福岡博多の屋台復活における戦略について(日本経済新聞社/Morning satellite May,2024)
規制強化や店主の高齢化などにより、件数が減少していた福岡博多の風物詩である屋台が再び盛り上がりを見せ始めている。復活の歩みについて解説する。
福岡の屋台は、1960年代に400軒以上あった。
しかし、歩道や公園の占有、ゴミ散乱により、警察の取り締まりや店主の高齢化により、2011年には、およそ150軒まで低下した。
2011年、福岡市長である高島氏より、屋台が福岡市から消えてしまって良いのか?と提唱があり、2013年に屋台条例を制定し、屋台を観光資源として生かすことを決めた。
浄水道を整備、屋台をはみだして飲むのは禁止、歩道を使える時間を明確にし、安心して楽しめるルールを作った。その上で、市は屋台を公募し、月30,000円ほどの家賃で意欲ある店に道いた。
5倍の競争を経て、潜り抜けた新規は40軒、屋台全体の4割を占める形となった。30代が主に占め、既存の屋台より20歳ほど若返る構造となった。
屋台を新規で開いた経営者は、一般的な飲食店を開くための初期費用や家賃が低コストで収まり、スタートアップとしては、やりやすいとコメント。
昔まで、屋台は最後の締めの一杯というポジションであったが、最初から屋台を目的で来る観光客が増加し、客数で5割増、単価で3割増となった。その結果、経済効果は104億円と、12年間で2倍となった。
他の地域は、屋台を規制する方向に動いており、福岡の屋台の希少価値が高まったと言う背景がある。有名な観光スポットが限られる福岡では、食を重要な観光資源として売り出そうとしており、今後屋台は鍵を握ることになるだろう。
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