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[Portugirl]~EU最西端での小娘ひとり旅奮闘記~[009]

前回の続き。 ( 最初から読む

更新遅くなりました。すみません。

2018年5月2日

 この日は雨模様だったがなんとか天気はもったようだった。
8時にInesが用意してくれたオーガニックな朝ごはんを済ますと、9時過ぎの早々にステイ先を出て街へ繰り出した。

まずは昨日祝日で行けなかったレロ図書館へ。

 チケットの列はすぐ買えると思いきや、店内の奥の奥へと列は伸びていた。

最後尾まで行く間、

「おーーーまじか、まだ行くの、おーーーーーーーーいおいおいおい」

と思わず日本語でひとり言かましてしまうくらい長く、これは11時からのアズレージョ(ポルトガルタイル)ツアーに間に合わなそうだった。せめてチケットだけでもと、25分かかってやっとチケット購入。本屋に入るためだけにチケットが必要だなんて馬鹿げた話だが、ここまで観光地化されたらしょうがないのかもしれない。ちなみにチケット代の5ユーロ(2018年5月現在)は、本屋の中で本を買うと5ユーロ分ディスカウントで相殺されるシステム。

 チケット買えた頃にはもう10:40を過ぎる頃だったので、足早に待ち合わせ場所へ向かった。今日はAirbnbの体験ツアーに二つ参加する。どちらも同じホストによって行われる。ホストはスペイン人とポルトガル人のアーティストの二人組で、午前のツアーでは街中を歩きまわってポルトのアズレージョ(ポルトガルタイル)を見て回る。そして午後は2人のアトリエで実際にアズレージョを作るワークショップに参加する予定だ。

私が今回参加したツアーはこちら。

The Azulejo Adventure

The Art of Azulejos

午前のAzulejos Adventureのツアーは長くなるのでまた別で書きます。

 午前のツアーが終わると同じ一人旅仲間のアメリカ人のフォトグラファーRebeccaとカナダ人のエンジニアMelinaの2人と先ほどのツアーホストAlba&Marisaに教えてもらったAzulejos Factoryへ行ってみることに。

 工場へはメトロでアクセス可能だった。最寄の駅から15分ほど歩いたが、サンチャゴ巡礼をしたMelinaと足の長い長身Rebeccaに日本人の私がせっせとついていくと、ものの10分で辿り着いた。

向かう道中にRebeccaがすでに先方にメールを入れておいてくれたので、まずは

突撃隣のタイル工場。

ピンポーン

スペイン語話せるRebeccaと私でしどろもどろに訪問の目的を伝えると門が開いた。
犬が真っ先に駆け寄ってきた。その先には優しく微笑んでくれているご婦人が。

 「遠いところよく来たわね、さぁ中へ」と招き入れてくれた。
中に入ると目の前に広がるタイルの山。試作品からバラ置きのタイルまで様々だ。ここにきた目的は、市内で売られている高い観光客向けのタイルじゃなく、卸値で買いたいからというのはもちろんのこと、街には建物から勝手に剥がして盗み、売りさばかれているものもあるので、そういった形ではなく、きちんと作り手から直接買いたかったからだ。

 工房の主人も奥から出てきてくれたので、工房の見学をさせてもらった。
タイルに塗る顔料や、乾燥させる棚、焼き上げるための窯も。こうした工房からあの計算されたデザインのタイルは作られ、街中の建物の壁を彩っている。

ご主人が説明しながら案内してひと通り見て回ったあと、そろそろ私が街に戻らなければならない時間になってしまった。最後にみんなで写真を撮らせてもらい、Rebeccaは引き続き取材を敢行。Melinaと私は欲しいタイルを卸値で買い、包んでもらった。(キャッシュオンリー)

(買って包んでもらったタイル。)

私は午後もツアーに参加する予定だったので、急いだ。もうこの時点でメトロの駅に向かって街に戻ると間に合わないのでタクシーを呼んでもらった。

 しかしすでにタクシーでも間に合うか微妙だったので、Simの生きてるMelinaにAlba達へ遅刻の連絡をしてもらった。

Obrigada‼

 そう言い残し、そのちょっと後に来たタクシーに飛び乗った。若干の渋滞もあったが、焦りたい気持ちを落ち着かせてタクシーのおじちゃんを信用して向かった。

 タクシーのおじちゃんは英語も通じなかったので、目的地近くの公園でもう降ろしてもらい、自力で住所を頼りに向かった。通りはあってるはずだ。番地の番号も。しかしアトリエのサインも何もなく、合っているのか不安だった。通りすがりの気の良さそうなハンチング帽の良く似合うおじさんを捕まえて住所を見せてダブルチェック。うん、やはりここだ。呼び鈴をおじちゃんと一緒に鳴らしてみた。おじちゃんも心配して一緒にいてくれた。心強い。しばらくしてAlbaが降りてきて開いたドアから顔を出した。

やった!合ってた!!思わずハグしてしまった。

おじさんにも丁寧にお礼を言い、握手して別れた。

アトリエの中ではMarisaがパワポのスライドでAzulejosについて説明していた。良かった。まだ作成は始まっていない。

 今回のワークショップでは二通りの方法でAzulejosに絵付けできる。私はstencilとfreehand両方やってみたかったので、どちらも取り入れられているデザインに挑戦してみた。集中すると人間黙るもので、Marisaに話しかけられていたのに全然気づかないほどだった。

 完成した私のAzulejosは、後日焼き上がり次第日本に送ってくれるとのことだった。郵送料はPaypalなら後日で支払えるらしい。便利な世の中だ。

(後日送ってくれたタイル)

 実はMarisaが明日誕生日らしいので、お祝いに何かできないかと考え、リスボンで買ったAzulejosの折り紙で折り鶴を作ってあげた。

「日本人が作った正真正銘のオリガミよ!しかも私たちの大好きなAzulejos‼︎なんて素敵なの‼︎もしアトリエを引っ越したらこれ吊るして飾るわ‼︎」

とこれが予想以上に喜んでくれて、私も嬉しかった。

 アトリエを出た後は朝チケット買うだけにとどまったレロへ。
チケット購入の列は伸びに伸びて通りの2ブロック先まで伸びていた。チケットをすでに持っている人は幸いすぐ入れた。入り口でチケットをスキャンしてもらい、中へ。

 あの憧れの本屋レロで、大好きなAzulejosの本を買え、満足気に両手に抱えて私は店を出た。あとは残されたお土産ハントをし、ステイ先のホストのInesおすすめのオーガニックレストランへ。そこは10ユーロ以下で食べ放題だった。

 ポルトガル最後の夜にして一番健康的な食事でお腹を満たしたあとはまっすぐステイ先へ戻った。お酒も寄り道もなし。もう心の底からこの旅に満足した。
早めに帰り、荷造りをして明日の帰国へと備えた。


つづく

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