ゆゆ@優和

好きなことにまっすぐ。好きなんだもん。外野は黙っとけ。 たまに小説書きます。ただの妄想…

ゆゆ@優和

好きなことにまっすぐ。好きなんだもん。外野は黙っとけ。 たまに小説書きます。ただの妄想です。 イケメンは世界を救う。ジャニーズは私を救う。

記事一覧

Pentas(non-no渡辺編)④

次の週末。私の足は渡辺さんのお店に向かっていた。かなり浮き足立っている。 「こんにちは」 来慣れた店の、いつもの作業台の奥にいた渡辺さんが振り向いて笑顔を見せた。…

ゆゆ@優和
3年前

Pentas(non-no渡辺)③

好きかもしれない、とは思っていた。もう随分前から。まだ彼のことは何も知らない。彼も私のことは何も知らない。私にはここから先に踏み込む勇気はなかった。 また、変わ…

ゆゆ@優和
3年前
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Pentas(non-no渡辺編)②

「これ、さっきのブーケには入ってませんでしたよね?」 「あ、ガーベラですか?そう。ちょうどいいのがあったので」と彼は笑った。私は受け取ったそのブーケをじっと見つ…

ゆゆ@優和
3年前

Pentas(non-no渡辺編)①

朝早く、いつもなら通らない時間帯に最寄り駅に向かって歩く私はふと足を止めた。最寄駅のそばにある小さな花屋さんが開店前の準備をしていた。そうか、花屋さんって朝早く…

ゆゆ@優和
3年前

好きでなにが悪い!

とりあえず、今回は私自身の話をしようと思う。 今年で30歳になる保育士。女。独身。広島出身。実家暮らし。 短大を出てから保育士として働き、今年で9年目になる。卒業…

ゆゆ@優和
3年前
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Pentas(non-no渡辺編)④

Pentas(non-no渡辺編)④

次の週末。私の足は渡辺さんのお店に向かっていた。かなり浮き足立っている。

「こんにちは」

来慣れた店の、いつもの作業台の奥にいた渡辺さんが振り向いて笑顔を見せた。

「いらっしゃい、来るの待ってた」

「え?」

「もうすぐ店閉めるから、ちょっとまってて」

「・・・うん・・・?わかった」

気づけばお互いに敬語が外れ、フランクに話すようになっている。彼が片付けるのを、花たちを見ながら待つ。今

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Pentas(non-no渡辺)③

Pentas(non-no渡辺)③

好きかもしれない、とは思っていた。もう随分前から。まだ彼のことは何も知らない。彼も私のことは何も知らない。私にはここから先に踏み込む勇気はなかった。

また、変わらず店の前を通る。すると作業台には先日見た大きな花器に、美しい花たちが輝いていた。うわぁ、と思わず声が漏れた。その大きなアレンジメントの前にいた彼は、難しい表情をしていた。思わず声をかけてしまった。

「凄いです」

うわっ!と彼は大きな

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Pentas(non-no渡辺編)②

Pentas(non-no渡辺編)②

「これ、さっきのブーケには入ってませんでしたよね?」

「あ、ガーベラですか?そう。ちょうどいいのがあったので」と彼は笑った。私は受け取ったそのブーケをじっと見つめた。

「本当にもらっていいんですか?」彼の顔を見ると、優しい表情でうなづいている。

「・・・ありがとうございます」かわいく包装されたミニブーケを手に、私は席を立った。「次はちゃんと買いに来ますね」と言うと彼はもっと優しい表情で微笑ん

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Pentas(non-no渡辺編)①

Pentas(non-no渡辺編)①

朝早く、いつもなら通らない時間帯に最寄り駅に向かって歩く私はふと足を止めた。最寄駅のそばにある小さな花屋さんが開店前の準備をしていた。そうか、花屋さんって朝早くからお仕事が始まるんだよなぁ、と自分の今の忙しさと重ねてしまった。毎日こんな時間から働く花屋のお兄さんの後ろ姿を遠目から見て、私は少しだけ元気をもらった。なぜ私がこの日、いつもと違う時間にそこにいたかと言うと、この日から新しいプロジェクトが

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好きでなにが悪い!

好きでなにが悪い!

とりあえず、今回は私自身の話をしようと思う。

今年で30歳になる保育士。女。独身。広島出身。実家暮らし。

短大を出てから保育士として働き、今年で9年目になる。卒業後すぐ務めた幼稚園ではうまく馴染めず10か月で辞めた。家族経営の幼稚園で、特殊な空気が流れていた。評価は上司の好き嫌いによって決められるような場所だった。退職してからは半年ニート、そして公立の保育所でまた勤め始めた。そして今に至る。

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