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芥川賞候補作全て読み終えた感想

9月中に候補作全て読み終えました。
私は専門家でもないし、純文学に詳しいわけでもないので、評論はできません。
読んでみて自分なりの感想を書いてきました。

・エレクトリック
・ハンチバック
・我が手の太陽
・##NANE##
・それは誠

文藝春秋9月号に9人の選評委員が、それぞれの作品について意見を述べています。
選評の概要がこちらから見れます。


・プロの目線は違う

文藝春秋の雑誌に載っている選評を読みながら、
「こんな見方があるのか」と勉強になりました。
私が気づかなかったところも少なくありません。

9人分読んでみて感じたのは
プロの間でも、個人によって評価が違うです。

今回の場合受賞作の『ハンチバッグ』は
全ての委員が高く評価していました。
それ以外の作品については、分かれています。

ある選評委員が
とても高く評価していると思った一方、
別の委員は厳しく評価している作品も
珍しくありません。

全く同じ考える人はいないので、
意見が分かれるのは当然ですが、
ここまで違うものかと思いました。

今回は1作品だけ受賞なので
そこまで分かれなかった印象です。
受賞作が2作ある回は
意見がまとまらなかっただろうと想像しました。

・それでは選考にならぬ

奥泉光委員の選評のこの一言に共感を覚えました。

どれか受賞をしてもおかしくないと思えたが、それでは選考にならぬので、小説作りの技術的な配慮の点で優れたものをと思い、選考会に臨んだ。

文藝春秋2023年9月号 p208

候補作発表から受賞作発表までの間に全て読んで、受賞予想をしてる方を見かけます。
書いてる人は純文学のコアなファンが多いイメージです。

正直「私はここまでできない」と感じました。
どの作品を読んでも「どれが受賞してもおかしくない」と感じるからです。

そもそも多くの作品の中から、選ばれるのは5作。
候補作に上がる時点で、一定の評価をされています。
その優れた作品から更に1作品を選ぶのは難しいと感じました。

・私はどうするのか。

受賞予想をするのはもっと詳しい方に任せます。

「この作品を読んで何を学んだか」
「実生活で考え方をどう生かそうか」
私はそう考えて読むことにしました。

今回5作読みましたが、
いずれも私が知らない世界を覗いた気分でした。
それだけでも読む価値があると思います。

芥川賞候補作を全部読むというのを
第167回からやっています。
今回で3回目です。
純文学の小説に慣れてきました。

コアなファンは文芸雑誌を読むのかもしれません。
しかし、どうも私には単行本の方が勝手がいいと感じます。読むのは単行本が出てからです。

文芸雑誌を初めて読んでみましたが、文字量が多い!
内容も読み応えがあり、ネット記事を読むように
サラサラと読めませんでした。

「日本人の2人に1人は本を読まない時代に、
こういう本は商売が成り立つのか」と不思議に思うくらいです。
それを考えると、まだまだ日本人の読書体力は捨てたものではないと感じました。

気になる回だけでも読んでみようと思います。

以上、ちえでした。
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