見出し画像

『井賀論。』 vol.4 “すべての体験を写真にしろ”

ROUND4 人生そのものが写真の題材

いやあ。あの頃はつらかった。暗黒の20代だった。先はまるで見えず、お金もない。といってプロの写真家になると決めたから(ただ決めただけだ。当てはない)就職をせず、弁当屋、トラック運転手、倉庫での仕分け作業など、いくつかのバイトを経験した結果、最終的に落ち着いたのは「荷揚げ屋」という、建設中の工事現場でユニットバスや、トイレ、キッチンシンク、壁となる石膏ボードなどの資材を各フロア、場合によっては各部屋に運びあげる力仕事だった。日給1万円。月曜から土曜までの週6日、仕事があれば残業も厭わずやっていた。

ここから先は

587字 / 29画像

¥ 130

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

頂いたご支援は取材費に充てさせていただきます。その体験を写真や文章を通じ、みなさまにフィードバックできたらなと考えます。