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ブルーベールに集う

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小説を一つにまとめました。
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記事一覧

【短編小説】ブルーベールに集う(1)

   (あらすじ)かつて暮らした雑多な街に佇むその店で「マスター」と「まるさん」と出会い…

香月 聡
3か月前
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【短編小説】ブルーベールに集う(2)

 ビールジョッキにお通しの枝豆、豆腐サラダ、唐揚げなどが次々と置かれていく。ジョッキを手…

香月 聡
3か月前
12

【短編小説】ブルーベールに集う(3)

 居酒屋から出て、高架下を通り、スターロードへと歩いていく。互いに何も話さずとも、同じ場…

香月 聡
3か月前
8

【短編小説】ブルーベールに集う(4)

 ソーダ水のようにしゅわしゅわと泡が上っていくのが見える。 口の中に潮水が流れ込み、息が…

香月 聡
3か月前
9

【短編小説】ブルーベールに集う(5)

 灼熱の白い太陽が目の前にあるにもかかわらず、暑さを感じることはなかった。 青年は概念を…

香月 聡
3か月前
7

【短編小説】ブルーベールに集う(6)

 朝焼けとともに昇る太陽はやがて西へと傾きながら海を染め、静かな夜を迎える。そして再び広…

香月 聡
3か月前
11

【短編小説】ブルーベールに集う(7)

 船が目の前で止まると、ぼろ切れの衣装に剥き出しの骨のような手でパドルを握る顔のない船乗りが座っている。 思わずぞっとし、躊躇いを感じていると先ほどの小鳥が羽ばたいている。再び肩にのり、誇らしげに小さな胸を突き出した。 「そうか、お前が呼んでくれたのか。なら、乗らないとな。」 そう言って、舟に乗り込んだ。  顔のない舟乗りはひたすらパドルをこぎ続け、すぐに島までたどり着いた。海岸に近づくと、一人の少女が砂山を築き上げている。ブロンドの髪にミントグリーンのスカートが風に

【短編小説】ブルーベールに集う(8)

少女はバターが塗られたパンと大きな野菜がごろごろと入った熱いシチューを置いた。  いた…

香月 聡
3か月前
8

【短編小説】ブルーベールに集う(9)

 小さな瞳から透明な涙が溢れ、鼻と頬を赤くして泣いているのは、まぎれもない、面影を残した…

香月 聡
2か月前
8

【短編小説】ブルーベールに集う(最終話)

 「あの世界にいた子供のままなの。何かが変わったり、失ったりすることをただ見つめることし…

香月 聡
2か月前
9