僕が「負け組」呼ばわりした君たちへ。
こんにちは。るいすです。
2022年卒の新卒採用の情報解禁があってから2週間がたちましたね。
以前投稿した自己紹介でも少しお話をしましたが、6月まで新卒採用の仕事をさせていただいていました。2018年卒~2021年卒向けの4期務めさせていただき、その間で約1万人の学生さんと出会い4000件近くの面談をさせてもらいました。
合説などのイベントや会社説明会ではほとんど会社説明などすることもなく、ひたすらに僕なりにメッセージをし続けてきたわけですが、そりゃあもう賛否両論さまざまなご意見をオンライン・オフライン問わずいただきました。笑
ネットで叩かれる芸能人体験も少しだけさせていただきましたね。笑
今回はその中でも、良くも悪くも最も反響の大きかったメッセージについて改めてこの場でお話ができればと思います。
前半は、すごく長い前置きなので
時間もないしいきなり本題に行きたい人は目次で前半は飛ばしちゃってください。笑
採用担当者をしていた時のスタンス(前置き)
最も反響の多かったメッセージの話をする前に、当時の僕がどんなスタンスで採用担当という仕事に取り組んでいたのかの話を先にさせてください。
2016年11月から新卒採用チームにジョインをしてから2018年度卒、19年度、20年度、21年度卒の合計4期の採用に携わらせていただいたわけなのですが、今思い返してみれば、その期間の中で僕のスタンスは少しづつ変わっていたように感じます。
最初の2018年度卒の採用に関しては、正直なところ学生にメッセージをするなどという余裕は全くなく、新卒1年目だった僕は
「学生になめられないように」
「採用目標を達成するために」
「KPIとなっている面談数をこなすために」
なんて採用担当者の風上にも置けないようなことを考えていたと思います。その中でも何かのきっかけで本気で向き合うことのできた数名を採用させていただきました。
僕が”採用担当”という仕事に意義が見いだせるようになったのは、2020年度卒の採用が始まったあたりからだったと思います。
”採用担当”として仕事に取り組む目的が「採用すること」から「出会う学生に価値を届けること」に変化したのが一番の理由だと思います。
この変化は、採用担当の仕事の目的がもし「採用すること」だけだとしたら、99.2%(ヘイシャの、採用率=採用させてもらう学生の数/はじめましての学生の数=0.8%だったので)の面談は僕じゃなくてもいい仕事になってしまうということに気づいたことがきっかけでした。
だって、採用しない学生さんを篩いにかけるだけだったらAIがやったほうが効率いいですもん。
なんだかそれってすごく空しいなあ、って思ったんですよね。
だったら、採用につながる云々はさておき
出会った学生さんが、いつの日かルイスに会って、ルイスと話してよかった
って思ってもらえるようにしよう
それが、その出会った瞬間かもしれないし、帰った後かもしれないし
就活が終わったときかもしれないし、はたまた何年も後かもしれない
目の前の学生さんと話すのは今日が最後かもしれないが
それでも、「ルイスに会っておいてよかった」って思ってもらえるように
全力で目の前の学生さんたちに向き合おう
その結果、一人も採用につながらなかったら上司に素直に謝ろう
そんな風に思いながら採用担当という仕事に取り組むようになりました。
そして、スタンスが変わってから、自分に対してした約束事が一つ。
『 学生に絶対に嘘をつかないこと 』
そんなこと!?って思われちゃいそうですね。
いや、けっこう多いですよ?嘘まみれの採用人事担当者。笑
だって、本当に本当のこと言ったら学生さん集まらないんじゃないかって
けっこうマジで不安になりますもん。笑
多かれ少なかれ、学生さんが思い描いている会社像とか仕事と実体って
ギャップがあるじゃないですか。
それをね、みんなうまーーくぼやかすんですよ。
自己成長とか裁量権とか、ビジョンファーストとかぶっちゃけ使っている本人にもちゃんと定義づけられていない言葉を使うんです。笑
社会人の皆さん、新卒採用の合同説明会とか行ってみるといいですよ。
いろんな意味で、笑っちゃうんで。
ごめんなさい、話が逸れました。
要するに、僕の目から見えているありのままの世界を
学生の皆さんに、自分のコトバで正面からメッセージしよう。
と思うようになったわけです。
僕が学生さんにメッセージしていたこと(本題)
基本的に僕が採用担当をする中で
学生のみなさんにメッセージしていたことの根っこは一つです。
自分の頭で思考をして
自分の心で決断をしてください。
この一つのことをあの手この手でお伝えしてきました。
時には、じっくりと辛抱強く並走して寄り添い
時には、これでもか!ってぐらいのホラーメッセージもしました。
ただ、マスに対してはホラーメッセージのほうを強く出すように
心がけていました。
大半の学生さんにはかなり耳の痛い言葉ばかりをあえてチョイスして
メッセージをしていたように思います。
別に、就活生の優しい相談お兄さんになりたかったわけではないので。
そのホラーメッセージのうちの一つにこのようなものがありました。
「お前ら、就活生やってる時点で負け組だからな。」
いやあ、これはもうね。荒れに荒れましたよね。笑
み○就が大変なことになってましたもん。笑
全国ネットで要注意人物指定されてますね。笑
これ以外にもそこそこ色々と書かれましたが、ここでは割愛しますね。
僕は、就活生をバカにしたかったわけではありません。
というか、そんなことできません。
僕、すでに2回就職活動しちゃってますもん。僕だって負け組の一人です。
なんなら大負け組です。
僕が本当に伝えたかったことは
正しく焦れよ。
ってことでした。
就活生の多くは言うなれば
「22歳になるまで自分の生き方を自分で決められなかった人の集まり」
な、わけですよ。
就活生は
”今後の人生負け組”
なのではなく
”キャリア選択において現時点では負け組”
なんです。
世の中には普通にたくさんいるんですよ。
5歳でピアニストになることを志して、一番遊びたい盛りの時分に友達と遊ぶのを我慢しながら文字通り手に鞭うたれながらそれでも頑張って、今では自分の名前でコンサートを開くまでになったピアニストとか、
幼い時に心臓の持病を大手術の果てに治してくれたお医者さんにあこがれて、部活加入率ほぼ100%の都立高校に通いながらも、部活にはあえて加入せず、友達が部活している間は教室で勉強して、現役で国立の医学部に合格した外科研修医とか、、
中学生の時に倒産しかけた父親の会社を救ってくれた弁護士を見て
自分も弁護士になるって決めて、学生時代に色恋の一つもせずに必死で勉強して在学中に司法試験に合格して30代のうちに事務所独立をしている弁護士事務所の若社長とか、、、
「就活生」になる遥か彼方昔から、自分の生き方決めて
そこに向かって走り続けてるやつって、たくさんいるんですよ。
自分の意志で、自分の生き方を決めて
それに向かってめちゃくちゃ投資をしてきた人たちがいるんです。
そして社会に出たらそんな人たちと、同じ基準で評価をされるんです。
スタートラインがそもそも違うのに、同じ基準で評価をされるんです。
そんな話をすると、僕の話に納得のいかなかった学生さんに
「そんなこと言ったって、ピアニストや医者、弁護士なんて子供でもわかりやすい仕事ならともかく、世の中にはたくさんの仕事があって知らないことばかりなんだから生き方を決めてこれなかったところで仕方がないじゃないですか」と言われたことがあります。
いや、じゃあお伺いしますけど
中高生の時分に親御さんが携わっていた仕事について、どんな仕事で、どんな人たちに、どんな価値を提供していたのかをちゃんとわかってた人ってどれくらいいますか。
「自分の親は家では仕事の話をしてくれなったので」って
親が話さなかった、んじゃないんですよ。
あなたが親に聞かなかった、んですよ。
親に聞かなかったとしても学校の図書室に行けば
村上龍さんの「13歳のハローワーク」があったはずなんですよ。
手に取らなったのは、あなたなんですよ。
そしてそれは僕もでした。
自分の生き方を決めるチャンスはいくらでも転がってたはずなのに、
いつかは決めなければならない日がやってくるってわかってたはずなのに、
それを先延ばしにして、なんとなく周りに流されながら
就職活動のときまで、なんの意思決定もしてこなかったのは
ほかならない、自分自身なんだぞ。
ってことを、まずは自覚しなければならないぞ。
そうしなければ、いま目の前の就職活動ですらも
今までのように自分自身で意思決定をせずに
なんとなく終わることになってしまうぞ。
インターンに参加できないことよりも、
ESの志望動機の欄が書けないことよりも、
”ナイテー”がもらえないことよりも、
それは、ずっとずっと怖いことなんだぞ!
と、僕はどうしても伝えたかったんです。
大事なことは、「自分自身で意思決定をするということ」なんです。
極端な話、それ以外は就活においてはどうでもいいと思います。
大手だろうがベンチャーだろうが、
どんな業種でも、どんな業界でも、
あなたの人生にそれほど大きな影響を与えることはないと思う。
大事なのは、どこに行くか、ではなくそこで何を成すか。
そして、何かを成すには必ず「自分自身の意思決定」を求められる。
だからこそ、いま、ここで、あなたの意思決定が求められているんです。
まとめ
国連の世界幸福度報告書では日本は54位だったそうです。
そんな状況を受けて2018年に神戸大学の特命教授と同支社大学の教授の
「幸福度と自己決定ー日本における実証研究」(2018/西村和雄, 八木匡)
という研究が発表されました。
内容の要約は以下の通り。(引用元を多少るいすが要約しています)
20歳~70歳までの男女に約9万件(回答率3割程度)のアンケートを実施した結果、幸福感に与える影響力を比較したところ、健康、人間関係に次ぐ要因として、所得、学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かりました。これは、自己決定によって進路を決定した者は、自らの判断で努力することで目的を達成する可能性が高くなり、また、成果に対しても責任と誇りを持ちやすくなることから、達成感や自尊心により幸福感が高まることにつながっていると考えられます。
(引用元:https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_08_30_01.html)
(研究本文:https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/18j026.pdf)
この論文を読んだときに、とある先輩が常々言っていたことを強烈に思い出しました。
「成長するために必要なことは”意思決定の質×量の積を最大化”することである」
この本文では「自己決定指数」を詳細に定義しているが、上記の彼が言っていたこととほぼ同じ定義でした。
幸福度=自己決定指数(意思決定の質×量の積)=成長度
採用担当をやっていて飽きるほど聞いてきた
「就職して成長したいです」という言葉も、
成長することが人生を幸福にすることなのであれば
あながち間違いではなかったかもしれません。
でも人によっては、どうしてあんなにも薄っぺらくうさん臭く感じていたのか。その答えがここにありました。
その言葉の背景に彼自身の意思決定を感じることができなかったからでした。
なぜ就活をするのか?
この問いから改めて始めて見てください。
自分自身の中で胸を張って答えられるようになったら
その先に或るのは必ずや ”あなたの” 意思決定に違いありません。
不安なら立ち止まったっていいんです。
遠回りをしてみてもいいんです。
ぶっちゃけ、新卒カードなんてものは存外たいした力を持っていません。
さて、僕の次の意思決定もすぐ目の前に突き付けれていそうですね。
このnote、自分で書いていて耳が痛いです。笑
それでは。