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メンタルを整える「片付け」

背景と著書紹介

 こんにちは、いくら軍艦です。精神科専門看護師として勤務していましたが、第2子妊娠中の経過で胎盤に異常が見つかり、散歩・家事可の自宅安静となってしまいました。仕事場に行かなくなってからもうすぐ3週間が経とうとしてます。日中は一人で療養・・・孤独ですねえ
 今回はいくら軍艦が考える「片付け」について書いていきます。これまで、生活に余裕がないときは部屋の中を荒らしたまま生きてきました。看護師になってから片付ける暇がなく看護寮の自室をめちゃくちゃに散らかしたまま生活し管理者に怒られたこともある筋金入りの「片付け」苦手人間です。無論、最近も仕事・家事・育児に追われており育児スペース以外は家の中はめちゃくちゃです。
 数年前出会った「片付け」のバイブル、人生がときめく片付けの魔法/近藤麻理恵を拝読し、近藤先生が指導する「片付け祭り」は引っ越しや産休などライフイベントのさなかで実施してきました。「片付け祭り」を実施したときほど部屋の中が蘇る体験はありません。しかし、「きちんとモノを元の場所に戻す」「買ってきたものの場所を決める」というのを生活に余裕がないときにしてこなかったがために、リバウンド(ここでは再びモノが散らかることを指します)を繰り返してきました。
 そこで、家での時間ができたこの機会に、また家の「片付け」に踏み切りたいと思いました。そして子どもにも「片付け」を教えて、将来片付いた家で充実した生活を送ってもらいたい願いもあります。

「環境を整える」は看護の基本

 本の内容を紹介する前に、私の専門である看護と「片付け」の関係性について少し触れておきます。自分の周りのものを片付けて整理する、「環境整備」と同じような意味合いです。元祖ナイチンゲール先生が戦争で負傷した兵士を看護する際にまずはじめに行ったことがまさにこの「環境を整える」ことだったといいます。シーツや寝衣などリネンを洗い、空気を入れ替え、温かい食事を提供し、夜中は眠れない兵士のためにラウンドを行う充実した医療や薬剤がない状況でも死亡率を激減させたのはまさに環境が整えられたことによる効果だったのだと思います。
 普通に暮らしている私達も環境による影響は非常に大きく、天候や部屋の状態、一緒にいる人によっても心境は激しく変化をしています。看護師であれば当然病院での実習を経験していますが、「多忙な中で学ばせていただいている」低姿勢を保たねばならない、「いつ何を指導者から指摘されるかわからない」緊張感の中で実習をします。休息をとり、同期の学生しかいない空間でホッと一息つく時間がなければ、息が詰まってしまいそうですね。
 メンタル疾患に罹患してしまった人には、より周りの環境を整えることが必要となってきます。心が弱っているときに、よりストレスな環境にい続けることが、かえって病状を悪くしてしまうからです。家族と不和がある場合は、家族と距離をとるために入院をすすめることもありますし、一人の環境が孤独な場合は実家に帰ってもらい療養をすすめることもあります。
 今回はそんな話題よりもっと身近な話題ですが、一緒に暮らす生活用品、部屋の環境によって思ったより私達は影響を受けているんです。つまり、自分の周りを自分の好きなものだけ構成し、整える「片付け」は心身を整えるために非常に有効と考えます。私は、近藤先生の指導する「片付け」を精神的に不調をきたしている人には特に推奨します。
 人に推奨する前に自分を見つめ直さなければならないんで、これから頑張るんですけどね(笑)

「祭り」と呼ぶ意味

 部屋の中はぐちゃぐちゃでどこから手を付けていいかわからない状態で、なにが「祭り」だ?と私は思いましたけれど、近藤先生が「祭り」と呼ぶのには背景がありました。祭りとは日常的に行われるものではありません。1年に1~2回、祭りの頻度で行われるものだと近藤先生は示唆しています。

「片付けには2種類あります。日常の片付けと祭りの片付けです。日常の片付けとは単純にモノを使ったら元の場所に戻すこと。(中略)私がこの本を通してお伝えしたいのは祭りの片付けを一日でも早く終わらせてほしいということです」p.46

「驚かれるかもしれませんが、私は自分の部屋の片付けを全くしていません。なぜならすでに片付いているからです。」p.49

「清らかな空気が流れる静かな空間で、温かいハーブティーをカップに注ぎながら、今日一日を振り返る至福の時間。周りを見渡すと壁には海外で買ったお気に入りの絵がかかっていて、部屋の住みにはお花が生けてあります。そんなに広くはなくても心がときめくモノしか置かれていない部屋で過ごす生活は、私をとっても幸せな気持ちにしてくれます」p.50

 私も片付けに追われ、何がどこにあるのかわからず探す時間を費やす生活におさらばしたい。片付け祭りに踏み切るのにはこんな動機もあります。自分のモノと対話し、心がときめくかどうかを見極める、近藤先生にとってはワクワクした時間のようで、そんな背景もあり「祭り」と記載したのかなあとも思いますね。お祭りってなんだかワクワクしますよね。

順番とときめく生活づくり

 この著書のすごいところは、ちゃんと手順が書いてあります。私のこれまでの片付けでは、部屋の端っこから片付けるとか、一日一個物を捨てるとかで、片付けが長期化し挫折するのがありがちなパターンだったんですが、手順が書いてあるとその通りにやればいいからありがたい。

①「モノ別」に片付ける、まずは捨てるを終わらせる
②ものの定位置を決める

 大きく分けてはこんなかんじ。近藤先生が大切だと強調しているのは「モノ別」というところと「まずは捨てる」ということです。

「多くの人が片付けられない一番の原因は、モノが多いから。モノが増え続ける一番の原因は、自分が持っているものの量を把握していないから。もっているものの量を把握できないのは、収納場所が分散してしまっているから。収納場所が分散している今の状態のまま、相変わらず場所別に片付けをしていても、永久に片付けは終わりません」p.41

 カテゴリーごとに持っている量を把握することの大切さを教えられました。これからは自分が管理できる量を持つようにしたいです。

「モノと向き合うこと」と「ときめき」

 モノを捨てるときには「もったいない」という気持ちが必ず邪魔してきます。私の場合、昔から両親に「これはまだ使えるからもったいないでしょ」と言われながら育ったため、自分の持ち物を捨てることに抵抗がありました。近藤先生は「触った瞬間にときめきを感じるかどうかで判断する」「片付けとはモノを通して自分と対話する作業である」と示唆しています。

「心がときめかない服を着て、幸せでしょうか。積ん読したままの、心がときめかない本に囲まれていて、幸せを感じますか。決して身につけることはないとわかっているアクセサリーを持っていて、幸せな瞬間が訪れるでしょうか。」p.63

「心がときめくモノだけを残す。後は全部思い切って捨ててみる。するとその瞬間から、これまでの人生がリセットされ、新たな人生がスタートするのです」p.64

 自分の周りに置くモノを決めていくことで環境を整えていくことだと思いました。人が環境によって受ける影響を考えても、心がときめくモノ以外捨てることは、人生をリセットすることに値する行為だと私も思います。

著書の感想

 モノを捨てるための本や、ミニマリストの著書など、人によっては役に立つ内容だと思いますが、そうはいっても生活をしていく上でモノは必要です。モノと向き合う姿勢から、片付けの手順、収納のコツまで、先生自身の体験から一番良い方法を推奨してくださる本は他にないと思います。
 モノを捨てきって、ときめく生活について考えている人向けには2も出てます。人生がときめく片付けの魔法2/近藤麻理恵

 あと私が毎回評価の対象にしているのが誰でもできるかどうかですが、こちらも問題なく誰にでもできるくらい詳細に手順が書かれた書籍になってます。誰にもできないような突飛した内容だとする前から諦めてしまうので、大切ですよね。
 急に時間ができたかた、引越し前にモノを減らしたい方、身の回りが散らかっていてどうにも落ち着かない方におすすめの書籍となってます。私は人生において必読だと思っています。

TODOと評価

2月3週 衣類の片付け
2月4週~3月1週 本の片付け
3月2週~3月3週 小物類の片付け
3月4週 思い出品の片付け

4月に評価

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