2024/05/18 光屑と翡翠
暑い。
時刻は午後1時。
5月も半ばを過ぎると、東京はすっかり夏の顔だ。気温は29℃を示しており、季節は着実に真夏へと近づいていた。
私は街を歩いていた。
土曜なので人が多かった。
私は自己中心的な思考回路を自負しているので、なぜ折角の休日にこんな人混みの中を歩かなければならないのかとふんふん憤っていた。私以外の人間(店員を除く)は、私が外出する日は家にいるべきであって、私の通行を妨げるべきではない。混雑によって私の気分を害するべきではない。私に限らず、恐らくは皆同じような