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霞ヶ関ワークライフ3

こんにちは。
見習い官僚(ゲイ)のるうです。

官僚の皆さんと一緒に働き出してから約一ヶ月。
とっても長く感じました。土日休みがこんなに嬉しいと思えるのは久しぶりです。

長時間労働はガチ

すでに月の残業時間は70時間を超えるペースで推移している。それでも周りと比較すれば早く帰れているほうなのだから、笑えてくる。
僕の民間時代は、月の残業時間はせいぜい多くても40時間、平均は30時間程度だったので、単純に倍になっている。

同じ係の新米官僚は、民間企業からの出向者である僕のことをいろいろ気にかけてくれるのだが、彼の以下の発言を聞いてほしい。

(1週間目)
「いや〜70時間を超えるのはそんなに多くはないと思いますよ〜大丈夫ですよ!」

(2週間目)
「いや〜ここの係みんな100時間超えてるみたいっす!(ぶっちゃけ、サービス残業してますね)」

当初の発言はいったいなんだったのか。
発言の責任をもちたまえ。。といいたくなる。

原因1 異動による経験者不足

確実にいえるのは、係の仕事を知る人間が少な過ぎるということ。

これは官僚の2年で必ず異動させる文化が徹底されていることが影響している。
短いスパンの異動を徹底しているのは、人に仕事が張り付かせず、権力をもたせないようする、民間企業との癒着を回避する等、リスク回避目的なのだそうだ。

たしかに銀行など、金融業界の経理担当にも似たような話を聞いたことがある。

民間企業の人事異動ならば、多少は部門に経験者を残す配慮をするものだ。しかし、霞ヶ関にはその気が微塵もない(これはほんとに謎)。

実際に僕の係(チーム)には、課長補佐、専門官、係長、係員2名(僕も含む)がいて、5人なのだが、前年の経験者は係長のみ。
(ちなみに、課長レベルは様々な係を広範囲に管掌するので普段関わることはまずない)。

当然、係長は中間管理的な位置付けとなり、仕事がわからない上司も、部下も、実質1人で業務の采配をしなければならず、超激務になっている。

係長の業務メールは23時30分を超えてもなお、発信されており、朝は9時にはすでに席にいる。

彼はきっとドラえもんのどこでもドアを保持しているのだろうか••。

係長が倒れたら、たぶんこの係は一度滅びるが、きっとそうなっても人を入れ替え、継続するのがまた霞ヶ関なんだろうなぁと思うと、なんとも言えない気持ちになる。

原因2 長時間労働が当たり前な風土

長時間労働が常習化してもよいという雰囲気をすごく感じる。

語弊のある言い方になるかもしれないが、やる仕事はたくさんあるのだから、意味もなく早く帰る必要はない、精神が耐えられるギリギリの範囲でやって当たり前、というようなマインドがありそうなのだ。

民間ならば、意味なく残業すると叱責されるのが普通。まるで真逆の世界観。

あくまで僕の予測だが、国家公務員は労働基準法の適用外だし、残業代が出なかった時代が影響しているのではないかと思う(いまも予算範囲内でしか残業代はしはらわれていない←これもどうかと思う)。

残業代がないとすると、人はどうするだろうか?
いかに効率的に仕事をして、早く帰って時給を上げようという正論もあるだろう。
しかし、それは業務量が常識な範囲な場合にいえること。あまりに業務量が多くパンクしていれば、そんな気概もなくなるのではないか。

なまじ、みんな真面目な人が多いので、次に回そうというより、残って極力仕事をしようという考えになってしまうのでは、と思っている。

原因3  省としての取組みがほぼ建前

省としても残業対策はしている(ことになっている)。

例えば、毎日20時に人事院からのお知らせ、仕事に区切りをつけて帰りましょう、子育てや家庭をかえりみましょうと言った放送が流れる。
また、定期的に本日は全館退庁日です!というお知らせもある。

しかし、これらは完全に形骸化しており、単なる時報と化している状態だ。

こんなのは当たり前で、心のこもってない放送をいくらしたところで、変わるはずがないのだ。省として対策しているというアリバイなのだと思ってしまう。

本気で残業対策を考えているのなら、局長、審議官、課長、課長補佐級の人たちが早く帰ることを意識して、その姿を部下にみせるはずだし、なんなら人事考課に影響させてもおかしくない。
しかし、そんな偉い人たちも長時間労働があたりまえのマインドだし、常習化しているので、その気はない。

若手官僚の本音••

若手官僚に本音のところを聞いてみた。
やはりせめて20時くらいには帰りたいそうだ。通勤時間が1時間以上かかる人もいるだろうし、電車の混む時間に当たれば精神的にも辛い。

部署によるだろうが、僕の課は残念ながら20時で9割、21時で8割が残っており、若手は帰りにくい。

僕はまだ研修生の立場だが、民間からのアラサーリーマン出向者なので、べつに人目はきにせず、あまり活用されていない時差出勤や、なるべく20時に率先して帰宅することにしている。

僕がさっさと帰り、少しでも雰囲気が変わればいいのだが••とか思っている。

最近、僕が帰るタイミングでほか若手の2名が、時を合わせるように帰っていることに気づいて、やっぱりタイミングを見てるんだなぁと感じる。

民間でも省庁でも、早く帰れるうちは、帰りましょう。そうありたいものだ。

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