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マキネマ〜私的映画感想文〜

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映画好きライターによる、私的な映画レビュー。観た映画のメモがわりにも使います。
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2021年5月の記事一覧

「若おかみは小学生」監督:高坂希太郎/2018

「若おかみは小学生」監督:高坂希太郎/2018

こんなお話両親を亡くした小学6年生の少女・おっここと関織子が、祖母が女将を勤める温泉旅館に移り住み、跡取りの若おかみとして旅館の仕事を手伝う生活が描かれる。初めは失敗しながらの修業だったが、祖母の手助けをしたいという気持ちを持ち、様々な顧客と触れ合っていくに従い若おかみとしての自覚を持つようになったおっこが、次第に春の屋を大きくするという夢を持つようになり、様々な経験を経て大きく成長していく。

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「女王陛下のお気に入り」監督:ヨルゴス・ランティモス/2018

「女王陛下のお気に入り」監督:ヨルゴス・ランティモス/2018

こんなお話時は18世紀初頭、アン女王が統治するイングランドはフランスと交戦中だった。アン女王を意のままに操り、絶大なる権力を握る女官長のレディ・サラ。そこにサラの従妹で上流階級から没落したアビゲイルがやってきて、召使として働くことになる。サラに気に入られ侍女に昇格したアビゲイルだったが、ある夜、アン女王とサラが友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう・・・。

レビュー女王役のオリヴィア・

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サマータイムマシンブルース×四畳半

サマータイムマシンブルース×四畳半

私の好きな作家の一人。森見登美彦。彼の作品の中で特に好きなのが、アニメ化もされた「四畳半神話大系」です。

そんな四畳半シリーズと、ヨーロッパ企画の名舞台「サマータイムマシン・ブルース」が合体した「四畳半タイムマシンブルース」をようやく読了。

久々に四畳半シリーズの個性あふれる面々にお目にかかれて、いつものバカ騒ぎにクスリと笑わせていただきました。

ちなみに、「サマータイムマシン・ブルース」は

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「来る」監督:中島哲也/2018

「来る」監督:中島哲也/2018

こんなお話幼少期に謎の怪物“ぼぎわん"に遭遇した田原秀樹。 社会人になって、家庭を持った彼の元に謎の訪問者が現れて以来、彼の周りで不可思議な怪奇現象が起こる。

レビュー公開当時、賛否両論があったという本作。
中島哲也が撮るホラーって、さてどんなものなのか・・・。

で、蓋を開けてみたら、ホラーというより、ちゃんとしっかり中島映画!!

原作は“あれ”の正体やら取り憑く理由なんかが明確になっている

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「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」/2020

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」/2020

こんなお話フランスの人里離れた村にある洋館に、9カ国から翻訳家が集められた。全世界待望のミステリー小説『デダリュス』の完結編の各国語への翻訳のためだ。しかし9人は、洋館の地下に隠された要塞のような密室に隔離されてしまう。海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者の同意のもと、彼らを隔離して極秘に翻訳を行わせることにしたのだ。

レビュー9人の翻訳家を地下に閉じ込めて、外界との接触を一切遮断した状態で

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||」監督:庵野秀明/2021

「シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||」監督:庵野秀明/2021

こんなお話
赤く荒廃したパリ市街地に、上空のWILLEの旗艦ヴンダーから艦隊とマリの乗るEVA8号機、そしてリツコが率いる作業員たちが降下し、「ユーロNERV第1号封印柱」の復旧作業を始める。途中NERVのEVAによる妨害を受ける[注 2]が、8号機によってすべて撃破される。復元作業を終えたパリ市街地は元の美しい姿を取り戻し、WILLEは旧特務機関NERV・ユーロ支部に保管されていたEVA2号機の

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「真実」監督:是枝裕和/2019

「真実」監督:是枝裕和/2019


こんなお話
フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠

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