イジメられのカリスマ 2 〜娘もイジメられた〜 第肆話
小学6年 10月某日 決意の日 夕方
ユカに割られた鏡の破片を手に取り
手首にあて、ふと目を閉じた。
小学5年 秋
運動会のダンスの練習中、サキが急に居なくなった
6時間目が終わってもサキは戻って来なかった。
心配になった私は放課後、保健室に向かう
階段で仲の良い7人のヒメカとリノに会い、
一緒に行こうと言ったが、
「サキは、大丈夫やから、一緒に帰ろう。」
と促され、帰宅した。
放課後いつもの公園に行くも、サキは来なかった。
皆、心配じゃないのかな?
誰一人サキの事を気にしてない。
なんで? 何でなん?
私は皆にお腹が痛いと嘘をついてその場を抜け、
サキの家に向かった。
インターホンを鳴らし、ドアの前で10分位待つと
扉が数センチ開き、小声で
「ハナ以外誰かおる?」と訪ねて来た。
「一人やで、何処か怪我したん?」と聞くと
扉が急に開き、サキが私の手を掴み、凄い勢いで玄関へと引き込まれた。
サキは急いで鍵を締め、チェーンをかけた。
涙目のサキは、私の顔を見た瞬間、感情を押さえきれずその場で泣き崩れた。
私はサキの肩に手をやり優しく包んだ。
「サキな!どこも痛くないねん!でも、めっちゃ
苦しい!明日から当分学校行けへんけど、
放課後サキに会いに来てくれる?
ハナはサキと遊んでくれる?」
と泣きながらかすれた声で聞いてきた。
「いいよ…。なんかあった?ユカとハズキとハナ
以外の子達が順番に学校と、放課後の公園に
来ーへんから…」
というと、サキは私の顔を見ながら
「ハナはその間その子の所に毎日じゃないけど
会いに行ってたやろ?
ハナだけが会いに行ってたやろ?
何でそんなに優しいん?」
「だって皆友達やん!えっ?ハナ以外誰も行ってな
かったん?皆行ってると思ってた。」
小学6年 10月某日 決意の日 夕方
あの日には既に始まっていた、ユカとハズキの
イジメ
急にグループラインから外され、二人の気まぐれで
また招待される。
スマホを持っていなかっから解らなかった。
スマホなんて無くなればいいのに…
【グループラインから外されたメンバーに空気を読
まず話しかけ、時々遊んでるハナは気持ち悪
い!スマホも持たれへん貧乏人が!】
そんな文字も書かれていたな〜
鏡の破片を持った手に力が入り、手首にスーッと
赤い線が引かれ、血が滲み出した。
トト!
痛いよ!
死ぬってこれより痛いの?
トト〜!
早く帰って来て…
第伍話へ続く…
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