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高校時代の、切ない思い出(前編)

“この曲を聴くとあの頃を思い出すなぁ。”というものは、皆それぞれあると思う。

私の場合も、勿論色々ある。
その中で今回はUNICORNとBOØWYまつわる話である。

UNICORN…私が人生で初めて行ったコンサートでもあるバンドだ。

色々好きな曲はあるが、アルバムでお気に入りを2位まで挙げるとすると、やっぱりこれになるだろうか?

▽UNICORNで私の一番いっちゃん好きなアルバムはこちら

▽甲乙つけがたいが、涙を飲んでの2位はこちら

高校時代の友人に借りたのをきっかけに、どれだけカセットテープに録音して、聴き倒したか知れない。(現在は中古で手に入れられてなかったCDも入手済)

ちなみに冒頭の初めてのコンサートに連れて行ってくれたのは、当時付き合っていた彼氏であった。

彼とは音楽の趣味も合っていたので、バンドスコア譜面をお金を出し合って購入し、色々やってみたこともある。

その彼の家は割と裕福で、キーボード、エレキギター、ぞうさんの形をした簡易的な?エレキギター、当時では画期的だった“音楽用パソコン”みたいなもの(名称不明)があった。

そのパソコンでは私が十八番おはこにしている曲をキーボードで弾いてみると、音を拾って、音符にしてくれるのである。

…ただし、ちょっとでもリズムがズレると、32部音符がたくさん入った複雑な譜面になるので、参考程度にしかならないところが残念だったが、自分の力量もあるので何とも言えない。

私達が一番お気に入りだった曲はアルバムのタイトル通り、“ケダモノの嵐”であった。

私はいつものごとく、“メロディー重視派”なので、曲を堪能するために、お得意の“ワンリピート”で激しく聴いていた。

彼はギターを練習中で、弾けないフレーズも色々あるようだったが、できる範囲で一度これを彼の家にある“数々の機器”を活かして、演奏してみようという話になった。

2人しかいないので、彼はギター、私はキーボードとそれを使ってドラム、メロディー、ベースの音を弾いて、何度も重ね録りをした。

今ならもっといいやり方もあるだろうが、当時の機器と私達の技術ではこれが精一杯だった。

そして、音質は重ね録りなのであまり良くないが、ついにできた!

2人で聴いた時、とても感動したのを覚えている。

そして、カセットテープに録音した。
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UNICORNと共に彼の影響でBOØWYも聴くようになった。

▽2人で当時よく聴いていたBOØWYの曲が入っているアルバムはこちら

他の友人カップルと共に4人で遊ぶ日もあったが、彼の家で2人でUNICORNと同様な感じでBOØWYも演奏したりしていた。

その後、その4人でスタジオを借りて、何の曲をやったか、はっきり覚えていないが(多分BOØWY?)、私はブラバン時代の先輩の見よう見真似でドラムを叩き、彼がギター、男友達がベース、女友達がキーボードを弾いていたと記憶している。

その時の演奏は、皆、大したことはできなかったが、スタジオに初めて入って楽器を演奏したことも、4人で遊べたことも、とても楽しかった。

今から思えば彼とお付き合いしながら音楽活動をしたり、その4人で、放課後に公園等へ行ってダベったりしたことが、“私の青春”だったのかもしれない。
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彼は私がピアノを弾けることに対して、いつも褒めてくれていた。

「うまいなぁ~。どうやったらそんなに弾けるの?」

できないことが多い私にとって、褒められたり認められることが少なかったので、素直に嬉しかった。

音楽以外にも性格的に話も合う彼と、小さい頃から結婚願望が強かった私は、22歳位で結婚したかった。彼にも話しており、一応その当時はその気でいてくれたようだ。将来はこうしたい、ああしたいと2人で話していた。

それに対して、色々な夢も広がっていった。

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高校3年間、同じクラスだったが、卒業後は別々の道へ進んだ。

彼が卒業後に進学した学校は、私が本命の受験に失敗したら受けようと思っていた学校だった。本命の受験を失敗した彼に私が紹介したのである。

するとあれだけ毎日のように一緒にいて、楽しくて、絆も深かったのに、会えない日が当然多くなる。

そのうち、就職活動も増えてきて、“超氷河期”と言われていた時代だったので、私は就職活動に必死だった。

彼も同時期に卒業なので、就職活動に対してどう思っていたか分からないが、毎日いつもと変わらず、電話してきていた。

電話は嬉しい。私だって声を聞きたいし、話したい。

…でもここで頑張らないと、色々将来的に困る。

「明日面接だから…他にも活動で時間がないからしばらく電話をしないでほしい。」

と、少々怒りながら、彼に言った。

なぜなら早く就職を決めて、活動を終わらせられたら、また会える日が来ると思っていたから…。

そんなある日、当時既に占いにもハマっていた私に、彼から“ある人”を見て欲しいと頼まれて、占いをしたことがある。

その時は別に何も思わず、普通に占った。

そして就職が決まり、これでやっと気兼ねなく連絡したり会えると思った矢先、電話がかかってきて、

突然振られた。

「何でよ!」

「他に好きな子ができたから。」

「………。どういうこと?」

ちなみに、以前頼まれて占いをした人は、私が紹介して通っていた学校で出会った、“彼の好きになった人”だったらしい。
しかもまだ私と別れていないのに、2人で旅行に行ったという。

あまりのバカバカしさに、私は怒り狂った。

しかし、向こうの気持ちが離れたしまったものは仕方がない。

「…わかった。じゃ別れよう。」

そうして私達の3年8ヶ月はあっけなく終わった…。

“ケダモノの嵐”の冒頭にある、

鳩尾みぞおちに食い込んだ よくある別れ話♬
〈UNICORN “ケダモノの嵐”より一部抜粋〉

…あれほど好きだった曲の、歌詞通りになってしまった。

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後編へ続く…

▽後編はこちら


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