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「心の中でVサイン」―青ブラ文学部 「痩せたガールの日常」

彼女は 自分の体型を
とても 気に病んでいた

[結婚もせずに太目体型]の 
彼女のことが
職場の 飲み会の席などで
話のタネにされたという

彼女が まず 飛びついたのは
「やせ薬」 頼み。
部屋には お菓子のように
派手な包装の 数種のやせ薬が
洗面化粧台前を 飾った

でも 月日を味方にしても
体重計は 冷酷だった
針は ほとんど 動かない

今度は 肥満症外来に
通院した
仕事を 定時で抜け出し
通院する

医者の処方薬は
体に合わなかったのか
時々 吐き気に 悩まされ
会社を休み
寝込んでしまうことが起きた

職場スズメたちは
「もしかして 妊娠しちゃったの・・」と
屋根裏で ささやきあった

「やっぱり 薬では
夢を 叶えられない・・・」
自分に 言い聞かせる

最後の 一葉(いちよう)として
一年間 好きな海外旅行を
諦めて お金を節約した

そして 高額スポーツジムに
入会する

ジムの トレーナーは
とても シビアだった
食事のメニュが 日々チェックされ
週 4日の トレーニングを
強いられた
厳しさは 霜柱を
裸足で 踏むようなものだった

一年後 職場のスズメたちの
コソコソ 裏話は
鳴りを 潜めた

彼女は 5年ぶりに
同期会に 参加した
扉を開けて 会場に
姿を現した彼女に
同期生たちは 言葉にならない
息をのんだ

「きれいになったわねぇ!!」
静かな 賞賛/感嘆の波が
広がった

{彼女は 心のなかで
思い切り Vサインをした}

一方 彼女の預金通帳は
200万円の残高が 数万円に
なった・・・(ため息・・)

「美しさと預金残高」は 反比例という
ルールが 打ち立てられてしまった

🐱🐱🐱🐱
山根あきらさん 長い文章になりましたが
青ブラ文学部 「痩せたガールの日常」企画に
参加させて いただきました
どうぞ 今回もお世話になります

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