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韓国佛教#05.セゴ寺〜急な階段と建物に紛れて突然現れる変わった造りのお寺〜

 人のいない静かなカフェでボーっとをしたいと思ったときは、付岩洞(부암동)へ行くことが多いです。この地域には地下鉄が通っておらず、そのおかげで休日でも人はあまり多くありません。

 付岩洞まではバスで行きます。ある日のこと、付岩洞に行く手前で建物と建物の合間にあるお寺を見つけました。

 今日はそのセゴ寺というお寺をご紹介したいと思います。


大韓佛教一乗宗 セゴ寺(세고사)

 基本的に韓国の寺院は山の中腹に建てられることが多いですが、このお寺は街の中に紛れて建てられていました。いいえ、小高い山沿いに街が作られて、そこの建物に紛れるようにしてお寺が建てられたと言った方が正しいのかもしれません。

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 お寺の名前はセゴ寺(세고사)。街灯の表示によると大韓佛教一乗宗だそうです。

 どんなお寺なのかとネットで検索してみましたが、情報はほとんど見当たりませんでした。あるのは google map くらいで、ホームページもありません。これは韓国では珍しいことです(だと思います)。この国では、多くの寺院がホームページを持っており、なかったとしても自分たちが属する宗派のサイトに詳しく紹介されているからです。

 ということで、今回はお寺の名称の漢字も確認できませんでした。


◆一乗宗

 代わりに、セゴ寺の宗派である大韓佛教一乗宗について調べてみました。

 大韓佛教一乗宗は一乗寺の僧侶である崔惠正により1963年に開宗しました。釈迦牟尼仏を御本尊として祀り、妙法蓮華経を経典としています。宗旨は会三帰一(※1)の一乗法(※2)で、破邪顯正(※3)の菩薩道を実践します。(Wikipedia より翻訳)

※1)声聞縁覚菩薩という三乗の教えを会して、一乗の教えに帰せしめること。
※2)悟りを開くための唯一の道である一乗真実の教え。主として法華経をさす(コトバンク)。
※3)邪説・邪道など、誤ったとらわれをうち破り、正しい道理をあらわすこと(コトバンク)。

 1963年に開宗されたということで、歴史はそれほど長くはないようです。情報が少ない理由の一つにはそのようなことがあるのかもしれません。


◆お寺までの道

 セゴ寺ですが、行くまでがちょっと大変です。理由はこの急な階段です。急勾配過ぎて、下からだと一番上まで見えません。

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 しつこいようですが、この階段は写真の見た目以上に急なのです。

 登った先にはお寺があるのと分かっていたので、えっさほいさと登っていましたが、もちろん一気に登り切るなんてできません。おかげで途中で振り返り、下を見てしまいました。

 その瞬間、非常に重要なことを思い出します。

あ、自分、高所恐怖症だった😨😨😨

 ジェットコースターに乗ったときのような内臓がもわんと浮く感覚に襲われます。足の力も抜け、「ここではやめてケロ。 石の階段で転げ落ちたら、血ぃ〜ダラダラ。最悪の場合、ニュースに出ちゃうよ。海外で、それは嫌(日本でも嫌だけど)」と内心ちょっぴり焦ります。

 そんな状況でも、何とか登り切りました。頑張った、自分。


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 上まで登って分かったのですが、このお寺の造りは独特で、階段を上り切る手前の左右両端に建てられていました。


◆梵鍾閣(鐘楼)

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 まず最初に見えるのが梵鍾閣(鐘楼)です。下から見上げた場合、階段を挟んで左側に梵鍾閣、右側に御堂が建てられていました。限られた狭い敷地をうまく利用した造りです

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◆地蔵殿

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 御堂はふたつあるのですが、急斜面の地形を利用して上下に建てられていました。二段になった敷地のそれぞれに御堂がある、というと想像しやすいでしょうか。

 写真にある地蔵殿はそのうちの下の御堂になります。地蔵殿という名前の通り、かわいらしい小さなお地蔵様をちらほら見掛けました。

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 韓国では、御堂への出入りは自由にできるように開いていることが多いのですが、残念ながらこの日はすべての戸が閉まっていました。お寺全体がとても静かだったので、僧侶の方全員が出払っていたのかもしれません。地蔵殿という名前が興味深かったので、御堂の中に入って御本尊にご挨拶をしたかったのですが、また今度の機会にしようと思います。


◆大光寶殿

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 上の階には大光寶殿がありました。こちらがメインのようです。

 大光寶殿は地蔵殿と比べても歴史を感じます。また、軒下には龍がたくさん飾られていました。この造りにも意味やいわれがあるんだろうなあと思いつつ、御堂を一周しました。


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◆お地蔵様へご挨拶

 写真にはありませんが、大光寶殿の裏には地蔵菩薩が一体祀られていました。整った顔立ちをし、清廉な空気を醸し出す素敵なお地蔵様です。

 (急におかしなことを言いますが)お地蔵様のいる空間があまりにも神聖で厳粛だったため、この仏さまの後ろには宇宙が広がっているように見えました。まさに、赫々たるエネルギーに吸い込まれていきそうな錯覚に陥り、少しだけですが、恐怖を覚えました。

 あれは何だったんだろうーー。


◆その他のお寺の風景

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 頑張って階段を上った甲斐がありました。お寺から見る景色は美しく、時折吹く風も気持ちよかったです。

 こうして、ふと出逢うお寺も素敵ですね。

 ではでは😊

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