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【天才】映画『Winny』(松本優作監督)で知った、金子勇の凄さと著作権法侵害事件の真相(ビットコインのサトシ・ナカモト説も)

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天才プログラマー・金子勇の闘いを描き出す映画『Winny』は、現代社会を生きる私たちが真剣に考えなければならないテーマに溢れた傑作

とても良い映画だった。

私は「実話を基にした洋画」をかなり観ている。何故わざわざ「洋画」と書いたかというと、邦画ではあまりこの種の映画が多くない印象があるからだ。本作『Winny』や、あるいは最近観た『福田村事件』(森達也監督)など、まったく無いわけではないが、やはり少ないと思う。もちろん、「闘病」や「スポーツ」など「感動系」の物語には実話ベースのものが多いと思うが、洋画でよくある「社会正義を実現した」「劣悪な事件が起こった」みたいな事実が映画化されることは少ないだろう。

そういう意味で映画『Winny』は、私が普段から観ているような「実話を基にした洋画」に近い印象のある作品だった。個人的には、このようなタイプの邦画が増えてほしいと思うのだが、やはり残念ながら、あまり需要がないんだろうなぁ、と思う。

さて、あと1点、先に伝えておきたいことがある。それは、「興味のあるなしに拘らず、こういう映画は観ておいた方がいい」ということだ。「こういう映画」というのは、「冤罪(やそれに類する状況)を扱った作品」という意味である。

別に本でもネット記事でもなんでもいいのだが、「逮捕された場合、どのような状況に置かれるのか」という知識は持っておいた方がいいと私は思う。もちろん、「何もしていない自分が逮捕されるわけがない」と考えるのは当然だが、しかし、これまで本や映画で様々な実話に触れてきた私は、「なんてことないきっかけで、無実の人間が逮捕されてしまうことがある」と理解している。「何もしていないんだから、ちゃんと話せば刑事さんも分かってくれるよ」なんて考えは甘い。現実は、そうあっさりとは進まないのである。

万が一にも逮捕されてしまった場合、「ググって情報を検索する」ことなどまず不可能だ。確かに現代においては、調べれば何でも分かるし、知識を覚えておく必要はないかもしれない(私はそうは思わないが)。ただ、逮捕された場合など、検索が不可能な状況も一定数存在する。

うっかり「犯罪者」の烙印を押されずに済むように、「警察はどんな手段を講じてくるのか」「裁判は何を目的とする場で、どのように進行するのか」などの知識は、それなりに持っておいた方がいいと思う。

そういう意味でも、本作『Winny』は観た方がいい作品と言えるだろう。

金子勇=サトシ・ナカモト説について

さて、まずは映画の内容とはほぼ関係のない話から始めよう。以前テレビ番組で知った知識であり、これから書く話は、映画『Winny』の中で語られるものではない。ただ、まったく無関係というわけでもないだろう。というのも私は、『Winny』を観たお陰で、これから紹介するある「仮説」の信憑性がさらに高まったと感じたからだ。

さて、その「仮説」とは、「『ビットコインを生み出したサトシ・ナカモト』は実は、『Winnyを生み出した金子勇』なのではないか」というものである。ちなみに、「ビットコイン」「Winny」が何か分からない方はネットで調べてほしい。以下に私が調べたリンクを貼っておく。

「ビットコイン」も「Winny」も、「よほどの天才にしか作れない」と言われる、生み出された当時はあまりにも画期的だった技術である。しかし、「Winny」の作者は金子勇と分かっているものの、「ビットコイン」の作者は未だに不明だ。ネット上で「サトシ・ナカモト」と名乗っていたため、その名で知られているが、日本人なのかどうかも含めて、一切の正体が分かっていない。

そして、そんな金子勇とサトシ・ナカモトが同一人物かもしれないという仮説が存在するのだ。「ネット上の履歴で確認できるサトシ・ナカモトの年表」と「金子勇の年表」を突き合わせてみると、そこに相当の整合性が存在するというのである。確かに、よほどの天才でなければ作れない技術なのだから、同じ人物が作ったと考える方が合理的かもしれない。ただ、その仮説を紹介するテレビ番組を観た時はまだ、私は半信半疑だった。「都合の良い情報を上手く繋ぎ合わせただけだろう」と考えていたからだ。

しかし、映画『Winny』を観て、「金子勇=サトシ・ナカモト」説の信憑性が高まったと感じた。

私が抱いていた疑問の1つは、「何故サトシ・ナカモトは正体を現さないのか」である。別に、犯罪行為に加担したわけでもなく、というか、世界を激変させる素晴らしい発明を成し遂げたのだから、身元を伏せる必要などまったくない。「世間に広く知られたくない」という気持ちは理解できるが、そうだとしても、例えばバンクシーのように、「世間一般には正体が知られていないが、協力者や仲間など、その正体を知る一定の関係者がいる」という状態を作り出すことはさほど難しくなかったと思う。

また、サトシ・ナカモトはビットコインの生みの親なので、もちろん「ビットコインの世界最大の保有者」でもある。しかし、彼が保有するビットコインは、これまで一度も動かされたことがないというのだ。彼が保有するビットコインの価値は、天文学的なものになっている。お金にまったく興味がないだけかもしれないが、それにしたって基金を作るとか寄付するとか何か使い道ぐらいあるだろう。

このような点に説明が付かないと、仮説にはなかなか説得力が生まれないと思う。

しかし、金子勇には実は、上述の違和感を説明できる状況が存在したのだ。

彼は「Winny」を作ったことを契機に逮捕されてしまうのだが、後に保釈されている。しかしその保釈条件として、「プログラム開発の禁止」が盛り込まれた。つまり、もしも新たなプログラムを開発していることが発覚すれば、刑務所に逆戻りとなるのである。映画『Winny』で描かれていた金子勇は、とにかく「プログラムさえ出来れば、他のことはどうでもいい」という人物だったので、そんな彼が「プログラム開発」を禁じられたのだから、相当の痛手だっただろう。

さて、金子勇が保釈期間中にこっそりプログラム開発をしていたのかどうか、もちろんそれは分からない。しかしもししていたとしても、「金子勇が作った」と大っぴらには言えないのだだとすれば、別人の名前で発表し、「金子勇が作ったわけではない」という見せ方にしようとするのは当然の判断と言えるだろう。

また金子勇は、42歳という若さで亡くなっている。「プログラム開発の禁止」が解かれてから半年後ぐらいのことだった。ビットコインは、そのあまりに堅牢なシステム故、本人以外にアクセスすることは不可能だ。とすれば、サトシ・ナカモトのビットコインが動かされていないのは、既に亡くなっているからだとも考えられるのではないか。またその事実は、現在に至るまで「サトシ・ナカモト」の正体が明らかになっていない理由にも通ずると言えるだろう。

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