「パパの方が良かったのに~!」と泣かれたママは、子どものつたない言葉から「真実を受け取る心得」を学んだ。
シリーズ「我が子育ての現場から」
~No.7~
「パパの方が良かったあぁぁぁ~!」
「パパに会いたいいぃぃぃい~!!
「パ~~~パ~~~~!!!!」
…………5歳の次女が、泣きわめいている。
月曜日の、夕方18時。
私は洗濯物をたたんでいて、何か言いたげな次女が側に寄ってきた時に、顔も見ずに言ったのだ。
「ちょっと待ってね、いま洗濯物たたんでるから」
そしたら、スイッチが入ってしまった。
謎の、次女の、号泣スイッチが。
最初はシクシク、
そしてじわじわ音量を上げて、
ウワーーーーン!ワンワン!!
「パパがいい~~~~!!!」
「パパが良かったあぁぁぁぁ!!!」
何がやねん!!!
目の前にいるママの、何がそんなに不満やねん!!
洗濯物の山、投げつけたろか!!!
今日は幼稚園が休園日で、丸1日ママと2人で楽しく過ごしたじゃないか。
窓拭き掃除を一緒にやって、
お味噌作りも一緒にやって、
ダンスの習い事も一緒に行って楽しく踊って、
充実したお休みの1日だったじゃないか。
ずっとニコニコしてたじゃないか。
「今日はつかれてばっかりだったぁーーー!」
「昨日のパパが良かったあぁぁーー!」
なんやとおおぉぅ!?
今日の1日のために、ママがどれだけいろいろ段取りつけて、あなたに合わせて過ごしたか、おわかり!?
子育て支援型幼稚園の2号認定なのよ!!休園日でもあなたを預かり保育に1日預けて仕事することもできたのよママは!!
そうせずに、「1人っ子タイム」として、めいっぱいかまって過ごしてあげたってのに、何なの!!ここへきてパパパパって!!!
それって立派な裏切り行為じゃございません!??
泣いてもわめいてもパパの帰宅は21時以降よ!!!
………と、ブチ切れてひっぱたきそうになる気持ちを、
何とか、
押さえに、
押さえて。
とりあえず、
抱っこして、
ぎゅーして、
よしよしして。
泣きの勢いを落ち着かせて。
(スキンシップ最強)
「どうして、パパがいいの?」と、穏やかに尋ねる。
(日頃の精神鍛練の賜物)
「……パパだったら良かったのに」
まだ言うか!
「……パパの、昨日の、夜の……」
ん?
「楽しかったの!パパの!」
んんん?
「なぞときの、やつ!」
んんんんん?
以下、次女の支離滅裂なおしゃべりをそのまま記述すると大変なことになるので、15分がかりで聞き出した内容を要約。
・昨日(日曜日)は、ママはパズル教室&オンライン講座開催で忙しそうで、パパが晩ごはんを作っていた。
・パパが晩ごはんを作っている間に、自分が紙に「なぞとき」を書き、その紙を家の中のどこかに隠し、それをあとからパパが探して見つける、という遊びをした。
・それが、とても、楽しかった。
・楽しかったので、ママともやりたいと思った。
・しかし今日は窓拭きやら味噌作りやらダンスやら、1日あわただしくて、その「なぞとき探し」をやる時間がなかった。
・窓拭きは、初めてだから楽しそうでやってみたくて、それよりも「なぞとき探し」をしたいとは、言い出せなかった。
・味噌作りは、前にやった時にお手手でムニムニして気持ち良かったからまたやりたくて、それよりも「なぞとき探し」をしたいとは、言い出せなかった。
・ダンスは毎回楽しみにしてるから行きたかった。でもいっぱい踊ったからつかれた。
・それでもママと「なぞとき探し」をしたくて、声かけようとしたけれど、ママは洗濯物たたみで忙しそうで、話を聞いてくれなかった。
・パパは晩ごはん作りで忙しそうでも自分の話を聞いてくれたのに、ママは聞いてくれなかった。
・ママとも「なぞとき探し」で遊びたかったのに。
……という、
この気持ちの要約としての、
「パパの方が良かったあぁぁぁ~!」
だったのでした…………
聞きながら、
最初はシクシク、
そしてじわじわ音量を上げて、
ウワーーーーン!ワンワン!!
今度は私が、次女を抱きしめて大号泣。
ゴメンね。
ゴメンね。
あなたの話を、聞いてあげなくてゴメンね。
自分の都合と理想で1日のスケジュール決めてゴメンね。
それってママの自己満足だよね。
ゴメンねーーー!
ママも、やりたいよ、なぞとき探し!
ママも、あなたと一緒に、遊びたいよーー!
ウワーーーーン!ワンワン!!
2人して大号泣。
ひとしきり泣いてから、
「じゃ、今からその、なぞとき探し、やる?」
「やるーーーーー!」
一心不乱に、鉛筆で紙に何かを書き始める次女。
じっと見てるとネタバレするから、書いてる間に晩ごはんの準備。昨日のパパと、同じ展開。
そしてご飯が炊け、味噌汁もできあがった頃に、
「ママ~~~♪用意できたよ~~~♪」
いざ、なぞとき探しスタート!
どこかな~?と探し始めると、
「この!ほら!ここの!」と、
ヒントすぎるヒント。
いやいやほとんど答え言ってるやん(笑)
探す楽しみ、全然ないやん(笑)
家の中のあちこちに、小さく折りたたまれた紙。
これは、なぞとき迷路。
これは、せんむすびクイズ。
縦向きの「つ」みたいなのは、次女なりの「?」マーク。
これは、宝の地図で………
ついに、お宝ゲット!!
(キラキラのスーパーボール)
得意満面、最高の笑顔の次女。
そうか………
これがしたかったのか………
「パパの方が良かった」という、
その言葉を、言葉通りに受け取って、怒ってしまっていたら………
この笑顔は、見られなかった。
もう5歳。
でもまだ5歳。
言いたいことは、たくさんある!
でも、それをうまく、伝えられない!
語彙力も、表現力も、まだまだ全然、足りなくて。
それでも、ママも、パパも、大好きで。
一緒にいっぱい、遊びたくて。
自分の遊びに、つきあって欲しくて。
全身で、力いっぱい、泣いて、わめいて、伝えてくる。
それを、受け取ってあげないといけないんだな。
大人の基準で、判断しちゃいけないんだな。
言葉の向こうの、本当の思い、真実の思い。
きちんと受け取ってあげないといけないんだな………
そんなことを、教えられた、月曜日の夜なのでした。
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シリーズ「我が子育ての現場から」、過去の記事はこちらのマガジンにまとめております。
もうほんと次女ってば(泣)
それでも、支離滅裂でも何でも、話すことができるようになっただけ、楽になってきました。
もっと幼い頃はひたすら泣くしかなかった次女。気持ちが伝わらなくて、さぞやイライラしていたことでしょう。
(だから自己肯定感も低めなのか!?)
子育ては、日々学びの連続です。
明日は「# とはだけで30本書くチャレンジ」に戻り、「日々の暮らしの解像度 # とは」について書きたいと思います。
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