イジメられのカリスマ2 〜娘もイジメられた〜 第漆話
小学6年 10月某日 決意の日 夕方過ぎ
車の窓の隙間から入る風だけで過ごせる季節になってきた。
もうすぐ秋祭り。
子供達も楽しみにしてるし、今回もええ祭りにせなあかんなー。
準備に時間を取られるも苦ではない。
仕事帰り、色々なことを考えて車を走らせていると
知らん間に家に着いていた。
今日はハナの話を聞く日やな!
あの子は周りに気を遣い過ぎて、自分の事はいつも2番目に考える子やから、大人数の場では自分の意見を言い逃してしまう。
だから、せめて一週間に1、2回は二人になって彼女の話を聞いてあげる。
そうやないと彼女も僕みたいになってしまうかもしれない。
それだけは絶対嫌やし、むしろ彼女は僕とは違い
イジメとは無縁やろ、と勝手に決めつけていた。
車を止め、角を曲がると、ハナの友達とそのお母さん達が嫁に挨拶をし、帰ろうとしてた。
僕は元気よく挨拶をしたが、4人は言葉を出さず
申し訳無さそうに会釈をし、その場から去った。
愛想の(あ)もない奴らやな〜と思い嫁の方を見ると、気のせいか、涙目に見えた。
嫁はスグに顔をそむけ
「ハナ呼んでくるから、車で待ってて。」
と残し、家の中へと消えた。
何かあったのかと考えながら
車へと戻りエンジンをかけると、ハナが
嬉しそうに手を振りながら車へと駆け寄って来た。
な~んや、考えるだけ損したな〜と思うもつかの間
ハナの口からまさかの言葉が
「ハナ… 学校でイジメられてるねん。
学校行きたくない…」
ただでさえ小さいアタシの目が、
もっと小さくなった…
第捌話へ続く…
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