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【読書感想】日常のSNS生活と、ハッピー気分 

メーテルリンクの青い鳥は、子供の頃、絵本で読んだことがある人も多いかもしれません。

チルチルとミチルという兄妹が、幸せの青い鳥を求めて、さまざまな国を旅するお話です。その中の一つに、ふとった幸福のいる国を訪れます。

その国の人は、おいしいものを好きなだけ、たくさん食べていました。チルチルとミチルがやって来ると、こっちに来て一緒に食べましょう、と誘います。しかし、チルチルたちは『ここに幸せの青い鳥はいない』と、その世界から立ち去ります。

食べ盛りの子供だった私は、当時、この場面を読んで「どうして、ご飯がいっぱい食べられることが、幸せじゃないんだろう?」と、ずっと疑問に思っていました。

物語の最後は、目を覚ますと母親のいる家庭に戻ってきていて、二人は本当の幸せは日常の中にあるのだ、という結論に至った。というお話しでした。

子供ながらに、ストーリーの最後の「幸せ」も、たしかに納得はいくけれど、どうしても、途中の国の、食べ物がたくさんある国から出て行ってしまったことも、「もったいないな」と思っていました。

この青い鳥について書こうと思ったのは、近年の心理学では「人の『幸せ』って、何だろう?」ということに関心が高まっているからです。
タイトルでは、ハッピー気分という軽い表現を使いましたが、心理学では、『主観的幸福感』や『ウェルビーイング』などの用語で研究されています。

幸せの種類

幸せの種類を考えた時、ヘドニックな幸福とユーダイモニックな幸福の2つを挙げることができます。

ヘドニックというのは、快楽的な、身体感覚の幸福という意味合いです。

上記の青い鳥に出てきた、食べ物がある幸せ、というのは、このヘドニックな幸福にあたるかと思います。子供の頃の私が、ずっとモヤモヤしていたのは、確かにこれも、幸福の一つの種類だったからだと思います。

一方、ユーダイモニックな幸福、というのは、人生の充実感や、他の人との繋がりを感じるなどに関連した幸福感のことを指します。

このヘドニックな幸福とユーダイモニックな幸福は、さまざまに研究がされていて、どちらも人のより良い状態(ウェルビーイング)には、大切な要素として指摘されています。ただし、ヘドニック(快楽)100、ユーダイモニック0のような状態だと、その人の幸福感は、最大化はされないとも考えられ、両者のバランスも大切なようです。

日常の中の、青い鳥とSNS

現代社会の生活で、人がハッピーな気分でいるには、どうしたらいいのか、という視点で、SNSの利用が注目されています。

よく、「SNS疲れ」など、ネガティブな側面も注目されたりしていますが、
これには、「他の人と比べる」傾向が強い人が、インスタなど他の人の、
キラキラしているところを見ると、確かに気持ちが落ち込むという現象はあるようです。

ただし、SNSでどのようなコンテンツを見るか?によって、生活に良い影響を与えてくれるのではないか?と、いう意見も見られます。

例えば、雄大な大自然の動画や、感動ストーリーなどを見ると、リラックスしたり、ユーダイモニックな気持ちが高まったりするそうです。

これを日常に当てはめた実験として、仕事の合間にSNSをしてもらった人は、リラックスしたり、やる気が増えるなど良い効果が見られました。

仕事中にSNSというのは、サボっている、など、あまり褒められない職場もあるかもしれませんが、面白い結果だったのでシェアしてみました。

日常の中で、ホッとする時間を作ったり、人生について考えてみたりするなど、さまざまなことが、ハッピーな気分と繋がっているようです。

カウンセリングでも、個人の幸せについて見つけるお手伝いが出来れば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

カウンセラー:SATOMI
編集:メザニン広報室

<引用>
表紙は版元ドットコム様よりお借りしています。

<参考文献>



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