて自分の世界に入ろうとする。自分との答え合わせをスタートさせたがるのだ。
時にはそれに意図的にストップをかけると効果的だ。(いつもいつもストップをかけられるとストレスになるが)
自分との対話には大いに価値があるが、他者と意見をぶつけ合うことから得られる偶発的な知恵の広がりを感じさせることで、内向型に「協働する」ことの面白さや意義を感じさせると良い。
誰かの意見に対して、積極的に内向型の意見を求める。準備ができておらず口を閉ざすかもしれないが、それは答えがまとまっていないだけだ。アイデアのカケラは頭の中に浮遊している。
だから、3つめの工夫が鍵となる。
3. 50%のアイデアに根気よく耳を傾け、真意を引き出す
すべての会議で内向型が事前準備をできる訳ではない。そのような場合でも、臆せず内向型に意見を求めると良い。
その際には、次のような言葉をかけて心理的安全性を担保する。そして熱心に耳を傾け、その真意を引き出していく。
「色々と深く考えていることと思います」
「50%の完成度でOKですよ!完璧な答えを求めてはいないですから」
「キレイに整理されていなくてもいいので、頭の中にあるキーワードを共有してもらえますか?」
「もう少し時間が欲しいのであれば、あとでもう一度戻ってくるので、それまでゆっくり考えておいてもらえますか?」
スピードを重視する外向型がシビレを切らし、割って入る可能性がある。そのときには、それを静止する。
「今は彼/彼女の番だから、ちょっと待ってくださいね。とっても良い意見だから、最後まで聴きましょう」と。
その結果引き出される内向型の貢献に、チームは驚かされ、感謝することになる。
まずは内向型メンバーとの正直かつ前向きな話し合いが効果的
最も基本的で効果的な取り組みは、内向型メンバー本人と会議の参加方法について正直かつ前向きな会話を持つことだ。
「あなたのポテンシャルをもっとチーム内で活かしたいんです。今のままではもったいない。それが引き出されるような環境づくりに努めるので、ぜひ一緒に変化を作りだしてほしい」と。
内向型の力を引き出すことが、組織力を最大化するための最短コースでは?
生産性やエンゲージメントを高めるために、どの組織でもインクルージョン&ダイバーシティに少なくない投資をしている。
しかし、効果を実感できている組織は多くはない。
そのような状況にあっては、半数を占める内向型の力を引き出すことが組織力最大化の最短ルートになるかもしれない。
外向型と内向型の良い部分を引き出し、両輪で力強く前進する組織だ。
その第一歩として、「静か」なメンバーに対して何か一つでも試してみることで、きっと驚くべき可能性の片鱗を感じられるだろう。
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