子どもたちが、さまざまな「道具」を、使いこなせるようになるまで。

シリーズ「パズル教室の現場から」
~No.4~

私の運営するパズル教室の教材の大半は、積み木やマグネットによるパズル課題なのですが……

どさくさに紛れて、小学受験の世界で言うところの「巧徴性」に当たる課題も混じっています。

・鉛筆で線を引く
・クーピーで色を塗る
・ハサミで紙を切る
・手で紙を折る

などなど。

これらは、小学受験生のみならず、多くの子どもたちに、習得しておいて欲しい技能である、と考えているので。

それぞれ相応の思考力・推理力養成のための課題として組み込んでいるのですが、当然のことながら、鉛筆・クーピー・ハサミ・自分の手、といった「道具」を「使いこなす」ことも、その課題をクリアできたか否かを判断する重要な観点になっています。

幼児期~小学校低学年期の、「手先の不器用さ」は、見て見ぬふりして放置してはならないのです。

もちろん、手先の器用・不器用には個人差があるので、全員に同一の高水準な完成度を求める、などという愚かな指導はしないのですが。

子どもの周りにいる大人は、意識して多種多様な巧徴性課題に子どもが触れることを、サポートすべきです。

なぜなら、それは子どもたちの認知機能の向上に直結するので。

昨年ベストセラーとなった、こちらの書籍では、幼児期~小学校低学年期に、適切な認知機能向上の機会を得られなかったために、学校での学習も苦痛になり、世の中全体へのストレスを抱え、そこから非行少年となってしまう子どもたちの姿が、詳しく書かれています。

同じ著者によるトレーニング教材は、主に鉛筆で取り組む内容ですが、子どもから大人までの認知機能向上に特化した内容になっており、それがいかに重要なことかをうかがい知ることができます。

いやいや、こういうの必要なのは、「非行少年」になりそうな家庭環境の子どもたちだけでしょう、うちは習い事もいろいろやってるし、子どもには時間もお金もかけてるから大丈夫~……

と、お思いになる方もいらっしゃるかと思うのですが。

それが、なかなかそう簡単にはいかないのですよ。

出産前に、小学受験指導の現場にいた頃の実感ですが、比較的、経済的に余裕があり、丁寧に子育てに向き合っていて、子どもにしっかり手をかけている、

そんなご家庭のお子様こそ……
技能的にアンバランス!
というケースが、多々ありました。

理由は単純で、
「危ないから」とハサミを長らく遠ざけていたり……
習い事がお勉強系に偏っていて手先を使って遊ぶ時間が少なかったり……
お手伝いをさせる機会が少なくて生活巧徴性が身に付いていなかったり……
本人の意向を尊重するあまり、興味を持たない分野の作業には全く触れさせていなかったり……
要は、「手をかけすぎ」による、環境不備

かく言う私自身も、長女が年長ぐらいの頃に、リンゴの皮剥きをさせてみようと思ったところ(高濱正伸先生の著作に影響され……)、あまりに危なっかしくてサポートもしきれないレベルだったため、その取り組みを遠ざけてしまいました。もう小4なので、リンゴの皮ぐらい剥いて欲しいのですが、依然としてその技能を長女が習得する機会を作ってあげられずにいます。ついつい私が皮剥いてしまう……反省。

そうした家庭要因による技能習得アンバランスを防ぐためにも、子どもたちにとって「パズルの先生」という「楽しいこと提供者」のポジションを活用して、様々な巧徴性課題に取り組む機会も提供しています。

初めて取り組む時に、じっくり見守る。

どこまでが、できていて、今まだ不十分なのは、どの部分なのか、子ども自身にもわかるように伝える。

できた部分についてはめいっぱい認めて褒めつつ、「技能習得」と「認知機能向上」の両方の観点から、子どもたちがその「道具」を使いこなせるようになるまで、見守り続ける覚悟で、いつもやってます。

……まあ、パズルやりたいと思って来てる子どもたちなので、「ハサミめんどくさい!!」って、よく言われますけどね(笑)

まんべんなくいろいろやるのが重要なので、妥協せずこれからもハサミだののりだの鉛筆だのクーピーだの、技能的な課題も、相応のモチベーションで子どもたちが取り組めるようサポートしていきたいと思っています。

………

あああ~~~
本当に書きたい内容の前置きだけで長くなってしまった~~~

子どもたちが「道具を使いこなす」、上記はその第1段階です。第2段階の話は~またあらためてじっくり書きます……

*****

毎日は書けないけど、書くとなる力が入る、シリーズ「パズル教室の現場から」です。力入りすぎるので、ちょっとずつ小分けに書き溜めていきたいと思います……

明日はまた「# とは だけで30本書くチャレンジ」で、「感謝の気持ちの伝え方」# とはについて書きたいと思います。

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