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世界オンライン旅(1~2カ国目:アメリカ・インド)

どのようにして出会うか?

さて。最初に思いついたのは、HellotalkやTandemなどの言語交換アプリだった。世界には日本語を学びたい人々がそれなりにいて、何百万人というユーザーがこれらのサービスを使っている。当然日本語を教えつつ、こちらは英語やその他の言語を教わる名目で出会うことができるだろう。

しかし。なんだかぬるいなー。

海外を旅していると時折日本に興味を持ってくれている好意的な人たちに出会うが、どちらかというと少数だ。「トヨタ!サムライ!スシ!」などと言ってくれれば良い方で、南米や中東・アフリカなどでは「日本?あー、中国とかあっちのほうか。日本って犬食うの?」という人も少なくない。日本人でチリとアルゼンチン、ナイジェリアとアルジェリアの文化的違いが説明できる人間が少ないのと同様だ。

自分が20代の頃にバックパッカーをしていた際は、アジア人への差別や偏見に塗れながら旅をしてきた。オンラインでも、ランダムに多種多様な人々と出会ってみたい。

そんな中、Omegleというサイトを見つけた。このサービスに接続している世界中の人とランダムで繋がるというものだ。「テキストのみ」と「ビデオ通話」が選べる。

やったことのないことを始めるとき、人は大抵びびる。おれはまず、テキストのみから始めた。

1人目 Will

im WIll (M) I also speak french   ウィル(男)だ。フランス語も話せる。

im Mac (M) I also speak Spanish マック(男)だ。スペイン語も話せるぞ 

Disconnected  :  切断されました

お、おい!

なんと、男だとわかった途端、切断されてしまった。会話このサイトについて下調べをすると、異性との出会い目的が多いと聞いたが、こんなに露骨にやられるとは。

気を取り直して2人目。

他人さん:Hey!

おれ:やあ!元気?

他人さん:おう!

おれ:今日、寒いよな

他人さん:ほんと、凍えるぜ。どこいるんだ?

おれ:東京だよ。あんたはどこだい?

他人さん:日本か。興味深いな。おれはカリフォルニアだ。日本でいったい何してんだ?

おれ:いや、日本人なんだよね。でも、LA(ロサンゼルス)で働いてたことあるよ

他人さん:まじかよ。おれも南カリフォルニア出身なんだよ

おれ:おお、偶然だな。実はさー、オンラインで全世界の奴と話してみようと思ってて、あんたが最初の一人なんだ。

他人さん:そりゃあクールだな。おっと、そろそろ行かなきゃ。話せてよかったぜ!グッドラック! 

・・・・Disconnected : 切断されました

うーむ、なかなか難しい。実際の出会いと違い、クリック一つでコミュニケーションを終了できるため、よほど相手を楽しませたりしないと会話が続かないのかもしれない。また、世界中の人間とオンラインで話すってのも、ややここで話すには大袈裟で重たい気もした。なんとなく続けていった結果、100カ国くらいの人間とコミュニケーションした、というのが理想なのかもしれない。

3人目

その後も何人か試したが、こちらが男だとわかった瞬間に切断されてしまうことが続く。仕方ない。禁断の技ではあるが、女のふりをしてみよう。

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おれ:ハーイ、私エミリー(女)、21才よ!

他人さん:君はMountain person (山好き)かい、それともBeach person (海好き)かい?

なんと、いきなり口説きのテンプレのような質問が投げ込まれてきた。

おれ:そうね、私はビーチタイプよ。あなたは?

他人さん:山派かな。森の中をハイキングするのが好きなんだ。ビーチでサンセットを見るのも好きだけどね。

おれ:どこに住んでるの?私は日本よ。

他人さん:インドだよ。

なんとなく、ユーザーはアメリカ人ばかりだと思っていたので、意外だった。

おれ:一度インドに行ったことがあるわ。楽しかったわ。

他人さん:ええええ、本当?いつ?

おれ:何年か前よ。(本当は2005年と言ってしまいそうになったが、エミリー21才という建前上こう答えた)

他人さん:僕もいつか日本には行ってみたいと思ってるんだ。前に日本人の友達がインドに来たことがあったんだけど、彼は路上にいる牛たちにショックを受けてたんだ。君が楽しんでくれたみたいで嬉しいよ。

おれ:牛ちゃん、キュートだったわ。あなたはインドのどこ出身?

他人さん:生まれは北部だけど、今は南インドのケララ州に住んでる。エミリー、君は学生かい?

おれ:そうよ。あなたは?

他人さん:僕は宇宙開発のエンジニアをしてるんだ。来年は博士課程でドイツに留学する予定だよ。

おれ:宇宙開発って、ロケットとか?

他人さん:そのとおり。液体ロケットエンジンのチームにいるよ。

この異世界感!普段出会えないタイプの人間と話せるのが旅の醍醐味だ。

このインド人、マニーシュ君とは、しばらく雑談を続けて会話を終了した。最後までこちらが女だと思わせてしまって申し訳ない気持ちがあったが、紳士的でいい奴だった。「実はね、私、男なんだぞー!」と最後にネタバレしてリアクションを見てみたい気もしたが、そこまで気が回らなかった。

結果

1カ国目:アメリカ

2カ国目:インド

本当はもっと深い話をしたり、ビデオ通話で話したりした上でカウントしたかったが、初日なのでまずは低いハードルで良しとしよう。特にインドのマニーシュ君は、新型コロナウイルスに関するインドでの感染状況やワクチン接種の必要性など、科学者的視点でいろいろ興味深い話をしてくれた(おれが本当に21才女子だったら退屈していたかもしれないが)

課題はと言えば、やはりテキストのみのチャットだと、やたら時間がかかるのと交換できる情報量が少ないことだ。

調子も出て来たので次回はビデオチャットにしてみよう。どこの国に行けるだろうか。

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