推し語りまとめ・前編
0.はじめに
今回のnoteは今まで語ってきた特定の作家について書いたnoteを総括したnoteになります。
アーサー・C・クラークについて
トム・クランシーについて
那須正幹氏について
マイクル・ムアコックについて
ゆうきまさみ先生とコミック版「機動警察パトレイバー」とついて
細音啓先生と「氷結鏡界のエデン」について
1.取り上げた六名から得られたこと
ここで挙げた六名の作品については、いずれの場合も、作品を読んで「楽しかった、面白かった」以上のことが得られ、考え方や価値観において転機となったという意味で私にとって重要な作品であったと考えられます。本を読んでいると、このような本に出会うことができますが、このことが、私にとっての本を読む楽しみの一つになっていると思います。それぞれの作家から得られたことは以下の通りです。
アーサー・C・クラーク:圧倒的な想像力(と創造力)。新しい技術をベースに自身の圧倒的な想像力で読者に未来像を提示する力(「楽園の泉」・「宇宙への序曲」など。なお、「宇宙への序曲」は1951年に出版されましたが、実際に人類が月面を目指した事業であるアポロ計画を始めたのは1961年であり、人類が最初に月面に着陸したアポロ11号は1969年に発射されていたので、かなり時代に先駆けた小説であったことは付記しておきます)。大きなテーマ(人類の進化を扱った「幼年期の終わり」など)を書き切る能力。また、「楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想」において、1930年・1940年のアメリカの中心としたSFの雰囲気を知ることが出来ました(アメリカにおいて、1940年代はSFの黄金時代だったと言われるそうです)
トム・クランシー:諜報活動、安全保障への興味を抱いたり、リテラシーを身につけることが出来るようになりました。
那須正幹先生:小説の題材として様々なことを扱っていたことから、あらゆることへの興味を持つきっかけ。六人の中では最初に触れたことから、小説好きの原点にあたる作家だと思います。
マイクル・ムアコック:0か1かで考えない考え方(マイクル・ムアコックの「永遠の戦士」では法(ロウ)と混沌(カオス)という概念が出てきますが、法は絶対善として書かれておらず、混沌も絶対悪として書かれませんでした)
ゆうきまさみ先生:オペレーティングシステム、ソフトウェアへの興味(オペレーティングシステムに関しては、1作目の映画で大きく書かれましたが、コミック版でも重要な要素として書かれていました)、メディアミックス(機動警察パトレイバーでは、漫画の他にOVA、映画、アニメ、小説、ゲーム等への展開がありました)に対する私自身の考え方への基礎を担った作品です。
細音啓先生:not for me
この六人の中であえて一人を挙げるとすると、時系列で最初に触れた那須正幹先生だと思います。
2.これから読書を始めたい人に向けて
この項は、読書を初めてみたいと言う方に向けた、私の読書の経験から考えた、アドバイスのようなものです。
自分に合った本から始める:自分に合わない本だと挫折が生じる可能性あります。最初は自分が読みやすく、最後まで読める作品から始めるのは良い手段だと思います。昨今の作品ではメディアミックスをしている作品もあるので、自分の好きな作品のノベライズやコミカライズされているのであれば、そのような作品から始めるのも良いと思います。
近所の図書館や学校の図書室を利用する:無料で試し読みができるので、自分に合っているかどうかの確認がしやすいので、最初の取りかかりとしておすすめです。しかし、出来れば借りるだけで済ませるのではなく、新刊(電子書籍含む)を買い、本の作者に利益が還元されるようにするのがお勧めです(なお、「利益の還元」という観点から言うと、この話は書籍に限った話ではありません。余談で話題にしている"メタバース"に当てはめて「利益の還元」するということは、投げ銭をしたり、アバターなどの作成物の購入という行為が該当すると思われます)。
色々な本を読む:特定のジャンルや作家、作品の新しい古いにこだわらず、広く読むということはお勧めします。広く読むことで視野が広がり、視野の偏りがなくなるという効果があります。ただし、古い本に関しては、絶版になっているケースがあることと、一気に読むのは大変ですので、時間をかけてじっくりと読み進めることをお勧めします。
「自分の好き」と「他人の好き」のどちらも尊重する:本自体と言うより、どちらかというとX(旧Twitter)を含めたSNSに関わる内容です。X(旧Twitter)を含めたSNS等で、他の方が自身が読んだ本をおすすめとしてポストされるケースがあります(私はこの方法で勧められた本を読むケースが増えています)この方法で勧められた本の場合、自分に合うケースもありますが、逆に合わないこともあります(これは立場を変えると、自分が勧めた本が他の人に合わないこともあり得る、ということにもなります)。重要なのは、そのような事態は普通にあり得る事態なので、気を悪くすることなく、受け入れることは必要だと思います。
X(旧Twitter)の良い点でもあり、悪い点でもありますが、ポストのハードルが低いため、肯定的な感想はもちろんですが、否定的な感想のハードルも低くなります。ここで注意しないといけないのは、前者は問題ないと思いますが、後者は炎上の危険性があります。そして、炎上が起点になって、ポストした人や作品の著者の人格攻撃に発展しかねないリスクがあります(さらに状況が発展し、裁判沙汰になる可能性もあると思います)。そのような結果になることはあまり望ましいことではないと考えます。私が考える一番良い方法は「X(旧Twitter)等で否定的な感想を言わない」だと思います。細音啓先生について触れたnoteでも触れましたが、作品が自分と合わない理由として、「その作品は自分にとっての"not for me"だったから」で片付けられるケースである場合もあり得ますし、そもそも作品の作者が「あなたの作品は私には合いません」と言われて嬉しいかどうか?という話にもなります。そして、合わないという話をわざわざ不特定多数の目に触れるX(旧Twitter)にポストすることはデメリットの方が大きいと思います。
3.本noteの後編
本noteの話題として考えていた内容がありますが、本noteの主旨から外れるので、分割して後編として公開することにしました。
推し語りまとめ・後編(応用編) 「メタバース」題材にした本を例にした本の選び方について
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