スマホの依存の手から逃れたいと思うなら人間本能を理解するしかない
何か調べごとをしようとしてスマホを一度手に取って、ついでにメールチェックをする。
SNSのタイムラインやトレンドワードを確認していたら、当初の目的とは全然関係のないことに没頭してしまっていた。そんな経験をしたことがある人は多いのではないだろうか。
私はスマホの依存から逃れたい。しかし、YouTubeを見るのが辞められない。気が付けば23時だ。
結局、このスマホ依存から逃げ出す方法はないのか。そんな人向けの内容です。
脳がハッキングされる感覚
スマホは、いまや私たちにとってごく当たり前の存在。パソコン要らずでもスマホ一つで何でも出来てしまう
人間は、地球上に現れてから99.9%の時間を、狩猟と採集に費やしてきた。
そのため私たちの脳は、今でも当時の生活様式に最適化されており、この1万年のあいだ変化していない。
生物学的にいうと、脳はまだサバンナで暮らしている。脳は睡眠や運動、お互いへの強い欲求を備えており、こうした欲求を無視し続けると、精神状態が悪くなる。
実際に先進諸国のほとんどで、睡眠障害の治療を受ける若者が爆発的に増えているというデータがある。
それは人間が新しいテクノロジーに適応するべきなのではなく、テクノロジーが私たちに順応すべきなのではないだろうか?
テクノロジーには一長一短があると理解し、金儲けのために人間の特質を利用するのではなく、人間に寄り添ってくれるような製品を求めていかなければならない。
社会の急激な変化に追いつけない
人間も動物も進化してきた。進化は突然変異と環境への適応によって生じる。進化にも多種多様があると思う。
それと同様に、10万年前のサバンナに生きた人類は、甘い果実を食べると大量のドーパミンが分泌されるように進化した。
食べられるだけお腹に詰め込める遺伝子を持った個体のほうが生存しやすく、子孫を残す確率が高かった。
こうして強いカロリー欲求を持った子供が徐々に増えていき、何千年か経つとカロリーへの欲求は一般的な性質となった。
現代社会では、食料が限られていたサバンナと違って、ファストフード店に行けばお腹がはち切れそうになるまで毎日でも食べ続けることができる。
だがカロリー欲求に従い暴食を続ければ、健康には良くないだろう。
カロリー欲求は、人類の歴史の99.9%の期間、私たちの生存を維持してきた。
しかし、このような問題がある。
ほんの数世代の社会の変化によって、こうした性質が突如として害を引き起こすようになった。
人間は長年、狩猟採集的な環境に適応するべく進化し続けてきた。だから急激な社会の変化に対応できていない。
それに便利な物が増えれば増えるほど社会変化は激しくなるもので今後もこの社会変化は続くと見られる。
ネガティブとポジティブ
脳は生き延びて遺伝子を残すため、「今、どうすればいい?」という問いに答えようとし、感情によって正しい方向に自分を動かそうとする。
人間のあらゆる活動は、自分の精神状態を変えたいという欲求の結果である。例えば、脅かされると、私たちは怯えや怒り、逃げや攻撃という行動をとる。
人類の歴史上、ネガティブな感情は、即座に対応しなければならない脅威と結びつくことが多かったため、ポジティブな感情よりも優先されてきた。
私たちの祖先は、脅威のほうがはるかに多い環境に生きていたのだ。だから強いストレスや心配事があると、それ以外のことを考えられなくなってしまう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?