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コーヒーの話のようでコーヒーの話じゃないかもしれない話

突然ですが
私、物を選ぶまでのプロセスがすごく好きなんです。探す、考え迷い悩む、選ぶって、大袈裟ではなく自分の感性に集中してアクセスしてる瞬間が心地よいのです。

例えば家で飲むコーヒーのために、豆を選ぶプロセス。

自家焙煎をしてるようなお店は当然コーヒーのアロマに包まれているけど、香りが充満しているからと言って買おうか迷ってる豆の香りを直接嗅ぐことは出来ないことがほとんどなので、香りも味わいも想像の中のものでしかないのですが、その想像はすごく私を幸せな気分にします。

仕事で何かを選択するとなると当然大なり小なり責任が伴って、人も絡むし常に真剣勝負だし緊張感も伴うしで、決して楽しくないですが、自分のための選択は誰にも迷惑もかけない自分だけの楽しみの一つなんですよね。結局は買って帰って封を開け香りを嗅ぎコーヒーを淹れ飲むまでその選択が自分の「好き」に当てはまるか分からず、当然当たりも外れもあるのですが、失敗も面白いと思えるのは仕事じゃないからですね。

今はコーヒー豆の価格が高騰してると言われてはいるものの、自分のチョイスがイマイチでも落ち込んで後悔するほど高額ではなく(そこまで攻めた値段のものも買わないし)、好みじゃなくても不味くない限りは捨てることもないので、このささやかな取捨選択の賭けを気軽に楽しむことが出来るわけです。

豆の情報のインフォメーション方法って
情報量もそれをどう伝えるかも千差万別で、それがまた面白いです。実際豆にたどり着くよりずっと前のこの段階、お店でこの最初のプロセスがまずすごく好きなんです。

文字だけだったり、チャートになってたり、挿絵があったり、味わいの世界観を表現するような写真が添えられてたりと、それぞれもうその時点でお店ごとの特色が出るもので。少ないコーヒー歴ではあるけど、文字情報なりお店の人との会話、そういうものって、飲む人にどう伝えたいか、飲む人とコーヒーがどう繋がることをイメージしてるのかが投影されていて、実際飲むコーヒーの香りや味わいの佇まいと通じるものがあるなって感じたりもします。


私自身は何を選ぶ時でも理論や知識のフィルターを通すのがすごく苦手なので、豆の詳細情報も一生懸命見るわりには熟読もしてるようでしてなくて(笑)
何度も目にしたり耳にした国や農園や精製のプロセスの種類も、よく行くお店のよく見てるはずのカードでも、言葉だけが無造作に頭の中で浮遊してるだけなので、わりと毎回えっと…なんだったっけ…ってな感じでゼロスタートです。コーヒーに限ったことではありませんが、情報を情報として知識として記憶ストックしていくことがすごく苦手です。私の脳みそどうなってるんですかね…昔から変わらずずっとそう。

なので、選ぶときもやっぱり詳細を把握して決めるというよりは、全貌ふんわり見渡してその日に引っかかるキーワードや印象のものをいくつか候補にして、情報を景色として補助的に眺めながら自分のその日の気分にアクセスして決める感じ。その瞬間の感度を優先させたいと思うと、知識が邪魔になることもあると思うので、問題なしかな☺️

私は、色から何かをイメージすることや、色で自分の感性が反応することが多いので、カラーチャートも然りだけど、挿絵や写真があると、ファーストインプレッションは言葉よりもまず何かしらの色に引っ張られることが多いかな。反対に文字だけの情報は一番頭を使います。
ちなみに、オンラインではコーヒーは買わないなぁ、二次元のスクロールでどれだけ時間をかけて情報にアクセスしても、なぜかあまり心が動かないので決められないんですよね。足を運んでお店の雰囲気に身を委ね鼻腔を擽られながら自然に心が動く感じが心地いいのです。

お店でコーヒーをオーダーしてその場で飲むのももちろん好きですが、買った豆を持ち帰り家で飲むのは、飲むまで想像とワクワクが小さくも長く持続するので、そちらもまたすごく好きなんです。
買った豆の袋の封を開ける瞬間は、自分の選択に対する答え合わせの第一段階でもあり、ちょっとドキドキします。待ちの時間が長かった分、その香りがすごくよかった時は、嬉しい気持ちも倍増するものです😆

お店で飲んだコーヒーが美味しいと、ついつい一気に何種類か買って、家でもその日の気分で豆選ぶみたいなことしたくなるし、
違うお店で同じ系統の豆を同時に購入して、おうちテイスティング味比べとか出来たらそれも楽しそうだなぁと思いつつ、豆は鮮度もあるのでそうそう大人買いは出来ませんが😌

これはコーヒーに限ったことではなくて、お花だったり、自分が纏う香り、広く言えば衣食住の中の五感で楽しむものを選ぶ時はいつも、直接自分のそのときの感性にアクセスするということなので、何を選んだかで逆にその時の自分の気持ちやコンディションが分かるということでもあるのです。コーヒーで言えば今はストック三種類、シャンプーは三種類、ボディソープ三種類、スクラブ三種類、香水の類も三種類…ふふふ…今のところ三種類マックスではありますが、それでもその瞬間の感性と、感性を動かすものの双方がピッタリ繋がるとやっぱり心地よくて、その日の気分も変わってきます。


何かを選ぶということは
自分を見つめることでもあり自分を知ることでもあると同時に、選ぶものを見つめることでもあり、選ぶものを知ることでもある。私が選ぶ豆は、お店の人によって選ばれた豆でもあり、その選ばれた豆には選んだ人のいろんなものが投影されている。そう思うと、たかがコーヒーされどコーヒーで、コーヒーを通しても人にアクセスしてる感覚が生まれるんですよね。それは全てにおいて通じることで、物を通して単なる情報としてではなく、その人の拘りやセンスや美学など、その人が携えているもの、そういうものを感じられるようになると、またさらにその物への興味と面白さが一歩進みます。最終的には物の向こうの「人」に自分が共鳴することが楽しいのかもしれません。

そうそう、
そういえば、先日お店で目に飛び込んできた幻のコーヒー豆、コピルアクを買ったんです。清水の舞台から飛び降りるお値段🤩16gで1700円くらいだったような…

100g、150g、200gのコーヒー豆を買うのに、あんなに豆を想像しよく吟味してから買う私が、運命の出会いをしたかのように迷いなく買いました。コピルアクを目にしたのは人生初めてで、それでビックリしたのと、値段の次元がちょっと違いすぎたので、なんかショック療法?アドレナリンが出てしまいました。暑い暑い日の暑い時間帯だったので、熱でちょっとバグってたのかもしれません。
後から我に返り、せめて特別な日にでも飲もうと思ったのですが、特別な日っていつよ😒……飲み時が分からず、結局普通に唐突に飲みました。
後日、知り合いからその味わいについて詳しく聞かれたのですが、全く答えられず(笑)

舌が肥えてると思われている私ですが、実は味覚嗅覚音痴なんじゃないかと思うほどに香りや味わいを分析するのが苦手です。感覚過敏なので多分匂いや舌は敏感なのに、自分でも不思議ですが分析は出来ず、なので当然言語化も出来ません。私の五感はただひたすら感じて揺蕩っているだけなのです。

その割にジャッジは自分の中では常にはっきりしていて、なんだかそれもまた不思議なのですが。でも五感って極めて生理的というか動物的な感覚なので、快不快が明確です。

すっかり夜ですが、今日の選択はこちら。これから淹れたいと思います。全てを済ませた夜にゆっくり飲むコーヒーもまたよき、ってことに最近気付きました。
癒しのひととき。もともと眠りが浅いので、カフェインの影響は気にしません😚

ここまで読み辿りついてくださった方、ありがとうございますね。長かったですね(笑)コーヒーの話のようでコーヒーの話じゃないかもしれない話、テーマすらないので書いてるうちにこの話はどこへ向かってるのか分からなくなってきたので、このへんで何のオチもなく終わってしまうことにします。唐突…😆




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