【短編小説】ブルーベールに集う(7)
船が目の前で止まると、ぼろ切れの衣装に剥き出しの骨のような手でパドルを握る顔のない船乗りが座っている。
思わずぞっとし、躊躇いを感じていると先ほどの小鳥が羽ばたいている。再び肩にのり、誇らしげに小さな胸を突き出した。
「そうか、お前が呼んでくれたのか。なら、乗らないとな。」
そう言って、舟に乗り込んだ。
顔のない舟乗りはひたすらパドルをこぎ続け、すぐに島までたどり着いた。海岸に近づくと、一人の少女が砂山を築き上げている。ブロンドの髪にミントグリーンのスカートが風に