「どの道いつかすることなら、1日でも早いほうがいい。」は、本当だったこと。
かなりの高確率で、歯医者にいくのが好きとういう人はいないと思う。
早く行けばいいのはわかってるんだけど。
案の定、「もっと早く来れなかったの??」と歯医者さんに呆れ顔で言われた。
前々から、「これは抜かなくてはいけないよ」と先生に言われていた親知らずを知らんふりして数年。。。
理由は、ただ単に怖いから。
私は恥ずかしいほどビビリな小心者なのだ。
しかし遂に、突然の強烈な痛みとともに、私の親知らずが自己主張し始める。
同僚とランチの最中だった私は、あまりの痛さと驚きでフォークを落としそうになった。
↑ 口の中で激痛が駆け抜けたその時の私の脳内イメージ。
どんな表情をしても、絶対的にかわゆい猫ちゃんをイメージ図につかいうなんて卑怯だ、と言う声もあるだろうが、私も多少の見栄があることに免じて許してほしい。
心の中の顔もこのままで、緊急で歯医者に連絡をして診てもらった時医師の一言が、今回の記事の冒頭のセリフとなる。
前置きが随分長くなったが、
歯医者の診察台で口をMAX開きながらこの台詞を聞いた時、
『あ、このセリフに心当たりあるな』、とふとお思った。
それは私が前夫と離婚したい、と思った時...。
私の前夫は今でいうDV男だった。
最初は「知的でミステリアスな夫」だったはずの彼は、徐々に
ダメ夫 → モラ夫 → 暴力夫
といった見事な定型パターンで、転げ落ちるように変貌していった。
それでもそんな彼と長く一緒にいたことで、
私も『共依存』の穴にどんどん落ちていった、と 今なら冷静に振り返ることができる。
配偶者からのみならず、身体的・精神的暴力を受け続けると、人間は自己肯定感がどん底まで落ちていく。
私のように元々既に自己肯定感が低い人間なら、その分更に速度増しで落ちる。
心なんてズッタズタで、これからの未来予想図も真っ暗でしかないのだけど、
「そこから向け出し、幸せになれる自分」なんてものは想像もできない。
もう全く。
そんなある日、私は自分が妊娠する夢を見た。
夢の中でも私は旦那の機嫌がいつどう変わって怒りだすのかに怯えて、ただオロオロしていた。
ハっと目が覚め、本当に夢でよかったと心から安堵した。
そして横でまだ寝ている彼の顔を見ると、
万が一この人との子供ができてしまってら... と思うと心底ゾッとした。
元々私たちは子供を持つことは考えていなかったけれど、
もしもそんな事になってしまったら、旦那(前夫)の暴力で人生お先真っ暗になるのは私だけじゃない。
子供にまでそんな思いをさせる事なんて、と想像するだけで苦しくなる。
その時やっと、初めて『離婚』という文字が頭に浮かんだ。
と同時に、私の気持ちはすぐに固まった。
それからの私の行動はとても早かったのだけど、その時何度も強く思ったのは
「離婚するなら、人生やり直すなら、1日でも早いほうがいい!」ということ。
フランスで一人だったから、周りに頼る人もいなかったけど、
でもスイッチが入った私は、「どうせするなら、1日でも早く。」を自分との合言葉に、なんとか行動を起こせたのだった。
もちろんそこからいろいろなことがあって、
簡単には離婚手続きは終えれなく、数年の月日が経ったのだけど、
私はちゃんと第二の人生を歩めてるし、幸せを感じることもできるようになっている。
あの時、もし二の足を踏んでいたらどうなっていたんだろう??と思うと、
今でも背筋がゾッとする。
それ以降、私は自分自身が納得して気持ちが固まってるなら、すぐに行動に移すように心がけている。
そうじゃないと、やり直しの時間をみすみす逃しちゃう...!
・・・ただ残念な事に、『親知らず』の件だけは別だ。
100%自分のせいだとわかっているが、怖いものは怖い!ホント。
一通りチェックを終えた医師は無表情で言った。
「もうこれね、上下左右の4本の親知らず、すぐに全部抜かないともうダメですね...。」
すぐにアレよアレよと、全身麻酔で抜歯4本の手配を進められてしまい、
お食事中のハムスター顔で1ヶ月間、
大量の鎮痛剤とともに自宅療養する羽目になった。
◆この記事を書いてる人の紹介はこちら◆
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?