見出し画像

2023年末、父の受難

先日のクリスマス時の父の状態が思ったより悪そうで、運転も難しそうとのことだった。しかも母が運転できないので、急遽クリスマスの翌日、実家へ行った。

▽その時の父の状態についてはこちら

父は以前インフルエンザになった時に病院へ行こうと歩いていると、前へ前へ勝手に身体が進んでいき、コケたことがあるのだが、今回も同様になりコケたらしい。

実家に到着し、父を見ると、

カールおじさんのヒゲがベージュ(絆創膏)版+サンタクロースのおじいさんの顎髭のようなガーゼか何かが貼られていた。

そのサンタクロースの顎髭姿は亡くなった父方の祖父にそっくりで、母とその話で盛り上がった。

手のひらの皮も剥けたらしく、両手ともガーゼが貼られていた。

あちこち所々血が滲んでいるのが、何とも痛々しい。

コケてから一日経過したことにより、打ち身のせいか、コケた時に変に筋肉を使ったのか分からないが、あちこち痛みが発生してきているらしい。

運転も本人はできないことはないと言うが、もし痛みでできなくて、二次被害を起こしても困る。

私がたまたまその後の様子を聞くためにかけた電話が、母がタクシー会社に電話しようかと悩んでいるタイミングだったので、悪いけど来てくれると大変助かるとのことで、私は実家に行ったのだった。

コケた時、周りに誰もおらず、動くこともできず、しばらくうつぶせのままでいたらしい。よく車が来て轢かれなくて済んだなと改めて心配した。

あまりにも起きられないので、渾身の思いで携帯をかけて母に助けを呼んだようだが、これまた運悪く、母は用事のため外におり、家の中にあるいずれの電話にも気が付かなかったらしい。

仕方がなく、何とか起きたが、今度はメガネが少し歪んで、そこへ血溜まりができてしまい、視界も悪くなり、踏んだり蹴ったりそのものだったらしい。

そんな状態では私も心配なので、改めて来てよかったなと思った。

微熱があるから前へ前へフラフラと(?)しながら倒れたのかもしれないというようなことも言っていたので、病院の中に寒いのに入られず、ドアの外で問診等させられていた。

私は何も考えず、消毒をして、画面で検温をし、中で待っていたが、なかなか両親が来ない。

LINEをしても既読にならないし、どうなってるのか?と思い、病院の出入り口玄関まで見に行ったら、まだ入られないと言う。

これでは、余計体調が悪くなるのでは?と心配したが、病院の対応としても、インフルエンザやコロナが流行ってるとそんなもんなので、しかたなく待っていると、病院の方に「〇〇さんのご家族さんですか?」と声をかけられた。

「はい、そうです。」

「では、インフルエンザやコロナの検査を車でさせて頂きますので、車種等詳しく教えてもらえますか?」

「え?私の車でやるんですか?」

思わず同じことを2回聞いてしまった。

今回行った病院は、そんなに小さい病院ではないので、そういう患者専用の部屋があっても良さそうなのに、車でやるなんて…そんな事私は聞いたことない。

母も同感だったようで、2人で「不思議やなぁ。」と話しながら3人車の中で待っていると、看護師さんらしき方が綿棒みたいなのをもってきて、父に今から検査をすると言ってきた。

「では左の鼻の穴でさせてもらいますね。」

と言って、奥まで入れてグリグリしだした。

「んんんああぁぁあぁぁああぁーっっ!!」

と父が助手席で痛そうに、これまた何とも言えない声で絶叫していた。

実は私は、こういった検査が大変苦手で、今までインフルエンザで一度受けたが、初めてで何をするのか説明なくいきなり近づいてきて、

「ちょっとだけだから、ちょっとだけだから。」

と言って、鼻の穴をグリグリされた際、その医師を突き飛ばしたことがある。

加藤茶じゃあるまいし、ある程度何をするのか前もって言って欲しかった。

医師達のお陰で、色々助けられているのはよーく分かっているのだが、痛みと恐怖心が人一倍敏感なため、この体内にモノを入れられる系、注射等、とても苦手で、各医療従事者には本当に迷惑をかけ続けており、改めてこの場を借りてお詫びしたい。

勿論その都度謝罪もするし、ずっと申し訳ないと思っているのだが、これだけは山本リンダじゃないが、

どうにもこうにも止まらない。

今年入院した時も、唾液で済むように、必死になっていたぐらいで、されるのは勿論、テレビで見かけるのでさえ、かなり無理なのに、身内がすぐ隣の助手席で鼻の中をグリグリされるのを見ているだけで、失神しそうだった。

父が一番辛い思いをしているが、その痛みが分かりすぎてこちらも辛くなる。

父は、結局その後、内科、レントゲン、整形外科に行った。

幸いケガのレベル的には軽症で、他に問題もなく、インフル&コロナも陰性だった。

母が薬をもらいに行っている間に、私は父の背中をずっとさすりながら、少し話しかけていた。

ケガ等残念だったが、他にややこしいことになってなくて無事で本当に良かったと思った。

_____

結局薬をもらって帰ってくると昼過ぎまでかかり、お昼を外食で済ませることになった。

最近、ダイエットで我慢していたが、餃子やラーメン、チャーハンなどが食べたくて仕方がなかった。

しかし、一気に食べてはいけないので、両親とシェアをすれば、少しずつ欲望を満たせるかも知れない。

父がこんな時に、我ながら何を考えてるんやと自分にツッコんだが、意外にもうどんを所望していた父も行っても良いと言い、結局その手の店で昼食を済ませた。

こういったものを食べるのはいつぶりだろうか?と思いながら、少しずつ色々食べることを堪能したのであった。

_____

その帰り、父を家に送ってから、母と買い物に行くことにした。

今回のことで、家の絆創膏の在庫がゼロになったらしいので、それ含めて、買い物に行きたいらしい。

父は何故か「メンソレータム」と何度も言っており、買ってきて欲しそうだが、今のケガの具合でそれを塗ったら、ヒリヒリしてとんでもないことになるのでは?と話したが、母が、

「私が買うもの考えるわ!!」

とキッパリと一喝し、

父の“メンソレータム”の希望の声は届くことなく、あっけなく却下されたのであった。

その後、毎日電話して状態を聞いているが、思ったより回復力が早いようで、カールおじさんとサンタのおじいさんヒゲはすぐに取れて、今では車で15分程のところまで運転できるようになったようだ。

仕事も年内は休むことにしたようだし、この際ゆっくり休んで、ケガや疲れをしっかり治して、来年に備えて欲しいと思っている。

今まで、父は少し忙しい日が続いていたのも事実なので、自然に身体が元通り動くようになるまで、しっかり養生して欲しい。

それにしてもあのカールおじさんとサンタクロース姿は、思い出しただけでちょっと笑ってしまいそうになったが、二度と見ないことを娘は願っている。


…ただ、これが年始に繋がる序章とは、この時まだ誰も知る由はなかった…。

▽その続きはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?