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僕の上京物語② 〜 ゲレンデ リゾートバイト ここから全てが始まる〜


栃木県

ここが僕の初めての
【大阪】以外の場所になった。

僕達はあれから
栃木県のゲレンデの寮に住むことになった。

まず一緒の日に入居する人達で
部屋割りを振り分けられるのだが
ココは4人1部屋の部屋だった。

そこで偶然一緒になったのが
僕達と同じで大阪出身の2人組。

【りょうじ】と【そう】

偶然、年齢も同じで
すぐ意気投合。仲良くなった。

またこの【そう】が同じ動機で来てて、
【高橋歩】さんの本を読んで来たらしい。

いちいち言うことがゆうまと同じで
動機、やりたいこと、帰ってからのビジョン
全部が引くほどに同じだった。

... いやどんな奇跡やねん。

と心の中で密かに思ってた。
不思議とこんな偶然も起こるもんだ。


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そんなこんなで次の日から
仕事は始まった。

仕事内容は色々あるんだけど、
僕はゲレンデのレストランに
配属されることになった。

ゆうまとそう。僕とりょうじ。

このペアで配属先が一緒だった。

それから毎晩4人で
いろんなことを話した。

夢、将来のこと、自分という人間、
人生とは、などetc...

今思えばくだらないガキの戯言なんだけど、
その時間がたまらなく好きな時間で
話しながら"ワクワク" "ドキドキ" してた。

今ではもうほとんど連絡もとらなくなってしまったけれど、たまにふとこの時のことを思い出す。

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... それからすぐ事件は起きた。

ある日突然、
りょうじにクビが言い渡された。

理由は指に入ってた"刺青" だった。

ホントに小さなものなんだけど、
僕達が思ったのは

... なんで今このタイミングで?

だった。
そんなの初めからわかっていたでしょう?
いつも絆創膏をして隠してて、
最初からみんなもそれは知ってるはず。

... りょうじは泣いてた。

変わろう。って、
こっから色々やってこう。って。
そう決めて来たのに、
突然その扉を閉められた。

納得が行かなかった僕達は
どうしたものかと考えてる時、

詳しく聞きにいこう。

ということになり、上層部に抗議しに行った。

まずは1番近い自分達の上司のところへ。

「理由は刺青だよ。」

「こればっかりは仕方ない。」

どれだけ話しても返答はそれ。
だからなんで今更なのかって聞いてる。
埒があかない。

「わかりました。」
「とりあえず上の人に話しにいきます。」
と言うと、

「行っても意味ないからやめなさい。」

と。。。

いや、なんだそりゃ。

どういうこと?
もしかして上の人に知られたくないの?

そう思った僕達は
「わかりました。」とだけ告げ、
帰るフリをして
そのまま1番上の人のところへ行った。

そして同じ質問をした。
納得いきません。
理由を教えてくださいと、、、

すると返ってきた返答は、

「態度が悪いからと聞いてますよ」

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... はい?

こっちは聞いた話と違うんですけど。

僕達はそこに違和感を感じて
さっき聞いた話を説明した。

すると"刺青" のことは知らない様子だった。

「現場と上層部に伝わってる内容に相違がありますね。ちょっとわからないので調べて明日お話します。」

... 最初は意味がわからなかった。
だってそれだと話が変わってくる。
結局こいつはなんでクビなの... ?

確かにりょうじは【明るく元気いっぱい】
みたいなタイプではないけれど
真面目で態度なんか一切悪くなかった。

理由はわかんないけど、
要は煙たがられてたってことか。

りょうじのこと"知ろう" ともしないで...

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今思えば僕達は
めちゃくちゃ子供だったんだと思う。

会社の雇用方針なんか
それぞれがそれぞれに理由がある。

何かしら仲介会社との
契約上のものもあったのかもしれない。

でも当時まだまだ子供な僕達は、
そんな"こじつけ" みたいな理由で
いきなりクビにされたことに
なんにも納得出来なかった。

あんな大人には絶対ならない。

と思ったのを今でも覚えてる。

今思い返しても
納得は出来ないけど。。。

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それから
次の日、ゆうまとそうは呆れて
もう仕事にすら行かなかった。

それが悪いとは思わなかったんだけど、
僕はさすがに筋があるだろうと思って
なんとなく1人仕事には行った。

すると僕のところだけに
昨日の偉い人が来て、

「君だけはちゃんと仕事に来たから君だけにはちゃんと誠実に理由を話すね。」

と理由を話してくれた。

蓋を開ければ結局は"刺青が原因" って
説明されただけなんだけど、

もうなんか "いいや" ってなった。

最初に刺青のことは話したって言ってた。
それがわかった上でここに来させたはずだ。

だったらなんで最初に言わないんだろう。

結局ちゃんと説明もしてくれないんだ。

... 誠実ってなんなんだろう。。。

そのまま僕はその場でその人に
辞める旨を伝えて、辞めた。

そしたら当たり前だけど次の日には
寮を出ていかなければいけなくなった。

約1ヶ月。
僕の初めての県外は
めちゃくちゃ短い遠征になった。

その夜。
僕が仕事から帰ると、
"そう" と"ゆうま" がウキウキしながら

「東京にいこう!!」

と言ってきた。

最初は  はぁ? っと思った。

こいつら仕事も行かないで
何をまたわけのわからんことを.....

でもふとりょうじを見ると
あの堅実なりょうじも乗り気だった。

それからよくよく話を聞いてると
確かにおもしろそうだと思った。

要するに

このまま大阪に帰ったらダサくない?

みんなに色々言っちゃったしな〜。

だからこのまま東京行って、

1からどこまで出来るのか、

ノープランでやってみようぜ!

ってことだった。

なるほど。確かにそうだ。

... こうなりゃもうやるしかない。

そして20歳のバカな若者4人は
そのまま重たい荷物を背負って
いきなり東京に行くことになったのだった。

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東京編③に続く。



最後まで読んで頂きありがとうございます! みなさんのちょっとした時間に、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。