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トシちゃんと聖子ちゃん 慎吾ちゃんと

でも、このキュンはもはや恋心ではなく、ただの想い出だ。時が過ぎるってそういうことだ。  『黄色いマンション 黒い猫』    スイッチパブリッシング
2016年

このシリーズのテーマはダンス系ソロアイドルだったのに、少年隊のニュースを受けてグループなのに前回前々回と熱く語ってしまった。なので軌道修正を試みたいのだけど、もうネタがない…。そこで、ダンスネタに限らず男性ソロアイドルについて思い立ったことを書き連ねようと思います。今回は、80年代当時噂になった or 仕立てられた「設定カップル」について。

shueisha, magazine h 1984

トシちゃんと聖子ちゃん、マッチと明菜ちゃん、これらが有名どころ。慎吾ちゃんとキョンキョン、晃司クンと…誰だっけ?(実際は某不思議系女優

上記、単なる話題作りもあればホントだったんだ…もありましたね。ダンス系男性ソロということで、ここでもトシちゃん慎吾ちゃんをフィーチャー。

☆彡

ハッとして グッときて パッと目覚める恋だから フッとした瞬間の 
君は天使さ 
 田原俊彦『ハッとして! Good』1980 作詞:宮下智

素肌にキラキラ珊瑚礁 二人っきりで流されてもいゝの あなたが好き!
松田聖子 『青い珊瑚礁』1980    作詞:三浦徳子

トシちゃんと聖子ちゃん…。口にするだけで80年代初頭に飛んでいけそう。1980年デビューつながりで、サンデーズつながりで、グリコつながりです。サンデーズではよくデュエットしてました。歌唱力の差がありすぎたけど、当時は気にならなかったなー。キラキラして若々しくて、ふたりを見てるとああ未来は明るいって思えた。このふたりが表現するパステル調の風景が当時の子供たちの夢だったのです。トシちゃんのファンからはこのカップリング、非難ごうごうだったけど。後世に「80年代前半とは」を伝えたかったらグリコのCMを見せればいいと思います。

glico  1983

だから、聖子ちゃんはGさんよ、と噂されたとき私は信じなかった。だってオジさんじゃん、って。なので、トシちゃんと聖子ちゃんが本物のカップルではなく将来結婚するわけでもないと知ったときは、子供心にショックでした。後年になって、トシちゃんがジョークで「実は付き合ってたもんね」とか「楽屋ではイチャイチャしてたしね」なんて言ってるけど、そんなふうにうまくいってほしかった。今となって思うに、聖子ちゃんは誰とでもいいから(というのは言い過ぎだけど)、早く結婚していったん仕事にケリをつけたかったんじゃないかな、と。あのペースでは人間らしい生活できなかっただろうし、5年が限界。となると相手はずっと年上の人がいいわけで、トシちゃんは聖子ちゃんにとって若すぎたんでしょう。トシちゃんも80年代前半は仕事に邁進していて、誰かと付き合うのは不可能な状況だったから。

小指で涙ふいて ほほえむ君が好きさ 二度とは会えないだろう 
移ろいゆく人生
  田原俊彦『さらば‥夏』1983 作詞:岩谷時子

私はもっと強いはずよ でもあふれて止まらぬ 涙はダイアモンド
松田聖子 『 瞳はダイアモンド』1983 作詞:松本隆

☆彡

でも…って口ぐせ 言うと尖った 君のくちびる 素敵だったね
風見慎吾  『僕笑っちゃいます』1983  作詞:欽ちゃんバンド+森雪之丞 

そして 風が見ているから 訳もなく大人びてくるの Hold me tight
小泉今日子  『半分少女』1983  作詞:橋本淳   

慎吾ちゃんとキョンキョンは事務所つながり。イベントなどのスケジュールがよく一緒になる上、近くに住んでいるからカップル扱いされました。キョンキョンの方が業界では先輩ですが、慎吾ちゃんには先端的文化に敏感に反応できる感性教養が備わっていたので、彼女は「音楽、映画、ファッション」において彼の影響を強く受けていました。洋楽やスプラッター映画の嗜好など。彼が好きな曲ばかりを集めたカセットを作ってくれたり、お薦めの映画のビデオを借りてきてくれたり。それらを「私の好み」と称してラジオや雑誌で紹介したりして。服だとUKパンクテイストやキッチュなアメカジ。慎吾ちゃんが私服や衣装で着ていたブランド追って着始めたり、同じイヤーカフやメタルバンドを付けたり。

そんな彼のコンサートをキョンキョンはよく観に行っていました。終演後に楽屋を訪れることも。

Head over heels when toe to toe This is the sound of my soul
見つめ合ったらもう首ったけ  僕の胸の奥で弾む想い 
(我流訳)
'True'  Spandau Ballet  『トゥルー』スパンダー・バレエ  1983
風見慎吾コンサート  EXPECTAION 1984    エンディング歌唱曲

FMからスパンダー・バレエの『トゥルー』が流れている。1983年のヒット曲は、2010年、44歳になった私の胸までキュンとさせる。  
小泉今日子 『黄色いマンション 黒い猫』 2016

☆彡

とにかく、当時のアイドルの恋愛には様々な障壁があったことでしょう。

「タレントって女の子と付き合うのにも制約があるでしょ。事務所の反対があったりとかファンがうるさいとか。」 風見慎吾 shueisha 1985

私の青春時代の恋はいつも秘密だった。こっそりとひっそりと温めるしかなかった。 小泉今日子 『黄色いマンション 黒い猫』 2016