重いブランケット、ベストがADHD、多動、特性の強いおこさんの活動に用いられるのはなぜか解説する話
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Xをみているとポンっとこういう話題がでてきますよね
今回は「ドイツの学校がADHDの子ども達に重い砂入りでベストを着用を採用した」
という話題でした
「これが許されるのか」
という、罰みたいな、抑制的な捉えをされている方もいましたが、まぁ端から見たらその認識もしてしまうかもしれません
なので今回は、感覚統合の知識も交えて、「なぜこのブランケット、ベストが有効か、効果があるか」を記述していきたいと思います
間違った認識、知識よりも、広まってお子さんが過ごしやすい環境が整う方がお互いにベストですしね(´・ω・`)
そもそもこれは何か
発達支援の領域で「重い~」というものは支援や遊びでよく使われますし、気持ちを整えるクールダウンなどの場でもよく耳にします
なにもADHDのお子さんだけではないのです
何だったら、我々全人類みんなやっていいものです
唐突ですがみなさんは テンプル・グランディンさん をご存じでしょうか?
アメリカの動物学者で、自閉症スペクトラムの当事者の方です
発達支援の世界においてとても有名な方なのですが、それはこの方の発明した「締め付け機」というものがあります
自分自身の気持ちをコントロールするために、自分に圧迫刺激を入れる機械を当事者の方が発明したのです
その当時 当事者から気持ちを聞けることや、ましてや自分で開発する人なんていなかったでしょう
今でもそのクールダウン方法は、発達支援の世界でも参考とされ、様々な手法が編み出されています
この「圧迫刺激」、ひいては「固有覚」、なんなら「前庭覚」というものが今回の話の肝になります
落ち着きのないお子さんの理由は
では今回は「落ち着きのないお子さん」はなぜ「落ち着きがないか」
「固有覚」「前庭覚」の感覚統合不全の話から説明させてください
他にも理由は考えられますが、今回のテーマの中心はこの「感覚」なのです
「感覚」は無意識的に処理され、意識しようとしなけばなかなか気づけません
我々は自然に感覚を入力して、不自由なく生活しているのです
固有覚について
「固有覚」とは「筋肉の収縮、力加減の調節を行う」感覚のことです
重さを感じとる「重量感覚」
自身の身体の部位の位置を把握する「位置感覚」
押す、押される力加減を感じとる「抵抗感覚」
とも呼ばれます
固有覚が育っていないと以下のことが起こったりします
・力加減ができず、相手を強く押す、叩く、引っ張る
・高い所からジャンプする遊びを頻繁に行う
・ハサミや箸などの細やかな動作が苦手
・物を勢いよく投げしてしまう
・見えないところところを操作する(ボタンを閉める、開ける等)
・クレヨンなどをすぐに折ってしまう
・投げられたボールを上手くキャッチできない
・消しゴムで紙を破いてしまう
等など
この行動は「固有覚」の鈍麻さ、低反応からくる過剰な「感覚入力」からくる場合が多いのです
落ち着きがないように見えたり、暴力的、物の扱いが乱暴にみえたりするときには、情緒の問題の他に「固有覚への感覚を入れている」と捉えることができるのです
同様に「前庭覚」にも同じようことが言えます
前庭覚について
前庭感覚(平衡覚とは)
前庭感覚は三半規管が司る感覚です。主な役割は
・「揺れる」、「傾く」、「回転」、「速さ」「引力」を感じとる
・視覚から回転の刺激を入れる。眼球運動のコントロールをしている
・揺れで、興奮や、リラックスなどの情緒のコントロールをしている
・身体の姿勢のバランスを保ち、「傾き」を調整している
ここでも前庭覚の鈍麻、低反応により過剰な感覚入力が起こると以下のような行動が起こることがあります
・長時間回転運動をしているのに目が回らない
・落ち着きがない
・長時間椅子に座れない
・様々なものに注意がそれ、動き回ってしまう
・夜遅くまで起きてしまう
・回っているもの(扇風機、室外機、車のタイヤ等)に強い興味をもつ
等などです
感覚入力の調整という意味でのブランケット、ベスト
そしてこの過剰な感覚入力は「お子さんの意志に反して」行われていることも多いのです
絵本を読みたいのにクルクル回ってしまったり、走り出してしまったり
授業を受けたいのに飛び出してしまう
なんてこともあります
想像も難しいですが、自分が地球の引力を感じられなかったとしたらどうなるでしょう…身体が矢のように飛んでいくかもしれません
自分の身体部位の位置が曖昧で、持つ物の重量が感じ取れないとしたらどうなるでしょう…不安でさまよい歩くかもしれません
そんな時に役に立つのがこの「重いベスト」「重いブラケット」なのです ここまで長かったですね…
これは「人」の「感覚入力」を「満たすこと」、「調整すること」で、「今やることに集中できるように補助するもの」なのです
ここでいう「重さ」で「重さを感じてもらうことで不安さを取り除く」「自分の身体がここにある実感を持ってもらう」などといった意味があります
実際に発達支援の現場、支援教育の現場ではお子さんへの感覚入力を満たすことで、「お子さんの物事への取り組み」への手助けになっているのです
この「感覚入力の手助け」 別に珍しいものではありません
大きな音の調整をする「イヤーマフ」
手が汚れる、濡れる感覚から守る「手袋」
光刺激から目を守る「サングラス」
これは全く同じ論理の中にいます
そう思うと別におかしい話、珍しい話ではないでしょう(´・ω・`)
最後に一つ、支援者として釘を刺さなければなりません
感覚入力の手助けは「罰」や「抑制」、「拘束」ではありません
「落ち着きがないお子さんはこういうことをされても仕方がない」
等といった考えで、この支援は実行されてはいけないのです
なぜか
理解がまだ難しいお子さんにこういった支援を行う時にそういったニュアンス
「これをすれば落ち着くだろう、さあ着るんだ、付けるんだ」
という行動を大人がとれば、たちまちお子さんは心を閉ざします
例え自分にとって有益なものであろうと、
「二度と取り組まない」
「この大人は信用できない」
という気持ちが生まれます
そうなるともう支援どころではありません
私が支援に「結果」よりも「過程」を求めるのはそこにあります
「この支援をやろうと思いますが、どう?」
と様々な方法で、信頼や理解を得て実行する
この過程が絶対的に欠けてはいけないのです
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以上になります
これからも少しづつ投稿していけたらと思っています
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