【第6回:リモートワーク、どう?】Lunch Time DJ!「起業×子育て×クラウド」 (2021.05.12配信)
税理士、中小企業診断士、社労士でお送りする情報ラジオLunch Time DJがスタートしました!以前よりクラウド環境下でのオンライン対応を中心としてきた3人で、「起業×子育て×クラウド」をテーマに、今話題になっていることや事例をゆるっとトークしちゃいます。
第6回リモートワーク、どう?
第6回では、1回目の緊急事態宣言から一年経ってのリモートワーク事情や、税理士・社労士のそれぞれのクラウド利用のお悩みなど、ゆるっとトークしました!
身近なコロナ
金子「コロナ流行からもう一年以上になりますが、この状況下での子育てとかどうですか?うちは妻の職場で続々と陽性者が出ていまして……妻の部署は全員今週いっぱい自宅待機になってるんです。」
田中「金子さんの住んでる愛知は緊急事態宣言今日から(5月12日)ですもんね」
金子「ちょっと本格的にヤバイ感じになってきています」
田中「大阪はすごい大変みたいですが、周りにコロナ陽性者はいなく、あまり実感がなくて。大人しくはしてるんですけど。出勤はものすごい人数が電車に乗ってるので、周りが思ってるよりも普通に動いてます」
金子「首都圏もなかなかじゃないですか」
飯塚「結構コロナに感染したって声は聞いていまして、圧倒的に東京の方が多いですけど、やっぱりいますね」
コロナと子育て
田中「(奥さんが自宅待機で)保育園行けないから今は二人で見てるんですか?」
金子「二人で見るかどうするかを家族会議をしたんですけど、もし奥さんが職場でもらっていたら家族全滅するので、実は今日から私が事務所に泊まり込むという、家庭内でも拠点を分けて隔離する状況になりました」
飯塚「うちもそうなると思います。どちらかが濃厚接触者になってしまったら、どちらかがうちの事務所で生活する。子どもたちをどうするかですよね。預けられないし、人を呼べないし」
田中「起業×子育て×クラウドで避けられないテーマですよね」
金子「僕の場合は事務所自体基本的には一人でやっているのと、お客さんとのやり取りもリモートがほとんどで、人と接触をすることがなかったんですけど、妻の職場の場合は毎日通勤してましたし、客先に出ていく人も結構います。東京都も7割リモートワークに、とは言ってますが、周りの環境を見るとどこまで進むんだろうなという気はしましたね」
”7割リモートワーク”はどうなった?
田中「東京はリモートも進んでるイメージがあったんですけど、大阪や地方はリモートに意識がそこまで向いてないのかなぁと思ってまして。どうですか?」
飯塚「私自身リモートでしか対応しない方針で、訪問の場合は別料金ですよと言ってるので、基本的に訪問してほしいというお客さんは少ないですね。皆さんの状況を聞いてみると、在宅勤務できる業種はほとんど在宅勤務になってます」
金子「僕の周りでも比較的若手の経営者の方が多いので、柔軟に対応してますね。クライアントさんで公共施設の管理を請け負ってるところとかは、施設が開いてる限りは誰かが管理しないといけないので、最低限現場に行く人員は必要だったりはします。バックオフィス系の部分は僕とのやり取り含めてオンラインで完結するんですけど、7割リモートワークに移行させると現場が回らなくなるので、仕事の性質上不可能なところはあります」
田中「清掃業等はやりたくてもできない、という心情を抑えてあげないといけないと思いますね」
金子「物理的に無理な仕事はどうしてもあると思うので、極力人を減らすのであればできるところをリモート化していくしかないと思います。周りの話を聞いていても、コロナから1年以上経って、進んだ会社と進んでない会社がきっぱり分かれるイメージはありますね」
金子「セキュリティーの面で情報系の部署が逆に歯止めをかけちゃう会社もあったり。あとは外出先で繋ぐようなWi-Fiが全員に配られるわけじゃないので、一人暮らしだと回線繋いでおらず、ネット環境が無い人も」
田中「非常勤でコーディネーターしているところも、セキュリティーの部署が社内サーバーにしかファイルを置くな、と。一定の書類以上は社内でしか取れないというのはありますね」
金子「社内サーバーにしか置いてなければ基本は持ち出しようないですもんね。Googleドライブとかだと閲覧制限の権限を設定ミスして見える状態になってしまうことはあり得るので、そのあたりは社員の方のリテラシー含めてその会社がどう考えるかっていうのは必要かもしれないですね」
田中「Googleドライブでええやんって思ったんですけど、結局責任取るのは行政になるので、それを聞くとあまりそこまでは言えんなぁと。自分の事務所なら責任を取るのは自分なんですけど。その辺は難しいですね」
金子「あまり笑えないような話なんですけど、私の前職の時に、クライアントと情報共有をするシステムがあって、比較的ベテランの方がお客さんのパソコンで自分のIDとパスワードでログインをして、あろうことかパスワードを保存させていたという事案が。引き継いだ後任の担当者が、前任者のアカウントの名前でお客さんからファイルが上がってくるんですけどどういうことですか、と社内がざわついたことがありました。そういった利用する社員側のリテラシーによっては、そういうことが行われていたりする」
飯塚「お客さん側で間違って設定を変えられてしまうと困るので、新しいツールを入れるにしてもお客さん側がどのくらいわかってるか気を付けないといけないなと。4月くらいにtrelloで採用管理していた会社の情報や記録が丸見えになっちゃってたことがありましたよね。そもそもtrelloってGoogle検索の設定ができるんですけど、そこを知らずにクリックしてしまって全世界に公開されてって……あれは本当にうっかりミス。例えば私のほうから「trelloって便利ですよ、導入しませんか?」ってお勧めして、お客さん側でうっかりそれを押しちゃったら誰の責任になるんだろうとか怖くて、最近そういうツールを安易に勧めることに若干抵抗が出ています」
金子「お互いが一定レベル以上で運用できないと事故る可能性はありますよね」
金子「僕らの場合だと、こちらの士業側の知識と対応する担当者数人がわかっていればいいですけど、これを社内で浸透させていこうとすると、全社員がわかってなきゃいけないという結構ハードルはありますよね」
飯塚「私自身がクラウドツールが好きなので今色々なものを事務所内で使っていますが、そこに対してスタッフがついてこれないことがあり、気を付けないとなーって部分が増えてますね」
それぞれの事務所事情
金子「今飯塚さんのところは何人スタッフの方いらっしゃるんでしたっけ?」
飯塚「今フルリモートで社労士の資格を持っている方が1名、もう一人がアパレルから来た子で事務未経験なのでこれから教えていく段階。あとインターンで社労士受験生がこれから入る予定です」
金子「飯塚さんプラス3人でそれだと、増えていけばいくほど大変になりますよね。慎さんのところはどうですか?」
田中「うちはもともとJDLっていうオーソドックスな税務ソフトを使っているなかで、最近入ってきてるスタッフはfreeeを中心に使っていて、元からいたスタッフとギャップがあるのが難しかったりします。僕は両方使うんですけど、片方しか使わないスタッフもいます」
金子「そうすると社内のコミュニケーションとか情報共有を含めてギャップが出ちゃうかもしれないですね」
田中「それはもう無理はさせない形で完全に切り分けていこうと思っています」
金子「何人くらいいらっしゃるんでしたっけ」
田中「在宅の子が2人と、事務所2人なので合計5人ですね。それでもやっぱり難しいですね。飯塚さんのところも在宅のスタッフがいて、事務所に来られるスタッフもいらっしゃるんですか? その辺のコミュニケーションをどうとっていくかが難しいところがあって」
飯塚「そうですね、今リモートでやってる方と通いで来てる方はslack上でしかまだ話してないので会ってないですね」
金子「採用の面接もオンラインで完結してるんですか?」
飯塚「採用もそうですね。アパレルから来た子はもともと私の知り合いです。インターンで来てる子についてはオンラインで面接して事務所を直接見に来てもらったりしました」
課題は教育
飯塚「ただ、教育の問題があって。フルリモートの方は人事での経験が5~6年あって一通り業務がわかっているので、クラウドツールの使い方を教えればすぐ進められたんですけど、未経験の方をリモートで教えるって難しいですね。というか私の性格上無理かなって」
田中「僕もそれ悩んでて。一人は在宅の子で簿記を知らなかったので、教育の部分が難しいなと思いますね」
金子「それは僕にはまだない悩みなのですが。慎さんのところは、その簿記未経験の方がリモートに入ってきてどうされたんですか?」
田中「今絶賛4月から入ってきてやってます。freeeを使ってるので基本的な使い方を教えるのも必要ですし、簿記のルールも、出来上がってきたものが合ってるのかチェックする能力も、freeeを使ってエラーが出てないか気づかないといけないというのもあって、結構求められる能力が高いのかなと最近ちょっと悩んでるんですけど」
金子「登録内容の確認となると、簿記会計の知識がないと、変な残高になってても気づかないこともありますもんね」
飯塚「給与計算とかもされてますか?」
田中「始めようと思って人事労務freeeをついに導入することにしました。だけど僕はよくわかっていないので」
飯塚「そこのカリキュラムを何か作ったほうがいいのかなと思っていて。リモートスタッフに人事労務freeeを覚えてもらうための操作方法とか」
金子「マニュアルできたら売れるんじゃないですか?」
飯塚「売れますよね。人事労務freeeとジョブカンとマネーフォワードをうちは使ってるんですけど、全部の操作をわかってるのが私しかいないので、そこのノウハウを伝える……売れますよね?」
田中「売れると思います」
飯塚「じゃあ商品として作ります」
ソフトの使い方を学ぶ場が欲しいね
田中「金沢で橋さんっていうバックオフィス系のサポートをしてる会社があるんですけど、そこのスタッフさんと一緒に勉強会をする話になっていて。そこも教育が課題だそうです」
金子「僕もフリーランスの方や小規模の方向けではあるんですけど、freeeの使い方とかをマニュアルっぽくしてnoteの有料記事にまとめたり、プラスαでセミナーしたり、カスタマイズするときは個別相談で対応したりしてます。そういうツールが出てきたときに正しい使い方をがわからないまま突き進んじゃう方って結構いると思うので、サポートは必要だろうなって思います」
田中「ちょっと金子さんのnote買お。みんなどうやって教えてるのか興味あります」
金子「僕の場合は経理の流れを整理するところからやってます。ネットバンク開いて、クレジットカードを事業用とプライベート用で分けるとか、資料やお金の流れを入り口にしてます。基本的には一人会社やフリーランスの方を中心に導入の支援をやっているので、ファイルボックスで情報を共有するといった想定はあまりしていないですね。どの口座をどう使うかを整理して、それをfreeeに落とし込んだ時に自動登録ルールの設定や口座の同期の方法、最低限チェックしなきゃいけない部分を伝えてます」
田中「そういうのがあったらほとんど自分で仕上げていけるんですかね」
金子「僕の場合は、基本的には税理士に丸投げというより、自分で回していきたい方のサポートです。売り上げが1000万円台くらいまでのフリーランスや一人会社の方で、税理士に毎月顧問料を払うほどじゃないところが正しく使えるサポートをやってます。記帳代行にしても科目の判断は本人じゃないとわからないので、本人がやるのが一番早いと思ってます」
田中「僕もそっちにシフトしつつあります。教えたら皆ちゃんと使えるし、安く請けると言うと負担もないですし」
金子「中には性格的に致命的に事務作業が嫌いな方っている。その人はおとなしくアウトソースしたほうがいいですよとアドバイスしてます」
田中「多分だめだろうなって方はどういう人ですか」
金子「やり方を説明して、そのうえで資料の整理具合が一向に直らないとか、物理的に振り込み忘れとかが二重払いが頻発するとかだと、支払管理も含めて秘書的な方を雇うなりBPO的なサービスを使ってもらうなり、届いた請求書を自分で開けないほうがいいんじゃない?ってなる。そういう方はまるっとアウトソースしたほうがいいでしょうし、そうでなければある程度の法律家のサポートはできます」
田中「そういう勉強会をまた一緒にできたらいいですね」
教える前に前提知識
飯塚「ソフトを使う前に、前提として給与計算の知識は必要。特に社労士に顧問を依頼する会社だと手当だったり勤怠管理や働き方が複雑だったりするので」
田中「ソフトだけ使ってるとなぜその保険料率になってるかわからなかったりするので、ちゃんと教えないといけないなと思いますね」
飯塚「税の部分も出てくるので、社労士だけでなく税理士さんもいないと」
金子「そこで何かずれが出てきたときに税金にずれが出てくることもある。僕らもある程度の知識を持っていないといけないし、社労士さんとの連携だとか、何かあったら聞ける人がいるかは大事だと思ってます。ほんとに労務、給与計算は難しいです」
田中「うちも一人社長か固定給のところしか受けてないです。怖いので」
飯塚「税理士さんから、人数増えてきて怖いからお願いしますっていう依頼もあります。ある程度の人数になってくると税理士さん側も責任を持てなくなる。でもそのタイミングが一番色々見直すチャンスかなと思っています」
クラウド化と士業連携
金子「他士業の連携の面でも、会社さんを含めてクラウドツールの理解度がある程度ないと。例えば、今まで給与計算もクラウドのシステムを使ってたけど、頼みたい社労士さんがクラウドの給与計算わからなくてとん挫しちゃうこともあると思うので」
飯塚「まさにそのケースがうちに来る仕事で一番多いです。お願いしてる社労士さんが対応してなくて税理士さんが困って、ネットで見かけてうちに……」
金子「クラウド対応の社労士さんはまだまだ少ないんですね」
飯塚「少ないですし、あまり表に出してないですよね。その気持ちもわかるんです。人事労務freeeは電子申請に対応していないので、社労士側としてはfreeeで計算した給与情報を社労士ソフトに移行する手間が出てきてしまう。社労士専用ソフトで一気通貫したいんですよね。」
金子「年末調整とか法定調書も含めて考えると人事労務freeeの他ソフトとの連携はもう少し広がってほしいと思います。そこらへんで行くとマネーフォワード(MF)の給与計算のほうが機能的に強いなと思います」
飯塚「MFも切り分けてますよね。給与計算が今まで一緒だったのが別になったり。年末調整も別になっちゃうんですよね」
金子「そうなんです。ただ外部ソフトに吐き出す機能はMFのほうがまだ柔軟にやれるイメージはあります」
飯塚「社労士事務所と税理士事務所が一つのグループになってるところだと総合的に考えられると思うんですけど、そうじゃないと会計との連動のしやすさは社労士事務所側だとあまり考えないところですもんね」
田中「そう考えると社労士さんと連携取れてると仕事しやすいですよね」
飯塚「こちらとしても会計もクラウドであってほしいんですよね。助成金とかの入金確認も社労士側に来ないので、私も会計freeeに招待してくださいと言っています。そのほうが漏れがないですし、必要な試算表とかもパッと確認出来て、無駄な待ちが少ないんですよね」
金子「スタンドアローン型のソフトだと情報を共有する手間がかかったりする。特に月々の給与計算の面で、会計や税金のところでかかわりが深いと思うので、何かあった時に直接社労士さんと税理士で連絡が取れるほうがやりやすい。もちろん社労士さん以外も重要なんですけど」
飯塚「slackで、税理士さん、社労士、会社の担当者と社長が入ってるチャンネルを作ってもらうと、すごくやり取りが楽です」
金子「僕も、共通の顧問先の社労士さんは、何かあった時にお客さんを介さずに直接来てくれます。そのほうが早いですし、伝言ゲームで途中で話が変わるとかがない」
田中「クラウドを使うメリットって、専門家同士で同じ情報を見ることができるというのがあるかもしれないですね」
クラウド化でできたこと
田中「いいですよね、別の地域の会社をリモートでサポートすることが普通にできるようになってきたんで」
金子「僕も子育てしながら家でデータを確認したりお客さんの返事を返すとかあるので、そこがクラウドのいい部分ですね」
田中「お客さんもリモートでも最近違和感ないですもんね」
金子「働き方や、クラウドだとかチャットツール含めたIT化で助かってます」
飯塚「私もそこが無かったら産後3か月で開業できなかったですし、2人目出産してすぐ仕事するのもできなかったので」
金子「それは本当に超人的だと思いますよ。クラウドとかじゃない。その辺の話を次回は深堀したいですね」
次回は…2021年7月14日(水)12:00~13:00
【プロフィール】
▼ヨーヨー社労士®︎いいづかともよ
@zentoyoyomama
2020ヨーヨー全国大会Women’s freestyle部門優勝。エンタメ業界→クラウド専門の社労士事務所代表。映画スケバン刑事(4代目)のヨーヨー指導担当。好きな言葉は前途洋々。2児の母。#ヨーヨー夫婦 でヒルナンデス!生出演。#freee 三つ星認定アドバイザー。LGBTQ支援
▼税理士 金子尚弘/子育て中
@innovator_nao
ゆるふわ税理士。会計、税金のことを噛み砕いて発信中。豊橋商業→立命館→社畜→フリーランス。取材や執筆依頼が来るのはブログとtwitterのお陰。お酒、旅行、音楽、野球、カメラが好き。子育てツイートが混ざります。
▼田中 慎/税理士,SOU-MU
@shinxtanaka
税理士・中小企業診断士/京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター/バックオフィス業務に関わる人達のための #SOUMU プロジェクト 代表 #freee 講演資料等 https://speakerdeck.com/shinxtanaka