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自由詩「霧の声」

霧の中に立ち込める静寂の中で
微かに聞こえるのは霧の声
空気を震わせるその囁きが
心の奥深くまで響く

夜の闇に包まれた森の中
霧が優しく包み込む
樹々の影が踊り
鳥たちの囀りが遠くに響く

霧の声は幻想的でありながら
深い哀愁を湛えている
遠い過去の記憶が呼び覚まされ
心の奥底で蠢く

ふとした瞬間に感じる
霧の中に隠された存在の気配
見えないけれど存在は確かに
私たちを包み込む

霧の中に浮かぶ幻の光
その輝きが心を導く
迷いながらも進むべき道を
霧の声が教えてくれる

時には不安と恐れが
心を覆い隠すこともあるが
霧の声はその中にも
勇気と希望を与えてくれる

夜明けが近づくにつれて
霧は徐々に晴れていく
新たなる日の光が
闇を照らし出す

そして霧の声は静かに消えて
心の中にただ静寂が広がる
しかしその響きは永遠に
私たちの記憶に残る

霧の声は時に悲しみを語り
時に喜びを囁く
その美しい旋律は
人々の心に永遠に響き続ける

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