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テンションが上がると押してしまったり、怒ると叩いてしまったり、その際ニコニコしていたりするお子さんを架空のA君として支援を考える話③ 固有覚編

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今回はAくんを感覚統合における「固有覚」から支援を考えたいと思います


固有覚に課題のあるお子さんは

・力の加減が難しい

・落ち着きがない

・姿勢保持が難しい

など傾向が見られます

もっと具体的に言うと

・遊びや生活の中で他児を押してしまったり、叩いてしまう

・座って活動する場面で走り回ってしまう

・何をするにも脱力しているようにみえる

等でしょうか

詳細はこちらをどうぞ


Aくんにまずこれらの様子がみられるかを確認します

固有覚は筋肉の伸びちぢみ、関節の曲げ伸ばし、牽引などの感覚情報のことです

この固有覚も普段は意識しないと自覚できない感覚です

みなさんも今こうしている間も、関節がどの程度曲げて、腰のあたりに力を入れて、足の位置をここに置いて、この程度力を入れよう

という意識はないですよね。全部無意識化に、そして「常に」行われているのです

正直「この感覚が育っていないとどうなるか」は想像するのが難しいです。でもお子さんの様子を見るに

常に身体がふわふわととんでいるよう駆け出してしまったり

タッチしようとすると思いっきりパンチや平手が出たり

身体の芯を取ったように脱力している

ようなのです

固有覚にも過敏さ、低反応ような状態がありますが、低反応さが大きく目立つ印象です

過敏さが強いと防衛反応が起こり、身体が緊張しこわばったり、力が入りすぎて動きにぎこちなさや動きが少ない状態が見られます

低反応状態だと感覚をあまり感じないため、感じるためにより大きな刺激を入れため、動きが多くなったり、乱暴に見えることが多いです

これを「自己刺激行動」と言います

こういった状態がDCD(発達性協調運動症)と呼ばれるものなのです

A君にできる固有覚の視点からできる支援


前庭覚編の時にも記述しましたが、環境づくりが大切です

またA君の辛さや「やろうとしているのにできない事がある」という無力感にも気づいて対応していくことが大切です

A君は

他者に挨拶をしようとしただけなのに突き飛ばしてしまう

集まりに参加したいのに走ってしまう

そういった行動に対して大人がA君の困り感に気づいているだけで声かけや対応の仕方も大きく変化します

A君が乱暴であるという認識ではなく、感覚統合不全によるものであるというだけで、

「しっかりやりなさい」

「お友達にやさしくしなさい」

「なんでできないの」

といった声掛けが少なくなるのです

これだけでA君の生活の中でのストレスは大きく減るのです

無自覚に注意や止めるだけの対応ではなくなるからなのです

そういった環境で以下の遊びを提供しながらA君の固有覚の感覚も統合させていくことが重要です

遊びの中に意識的に、ギューッと引っ張る、押す、等の動き、スローモーションの動き、止まる動きなどを入れるようにしていきます

そうすることで、前庭覚や触覚などの感覚との統合も行われ、徐々に固有覚由来の動きが落ち着いてくるのです

相撲

相撲などは固有覚の感覚統合を促すスタンダードな遊びの一つです

押す

引っ張る

力を維持する

止まる

力の方向を意識する

こういったいった身体の動きを通して固有覚に意識的に刺激を入れるのです

遊びを提供する側がこういった意識をもつだけで効果が大きく変わります

上から押すのか、引っ張るのか、

横から押すのか、引っ張るのか

投げるような瞬間に「ストップ!」と声をかけてそのまま姿勢を維持してみたり

意識するだけで色んな遊び方が考え付きますよね


ゴミ袋、段ボールの戦い遊び

結構相撲は体力を使うので、こういった遊び方もお勧めです

名付けて「ゴミ袋の戦い遊び」です

ゴミ袋に布団や新聞紙を丸めたものを積めて二重、三重に重ねたものに

ペンなどで顔を描きます(お化けや怪獣みたいにするなど)

それを叩いたり

キックしたり

投げてキャッチしてもらったり

振り子にして避けてもらったり

様々感覚を駆使して固有覚にアプローチできます

また、この遊びの利点として、ごみ袋がクッションになって大人は痛くないのです

また、「大人には当てない」というルール設定をすることで、意識的に身体を使う訓練にもなります

この遊びの派生で段ボールを使うのも楽しいですよ

ゴミ袋よりも絵がしっかり描けます


綱引き、ぶら下がり遊び、ターザンロープ

綱引きも綱を「引っ張る」というだけに見えますが、手足だけでなく身体全体を使った固有覚の遊びなのです

ひっぱるものも重い綱や新聞紙、バナナのスクイーズなど様々なバリエーションを持たせることで力加減の強弱を調整できますし

遊びの幅も広がり遊び込むことができます

ターザンロープやぶら下がり遊びは縦軸に伸びた綱引きとも言えます。遊びも横軸、縦軸という考え方を加えるだけで引き出しが広がる感覚 これが面白いですよね


療育施設だと、ホーススイング、フレクサ―スイング、スクーターボードなどの遊具での感覚遊びをよくおこなっていました

どれも感覚を楽しく入れる、狙って入れる目的の遊具なのですが、感覚を知っていれば公園の遊具だったり、作った玩具で同じようなことができるのです

以上になります
これからも少しづつ投稿していけたらと思っています。
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