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お盆の時期に読みたい小説3選

子どもたちは今日から、
夫は午前中の仕事が終わってから、
お盆休みに入りました。

お盆の時期になると、
終戦記念日である8/15が近づきます。

6日は広島原爆の日、9日は長崎原爆の日です。
どうしてもこの時期は、戦争や平和について
考えさせられます。


・骨灰(冲方丁著)

不動産開発会社で働いている主人公が
SNSに投稿されている内容を確認するために、
ある工事現場に行きました。

そこにいる男性を逃がしたことをきっかけに
次々と異変が起こります。
突然骨の焼くような臭いが漂います。

この作品を読んで、驚くべきことを知りました。
江戸・東京は250年間でなんと
大火災が100回以上も起こっています。

火災だけでなく、関東大震災や東京大空襲でも
多くの人が焼け死んだ過去があります。

関東の土は酸性で骨が溶けます。
そのため、残っていません。

最後に主人公が、
「知っているか? おれたちみんな、死者の上で生活しているんだ」(骨灰p395より)と
家族に言おうとしてやめます。

戦時中に空襲や原爆投下で
多くの人が犠牲になったのと、
「死者の上で生活している」という言葉が
重なりました。

・八月の御所グラウンド(万城目学著)

2篇収録されていますが、
特にオススメしたいのは
表題の『八月の御所グラウンド』です。

主人公は理系の学部の大学生です。
彼女にフラレたため、京都に残っていました。
そこで友人から草野球に誘われて参加することに。

今の時期にピッタリなのもありますが、
戦死したはずの有名な野球選手に似ている人が
参加していたことに気づくシーンがあります。

「亡霊!?」と不気味がりそうなものを
「みんな野球がやりたかったんだなぁ」と
共感しているところに
登場人物の優しさを感じました。

・地図と拳(小川哲著)

多少フィクションが含まれていますが、
「戦争に勝ったからこそ、負けた」という
一見矛盾している言葉がしっくりきました。

論理的にはこうした方がいいはずだけど、
感情で動いてしまうと実感。

日本人、中国人、ロシア人、
様々な立場の登場人物の目線で見ているので、
「みんなそれぞれ立場が考えがある」と感じました。

・感想

私は昭和最後生まれです。
幸いにも戦争を経験せずに大人になりました。

しかし、この平和な世界は、誰かが勝手に作ってくれているわけではありません。
私たちの先人が努力して維持し続けた結果と
考えさせられました。

私の祖父母世代は、戦争を経験しています。
まだ80年しか経っていないと気づきました。

直接、戦争や平和に関係ない作品もありますが、
考えるきっかけになりました。

以上、ちえでした。
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