書籍#05.『自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ(著)市中芳江(訳)
少し前に読んだ本ですが、ここ数年のテーマである「意識を変える」という点において役立った書籍をご紹介したいと思います。
アラン・ピーズ(Allan Pease)氏とバーバラ・ピーズ(Barbara Pease)氏による『自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』です。英語のタイトルは ”The Answer: How to take charge of your life & become the person you want to be” です。
『自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ(著)市中芳江(訳)
◆本書の目的と特徴
本書では、あなたが人生で心から望むことは何なのかをはっきりさせて、それを手に入れるための方法をお伝えする。
望みを叶えるための How-To 本はたくさんあると思いが、本書では今まで言われてきた「目標設定」「視覚化」「アファメーション(自己暗示)」「祈り」「アルファ支配」「引き寄せの法則」などの方法が現実化においてなぜ効果があるのかを脳幹にある情報仕分けシステムを用いて解説し、その上で、望みを叶える具体的方法を提示しています。
◆Reticular Activating System(網様体賦活系)
脳には、あなたが自分で思い通りにプログラミングできるシステムがあり、これをうまく操作すれば、何処へでも行きたいところへ行けるようになる。
本書では Reticular Activating System(RAS)、日本語では網様体賦活系(もうようたいふかつけい)と言われる脳内機序をうまく利用することで、望む未来を手にすることができると訴えます。
1.RAS とは?
「RAS」というのは、哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、身体の生命活動を維持する働きだ。
RAS は様々な生命活動に関与していて、この働きがなければ人間は生きていけないとまで言われています。例えば、睡眠、覚醒、呼吸、心臓の動き、老廃物の処理、行動意欲、意識レベルのコントロールをなどの活動すべてが RAS と深く関わっています。
2.情報仕分けシステムとしての RAS
ここで重要なのは、RAS は外部からの情報を仕分けして脳へ届ける作業も行っているということです。
人は感覚器である目、耳、舌、皮膚などから外部の情報を受け取ります。受け取った情報は脊髄を通って RAS へと送られ、RAS は送られてきた情報をフィルターに掛けて必要のない情報を削除し、必要な情報のみを脳に送ります。つまり、脳は RAS によって選別された情報をもとに考えたり、感じたりしているのです(ただし、匂いに関しては RAS を介しません)。
脳は毎秒4億ビット(1ビットはコンピュータが扱うデータの最小単位)もの情報を処理しているが、そのうち意識的に処理される情報は、わずか2000ビットである。残りの情報は意識にものぼらない。
つまり、脳に毎日送られる情報のうち、99.9999パーセントはあなたの知らないうちに処理され、消えている。なぜなら、そうでもしなければ、日々を平穏無事に過ごすことなどできないからだ。
3.RAS による情報仕分けの基準
RAS にとって優先順位の高い情報とは、既に知っていること、信じていること、興味があること、重要だと思っていることなどです。つまり、自分の信念や思考がまずあって、それに合う情報を RAS が選別しているのです。
RASは、私たちが信じること、考えることだけに注意を集中し、信じると決めた道へ向かうための情報だけを集めて、それ以外の情報はすべて排除する。
4.RAS をプログラミングし直す
これは、RAS をプログラミングし直すことで脳が受け取る情報を変えることができることを意味します。つまり、自分の望みを明確にし RAS における優先順位を上げることで、望みを現実化させるための情報が受け取りやすくなるのです。あとは RAS を通して得た情報を熟考し行動に移せば、おのずと現実は変わっていくのです。
◆本書をおすすめする人
本書では 「RAS の働き」と「自分の望みを明確化することで現実化に導く方法」を紹介しています。このように、現実化に関わるメカニズムと現実化を導く具体的な方法を同時に知りたい方にはおすすめの一冊だと思います。
ただし、RAS のメカニズムのみ、または現実化の具体策のみを知りたい方には他にも適した書籍やサイトがあるかもしれません。
また、本書で紹介している方法で望みを叶えたい場合は、当たり前のことではありますが、行動することの重要性と外野の声に惑わされない強さを心に留めておく必要があるかと思います。
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興味のある方はぜひご一読ください。
ではでは😊