【健忘録 21】

そろそろ時効だと思うので、書いてもいいかな?


冒頭の入りでは、病院の闇を曝露って雰囲気が強いだろうが、真逆である。


これは、めっちゃ心強い人物の物語。


私の個人情報じゃないので、匿名性を重視して控えめに書かせてもらおう。私と両親の背景が似ているこの人物と、結構色々話をした。


うちが親の母語のみ話していたのに対して、彼女は現地の言葉のみを両親と話して育っていた。しかし、お母さんの料理は母国のものだったそう。めっちゃ美味しそう!


色々と話した内容はこのくらいにして、本題に入る。


私は病棟で室内モニターに繋がっており、それは電波でナースステーションにも飛んでいた。画面には、心電図と酸素(SpO2)と呼吸数が表示されていた。


私は体調も良くない上、ナースコールが体調不良時に押せない体調のため、ボタン式のものではなくて、接触式のものに変えてもらっていた。手で押せないから、頭のおでこら辺でシルバーの接触部分に頭突きするという方法でナースコールを押した。

私の脈はしょっちゅう脈140を超えた。心強いことに、決まって彼女が直ぐに部屋に来てくれて、私が大丈夫かを確認してくれていたのだ。この、めっちゃモニター見てて、遠隔でもおかしいことに気がついてくれるというのは、とっても心強い。(そこまで「ヤバい」状況ではないと私が勝手に考えている時にアラームがなると、「あ💦脈下げないと」と思って瞑想を頑張るのだが…… )


ある時、それまではただ辛いだけで、直ぐ投薬する薬剤や処置をお願いしない場合には、ナースコールを押していなかった。一人で誰の目にも触れず、誰の耳にも入らず、苦しんで、後日医師との治療の話の際に事後報告していた。理由としては、過去に別の国にいた時には、問題は連日の回診で医師に自分の言葉で伝えるのが慣わしだったから。そして、それでも聞いてもらえたから。


苦しんでいるならば、何故痛み止めやら他の症状を抑える薬を投薬して欲しくなかったかというと、痛み止め(アセトアミノフェン)は肝臓に負担がかかるから飲みたくないし、医療用麻薬は依存性があるから控えたい。その場の痛みや苦しみよりも、臓器障害の方が私個人としては嫌だった。短期間の症状ならば、その場で急いで医学的介入をする必要性は本人の我慢しだい? すると、なにも処置や投薬をお願いするわけでもないのに、ただ苦しんでるだけの時に呼ぶのもなんだか申し訳ない…… こういう考えの元、症状が強いという理由だけでは誰も呼んでいなかった。


まぁ、だから脈が140強とか150強とかで、アラームが鳴っていたのだろう…… (全身状態も良くなく、自律神経も病理的に侵されている。ギラン・バレー症候群で自律神経も侵されるのは有名だろう。交感神経優位の際の洞性頻脈が、若年者では心房結節が健康でシグナルを心室に伝達してしまうから、「ただの頻脈」で血行動態に異常が出て、突然死することがあるのは有名だろう。)


しかし、ある時、あまりにも症状が長く続いていた。そして、結構間髪入れずに何度も何度も症状が襲ってきてしまった。このままでは、経験上酸素(SpO2)80代に下がり、場合にはよっては呼吸停止もあり得る。投与中の酸素流量を増やすか、NIVないし投薬が必要になるリスクもあり、その場合は最悪の事態の前に誰かに知らせる必要がある。同時に、とにかく苦しいので、とにかく緩和手段も欲しい。頭突きでナースコールで助けを認めた。(挿管はしないようにお願いしていたし辛いので、そんなひどい状態になる前に何か改善策を講じたいところ)


来てくれたのは、例のちょくちょく見に来てくれる(少なくとも私は仲間意識を持っている)優しい看護師さんだった。(優しいのは全員か😊)


聞き方は覚えていないが、優しく要件を聞いてくれた。


ただ、私も悶え苦しんでいるだけで、言葉が喋れない…… しかも、呼吸が侵されているから、唸り声などのサインも発していなかった。動けないから、身体も危機感を煽る動きがないのだろう。


彼女が、あり得そうな要件を聞いてくれる。

〇〇? と聞き、私が首を横に振る。

〇〇? と聞き、私が首を横に振る。

そうこうしているうちに、室内のアラームが鳴り響く。


先ずは、脈が上がる。
苦しい時ほど、酸素の節約でなるべく瞑想をして、脳も身体も気休め程度だとしても、酸素消費が減るように心がける癖がある。
しかし、そんな気休め程度の酸素節約では、どうにもならない状況になっていると、CO2も溜まって流石に苦しさに耐えかねて、色々な生体反応が追加されてくる。
その際、先ず最初に現れるのが頻脈だ。


モニターを見る彼女。


何かして欲しいのではなく、体調不良でのナースコールだと気がついてくれる。


こちらに振り返った表情は歪んでいる。 その後も、色々聞いてくれたんじゃないかと思う(ちょっと記憶が不確か)


ただ、口パクは通じなかったっぽい。


心の中では、めちゃくちゃ苦しいから、「アラームよ、さっさとこれを彼女に知らせてくれ」と思うが、頻脈よりも体感的には大分遅れて酸素(SpO2)低下のアラームが鳴る。アラームが鳴った瞬間から、崖を降るように下降し始める。彼女は青ざめた様子で、「できることがないから」とつぶやき、部屋を退室してしまった。(OMG…… 酸素〜〜〜…… でも、ま、そうだよね……)


しかし、状況を把握していた彼女は、主治医を呼びに行ってくれていた。部屋に来た主治医が「いつからどれくらいの頻度でこういう状況?」と尋ねた。


私が「日の大半」(口パク??)と答えると、少し先に予定されていた原疾患の治療が前倒しになった。この日になるべく早く投薬開始に決まった。


24時間の酸素吸入も開始されたのがこの時からか、普段の流量を上げたのがこの時かは覚えていない。


とにかく、色々と医師に口頭で説明しても伝わっていなかったことが、ちょくちょく気にかけてくれていたこの看護師さんの伝達によって、ダダダっと前進してくれた。


この時、看護師の状況伝達は凄まじい威力があるのだと知った。(あるいは、患者個人の発言の無さを知ったのかもしれない…… 患者という立場での発言がいかに説得力も重みもないこともあると、自分の無力さも知ったのかもしれない。いずれにせよ、周囲の説得力の強さと心強さを知った……)


同時に、私が投薬や処置を望んだり、その存在に気が付かずとも、「辛い」という実態を伝えることの重要性も知ったのだろう。同時に、病気も犯罪者同様、現行犯逮捕が一番有力だ。


事後報告は「患者の自称」として無視されるだけでも、スタッフの目撃情報は信憑性が高いものとして扱われる。


即ち、良くなりたいならば、醜態と思わずに色々露呈して、対応してもらうのが一番なのかもしれない。(なんという難題😭)だからこそ、患者自身の伝達に関わらず観ていてくれるというのは、とても心強い。こういうことが、患者の命を救うと言っても過言ではないだろう。


実は、病院にはこのようにめっちゃ心強い味方が多々いる。
自分でも気がつかないような些細な変化も観察している別のエピソードも沢山ある。これらは、また別の話で。


今を大切に生きよう!

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